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93年式ヤマハGTS1000のインジェクション修理 低回転でのバラつきの原因 [93'YAMAHAGTS1000]

今は手放してしまいましたが前輪片持ちサスペンションという画期的なバイク、93年式YAMAHAGTS1000に行った作業を、ハイゼット同様まだブログというものが確立してなかったためYahooのジオログに記録していましたが、読むのに苦労するのでこちらに再録いたします。(というかジオログもyahooブログも2019年に閉鎖されちゃいました。文化の消失です。)文章は当時のものをそのまま使いました。

初期のインジェクション車の修理は珍しいと思いますのでお楽しみくだされば幸いです。

GTS34.jpggts41.jpggts71.jpg

やっと暇ができたので、GTSの低速でのばらつきの原因を究明することにしました。
標高350Mの自宅では非常に調子よく、豊田市へ降りると調子悪くなります。
これをキャブに当てはめると、パイロット系の燃料通路が詰まってガソリンの流量が足りず、低速域でのガスが薄いことになるんですが,キャブの場合標高があがると空気が少なくなり相対的に燃料は濃くなるはずです。
インジェクションはどうして薄くなるんでしょうか。この辺に原因がありそうです。
さてインジェクションの場合、アイドリング専用の燃料の通路はありません。
低速域も高速域も1個のインジェクターでカバーしているのです。
キャブの常識は通用しません。
そこで私の本職(注:失業前のおはなし)の自動車で考えて見ました。
たとえばトヨタのエンジン4AGの場合、アイドル回転はエアの流量のみしか調整できません。
そのエア流量に対して適切な燃料が計算されてインジェクターにより供給され、スムーズな低速域を実現するわけです。
で、GTSも低速域のエア供給量が足りない=ガスが足りないと予想したわけです。
キャブだったらスロージェット系のガス流量が固定されているのでエア供給が足りないと逆に燃料が濃くなるんですが。

 

gtsinjection1.jpg

さて作業ですが、プラグ交換のページの作業をおこない、外装をはがします。
そのあと、燃料タンクを固定しているA,Bのボルト2本、タンクを支持しているサブフレームをフレームに止めているボルト4本、タンク前方をサブフレームに止めているボルト2本を抜き、タンクを左にずらします。
エンジンをかけるために燃料ホースなどは外しませんので、車体左側に脚立等を置きタンクを載せたほうがいいでしょう。

gtsinjection2.jpg

 次にエアクリーナーボックスを外します。
この大きなケース、実はインシュレーターのバンド4本でスロットルボディに止まっているだけで、他には一切支持がありませんので、バンドのプラスねじ4本を緩めれば車体から外れます。
ボックスを持ち上げ、ボックス下面にあるAのコネクター(吸気温度のセンサー)を抜き、ドレンホース2本とクランクケースブリーザーホース1本を抜けばエアクリーナーボックスははずれます。
2枚目の写真はずらしたタンクとやっと見えたスロットルボディ(燃料系のないキャブですね)。
ここまではずすと、スロットルボディの横にある、バルブ全閉時にエアの供給量を調整するエアスクリューが見えます。
このスクリューを回転数を数えながらいっぱいまで閉めます。
一番右の気筒のみ1回と3/4回転、他は2回転戻しでした。
数えたら中から出てくるスプリングと一緒に外します。
ただいっぺんに全部はずさず、一気筒ずつ外したほうがいいでしょう
こちら側に見える黒いボックスはスロットル開度のセンサーです。

このGTSというバイク、当時最新の技術を盛り込んだインジェクションバイクだったわけですが、今の技術から見ると思いきりアナログなんですねー。
今ならアイドリングの回転数はエンジンをかけてから暖気が済むまでISCV(アイドルスピードコントロールバルブ)という装置が常に一定に保ちます。
ところがこのバイクは電熱式のアイドルアップ装置からリンクが出ていて、エンジンをかける前はこの先端がスロットルバルブを押し上げていて。(アクセルをちょびっと開けている)あったまってくるとだんだんアクセルを閉じていくようになっています。
これは大昔の車のキャブレターについていたものと全く同じです。
エアスクリューなんてものも今のインジェクションにはありませんし。

gtsinjection3.jpg

 1番の開度だけが違っていたのが気になります。
外したスクリューをみると先端にねちゃねちゃのカーボンがべったり。
これがエアの供給量を抑えていたわけで。
2枚目の写真で矢印の先がエアスクリューです。
その上にあるスロットルバルブの少し上に3MMぐらいの穴があいており、その先にスクリューが刺さってエアの流量を制限して、エンジン側に供給しています。
その穴がカーボンまみれ。
それではなぜエアクリーナーを通ったばかりの空気にカーボンがつくの?
排気ガス規制があるため、クリーナーボックスにはクランクケースからのブローバイガスが入ってくるのです。
ブローバイガスにはオイルが混じっています。
で、長く使うとこうなるわけ。
さらにエンジンからの吹き返しもありますし。
エンジンをかけてスローポートからキャブクリーナーを1缶分吹き込みました。
スクリューも4本とも清掃。

3枚目の写真は今回大活躍したマグネットピックアップツール。
GTSは隙間なくパーツが配置されているので、ねじを落とすと下に落ちてきません。ダイソーで100円!で売ってました。
今回も10回ぐらいお世話になりました。

話がそれましたが、エンジン不調はこの整備でほぼ治りました。
しかし、まだアイドリングがいまいちばらつきます。
ただこれは原因が分かっています。
本来エアスクリューの調整はバキュームゲージで4気筒とも負圧をそろえなければいけませんが今回は日が暮れてしまい、ゲージを使わず2回転戻しで統一しただけなので。
次回ゲージを使い完全に4気筒の同調をとろうと思います。
もうひとつ、一番右側の気筒のインシュレーターの周りにガスが吹き抜けた跡が付いてました。この辺も不調に関連ありそうですので、一度脱着して見ようと思います。

*2006年10月30日記。結局これ以降の作業はせずに手放してしまいました。次はブレーキパッドの交換を再録いたします。


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