SSブログ

「風立ちぬ」を見に行って来ました。 [ドラマやらアニメやら]

ゲド戦記やハウルの動く城でがっかりして以来見にいってなかったジブリ作品。

CA3C0566.jpg 

映画のテーマ「生きねば」じゃありませんが、堀越二郎さんがモデルとあらば「見らねば」とお出かけして来ました。予告からも「いい匂い」が漂ってきてますし。(あくまでもモデルであって、架空のお話です。なのにネットでは非難轟々。みんな何を見たいのだろうか。トトロと同じファンタジーアニメなのに)

CA3C0567.jpg

実は豊田市にはゲームセンターと一体になった小さな映画館があるのみです。観客はいつ行っても少なく、いつ潰れても不思議ではありません。当然いい映画は来ません。この街では文化が育たないようです。

で、隣のみよし市まで出張。イオンの上にあるMOVIXへ。

CA3C0565.jpg

平日なのにすげー混みよう。豊田もこうだったらいい映画が来るのに。 

13時の回に入場。

そこには今まで見たこともない光景が。平均年齢の高さと言ったら・・。

さらにジジババ、あ、いや、高齢のアベックが何組も。アニメですよこれ。 

最初の30分はコマーシャルと予告。映画館存続のためにはしょうがないと言え疲れました。

さて、やっと上映開始です。 

ご存知のように主人公の声はあのエヴァの監督庵野さん。

最初の十分間は監督の髭面がフラッシュバックしてしょうがなかったのですがあら不思議。

すぐに気にならなくなりました。

いや、それどころか朴訥としたアフレコが「いいかも」と思えてきます。 

後半庵野監督がどんどん上手くなっていくのが凄いです。しかも素朴さは残したまま。さすが表現者ですね。

内容とか感想は見てもらうとして。(感想は人それぞれ。何を求めるかでぜんぜん違うでしょう。)

零戦の開発記みたいなものだと思ったらぜんぜん違う。

強いて言うなら時代を映像化している?

空気が綺麗。空がキレイ。田んぼが綺麗。 

親兄弟でも敬語を使う。

兄妹でも必ず正座して挨拶をする。

服装は常にきちんとしていて颯爽としている。(かっこいいんだこれが) 

みんなが貧乏。でもプライドがある。

軍人は馬鹿ばっかり?

誰もが今日を必死に生きてる。とにかく潔い。特にヒロインの潔さに大量の涙を捧げました。

技術屋が見るとわあっと思うのが計算尺。とにかくしょっちゅう出てきます。

え?計算尺って何って?(WIKI計算尺のページ

私が学生の頃、電卓が発明されて商品化されたんですが高い。高くて買えない。

で構造計算に使うため教材として強制的に買わされたのが竹でできた計算尺。(竹は伸縮が少なく精度がよく頑丈なためものさしや三角スケール、T定規にも使われてました。)

大雑把に言うと3つの部品でできた、ノギスみたいな道具で、スライドする目盛りを刻んだ板を外の目盛りに合わせてると計算ができるという手動計算器です。

私はそれ以外にタイガーの手回し計算機という複雑な機構を持った手動計算器も使ってました。 

コンピューターはまだ学校に1台という時代で、パンチカードに穴開けて命令文を入力してましたっけ。 

地震のシーンでびっくり。計算尺にあんな使い方があるなんて。 頑丈だからこそできる使い方。

図面が青焼きというのも萌え要素。 ジアゾコピーでしたっけ。

あと、今じゃ見られなくなった風景。

煙草の煙がすごい。ほとんどのシーンでタバコ吸ってます。顔を合わせると挨拶のように「タバコあるか?」なければ灰皿を漁る・・・。

これ以上はネタバレになるんで終了。

どちらかと言うと堀越二郎成分よりも堀辰雄成分がかなり優っています。純文学作品の映像化といったほうがいいか。

ともかく大人のアニメです。(くれぐれも技術屋の映画だと勘違いしないように。「君の名は」とか「カサブランカ」が近いかな)

涙がだ~っと出ます。悲しい涙じゃなく、ヒロインの、主人公に捧げる愛に心が鷲掴みにされて流れる感動の涙。

宮崎さんは「アニメはこどものためのものだ」という持論があり、「風立ちぬ」をアニメ化するのには反対だったそうですが、女性スタッフの、「こどもは、今はわからなくても成長するに連れて、あああれはそうだったのかと理解する」みたいなことを言われてアニメ化を決めたそうです。

そういえば私も小学校3年でサンダーバードOX号を見に行ったら同時上映が字幕の「猿の惑星」で、少ししてからラストシーンの意味がわかったっけ。

ラストに流れる「ひこうき雲」。心にしみます。(学生時代初めて聞いた時も涙が流れた覚えが・・・) 

