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ヤマハGTS1000のエンジン不調修理 [93'YAMAHAGTS1000]

今は手放してしまいましたが前輪片持ちサスペンションという画期的なバイク、93年式YAMAHAGTS1000に行った作業を、ハイゼット同様まだブログというものが確立してなかったためYahooのジオログに記録していましたが、読むのに苦労するのでこちらに再録いたします。文章は当時のものをそのまま使いました。*ジオログは2019年廃止されてしまったのでタイムリーでした。

rightside680.jpg

2輪用のETCモニターとして、GTS1000にETCをつけたので、通勤に使おうと引っ張り出した。そういえば本格的に走ったのは去年夏に南紀一周したきりだ。エンジンをかけてみるとアイドリングから2000回転までばらついている。というか、2000回転までの途中がない。オンオフスイッチのようにアイドリングから一気に2000回転になってしまう。なので足をつかずにUターンができない。

最近はこの前車検を取るためだけに40㎞ほど走っただけである。
このバイクは初期のインジェクションを搭載している。
とりあえず車に使って絶大な効果を挙げたインジェクタークリーナーをぶち込んで数日通勤してみた。
尻上がりに調子はよくなったが、やっぱりアイドリングよりちょっと上で不安定な感じ。
交差点で左折する途中でエンストしそうになったりする。
で、直接インジェクション周りにキャブクリーナーを吹き付けてみようとエアクリーナー周りをばらすことにした。
まずアッパーカウルとタンクサイドカウル(普通のバイクで言うとタンクに当たる)をつなぐボルト4本を抜く。
次にステアリング周りのカバーをはずす。
左は見えるねじをはずせば取れるのだが、右はふたを取ると中に隠しねじがある。
シートをはずし、タンクセンターカバーをはずすと見えてくるタンクサイドカウルをとめているねじをすべてはずすと、エアクリーナーとタンクが現れる。

ここまではがすとこのバイクが異常な構造をしているのがわかる。
オメガ型をした白い部分がフレームだ。
前輪と後輪はこの部分で支えられている。
その上にはタンクとエアクリーナー、メーター類が載っているだけだ。
上部構造は、入力装置であるハンドルを、乗っているライダーの必要な位置に固定するためだけに存在しているのである。

leftsideGASUTANK.jpg

これが左側。

タンクカバーの後ろ半分を占めるタンクは20リッターの容量。
最新のバイクのようにシート下まで使うという小細工は無い。
単純にクランクケースの上に載っているだけである。
こちら側の丸いふたは燃料ポンプ。車とまったく同じ構造である。
当然リザーブは無い。
車と同じく、燃料計とランプで燃料が無いことを知らせる。
燃料計のセンサーはタンク右サイドにある。
燃費は15km/リッターぐらいなので300㎞走れるが
念のため200㎞ごとに給油することにしている。


タンクの左前にあるのは燃料フィルター(だと思う)。
タンクとステアリングの間がエアクリーナーボックスだ。
10本ぐらいのプラスねじを抜くとエアクリーナーが出てくる。
ごちゃごちゃしているようだが、整備性はかなりいい。
カウルをここまではずす整備はエアクリーナーの掃除ぐらい。
(スペースは少ないがラジエターがエンジンより上にあるので、プラグ交換はカウルをはずさずにできる。)
エンジン以外の補機類はステアリングヘッドを支える鉄パイプ製のサブフレームに固定されている。

aircleaner680.jpg

これがクリーナーボックス内部。
上にあるかまぼこ型のエレメントの下側からこちらに向かって吸気する。
突っ立っているファンネルにキャブクリーナーを吹き込んだ。
インジェクタークリーナーは、当然ながらインジェクターより下流にしか届かない。
そこで、ファンネルからキャブクリーナーを吹き込んで、クリーナー>インジェクター間を掃除するのだ。
なぜこんなことをするのかというと、4輪車の場合、この辺にアイドリングを一定に保つためのアイドルスピードコントローラーなるものがあり、ここがカーボンで汚れてアイドル不調をおこすから、とりあえずやってみたのである。
しかし、このバイクにはそれらしき装置が見当たらなかった。
アイドル回転は昔ながらのスクリューでバタフライの開度を調整するタイプだったから、この作業は無駄だったかもしれない。
今の技術(ダブルバタフライ、ツインインジェクターなど)でこの辺を作り直したいところである。
まあ、このあとばらつくのはほぼ直ったので良しとしたい。
多分これ以上は点火系の不調だと思う。(特にプラグコード)

plugcap680.jpg

最後にプラグコードを点検。
なんと4本中2本がプラグキャップからするっと抜けてしまった。
そこで、4本とも先端10MMをカットして改めてプラグキャップをねじ込んだ。
こういうしょうもないことでアイドル不調になったりするのは、昔の2ストオフロード車で経験済みである。
ただ、結局これでもアイドリングから2000回転の間で時々失速する症状はわずかに残った。
とりあえずイリジウムプラグに交換して様子を見ようと思う。
それでだめだったらプラグコードをシリコンにしてみよう。
まあ、いままで乗ってなかったバイクである。
毎日乗っていればよくなっていくだろう。
でもすでに30000KMを超えクラッチがやばい。
次はクラッチ板の交換をやってみようかな。

この写真何がなんだかわからないと思うけど、左に見えるのがラジエターファンのモーター。ヘッドライトの真後ろぐらいにある。
通常のバイクではここにはフロントフォークがあるため、こんなところにラジエターがあるのはこのバイクぐらいだろう。
エンジンより上にあるので当然ラジエターへの風をさえぎる物は前にも後ろにも何も無い。
真ん中あたりがシリンダーヘッドカバーとプラグキャップ。
この中に気筒あたり5個ものバルブが入っているとは思えないほどヘッドはコンパクト。
右の蛇腹はエアクリーナーのインテーク。
ひざの前辺りから吸気して上のエアクリーナーへ新気を
送る。

2006年10月6日記。(記事が前後してしまいました。この後プラグ交換の記事となります)

このあとキャブのアイドルポートの清掃をして低速域の不調はほぼ治りました。次の記事を参考にしてください。 


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コメント 6

さる1号

前輪片持ちサスペンションなんてあったんですね。
知りませんでした。

by さる1号 (2011-01-30 07:57) 

harry

GTS、画期的なマシンでしたね。じっくり造り続けて
熟成していったらBMWのツーリング・マシンの牙城を
切り崩せたかも...なんて思ったりします。
それにしても整備性はちょっと悪そうですね。
by harry (2011-01-30 08:38) 

MHR

さる1号さまありがとうございます。
後にも先にもこの1台で消え去った技術です。
フロントフォークの技術がこれ以上に進歩してしまい、必要がなくなったのでしょうねー。後輪が片減り(私のは右側だけ溝がなくなりました)するのには参りました。サイドカーのように直進するためのバランスが悪いのでしょうね。
by MHR (2011-01-30 19:43) 

MHR

harryさまありがとうございます。
今の技術なら、すべての問題が(価格も含めて)解決出来るのではと思います。なにより世界に殆ど無いバイクというプレミア感によいました。でも殆どの人がフロントフォークがないことに気づかない。エルフモトみたいな、あるいはテーシみたいな特別なデザインが欲しかったです。
整備性はスクーターレベルですな。
慣れればすぐにばらせます。
by MHR (2011-01-30 19:48) 

脳天気らいだ

はじめまして、最近GTSを手に入れたので、整備の参考にさせてもらっています。不人気車なので、当時の価格からすれば信じられないくらいでした。しかし、アイドリング調整するだけでもタンクカバー外さないといけないなんて、ちょっと嫌ですね。
by 脳天気らいだ (2011-09-07 03:38) 

MHR

脳天気らいださまありがとうございます。
本体は手放しましたがサービスマニュアルやハイスクリーンやサイドボックスのステーなどまだ持ったままです。本体をまたいつかまた手にしたいです。
そういえば当時は180万円もしたんですねー。
タンクカバー外すのもいつか楽しみになりますよ。
by MHR (2011-09-07 19:25) 

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