久しぶりに荒井由実のアルバムを引っ張りだそう。

*そういえば隣のお姉さんが「シベリアって何???」とつぶやいてました。今でも売ってますよ。あれ。 


nice!(11)  コメント(10)  トラックバック(0) 
共通テーマ:バイク

nice! 11

コメント 10

かある

計算尺と青焼き~!!!
なつかしー。

自分が学生になった頃、ほぼ、初期の電卓。
確か、単三2個くらいのとんがったメーカの関数電卓。
計算尺といえば、対数表というのも習いましたっけ。
関数電卓を使えば、対数表はいらないけど、一応、教えとく。
そういう端境期でした。

ちなみに、青焼きの時代には、測定器の画面にトレーシングペーパーをあてて波形をなぞるという、ことをしました。
その時のボールペンは太めの書きやすいものがいいです(いいでした←過去形ですね)

これって、ロストテクノロジー???

以下、蛇足(フト、連想したので)。
空芯コイルの計算には長岡係数を使います(電磁気の世界では有名)。
これを習った時の先生の言葉。
長岡さんが生きていたときは、長岡氏係数と言ったそうです。
亡くなると、氏をつけない、というのが日本人の礼儀だそうです。
そういう躍動の時代のアニメだという印象を受けました。

この映画、よかったですか?
観に行きたいものです。

by かある (2013-07-24 20:04) 

MHR

かあるさんありがとうございます。
私が高専の建築学科に入学したときは、まだ電卓はネオン管みたいなやつで3万円ぐらいしました。それが卒業する頃は緑の表示になり関数電卓が15000円ぐらいになりました。凄い速さで進歩してましたねえ。
対数表今でも持ってます。あと、三角関数を一覧にしたものもありましたねえ。これがあれば計算しなくてもsincostanがわかるってやつ。
青焼きはまだ建築業界では使われているそうです。
いい映画でした。涙で顔がガビガビになってしまいました。
技術屋さんなら共感出来ますよ。

by MHR (2013-07-25 00:01) 

さる1号

計算尺と青焼きという言葉に萌えます
そういえば学校で計算尺買わされました^^
就職して最初に与えられた仕事が・・・
これ、青焼きしておいて
でした^^
by さる1号 (2013-07-25 06:49) 

MHR

さる1号さんありがとうございます。
私も全く一緒(笑)
同世代ですねー。
by MHR (2013-07-25 17:14) 

barbie

実はジブリ作品って虫とかリアルすぎてあんまり好きじゃないんですが(笑)
これだけは見に行こうと思ってます(^^v
若い世代にも見て欲しいからGUSOKUも強制参加かな(笑)
by barbie (2013-07-25 19:46) 

HIRO

こんにちは。
まあ、今迄に無かった試みなんでしょうね>半世紀以上過ぎた少年少女が来るアニメ

計算尺も、青焼も、単3電池の電卓も分かりますが...デジャビュ??(謎)
by HIRO (2013-07-25 22:12) 

MHR

barbieさんありがとうございます。
私は巨神兵が苦手でしたー。あれを描いた人が今回の主人公やってます。いわば純愛物語なので女の子なら共感できる内容ですが男の子はわからないかも。それでも見る価値はありますよー。戦争のシーンはほとんどありません。
by MHR (2013-07-25 22:24) 

MHR

HIROさんありがとうございます。
たぶん旦那さんが堀越技師の物語だと思って、見たいけど一人でアニメ見るのは恥ずかしいと思って奥さんを誘ってくるのでしょうが、終わったときは奥さんが感動しているという不思議なお話です。
技術屋3点セッが分かる人は大歓迎です。
by MHR (2013-07-25 22:28) 

月光仮面

管理人さん
距離の離れた高専の先輩である管理人さんの電卓談義を
見てつい書き込みいたします。確かに入学当時の電卓は
ネオン管に近いものがありました。しかしそこは企業のカシオ
市場の1/3くらいの価格で頒布していたと思います。関数電卓で
いまでも使えないキーがたくさんあります(流石に今は液晶)
計算尺は小学校で先生が持っていたのでなじみがあります。
丸型のやつは割り算掛け算が比較的簡単だったのですが
一般的なのはルートくらいでしたかね・・・・懐かしいですね。
現在物を作る仕事をしていると「本当に現物は正直」を実感
します。原理・原則より消費者をなんとか説得する技術に企業
が腐心している現在を憂います。弟さんがエアコン嫌いなのも
本能的にエアコンの負の部分を感じているのからかもしれません
管理人様のご回復を切に祈っております。申し遅れました。
中国の赴任より帰ってまいりました。この性格ですから中国人
スタッフには好かれましたが会社では異端児です。
by 月光仮面 (2013-07-26 20:55) 

MHR

月光仮面さんおかえりなさい。出張ご苦労さまでした。
プロジェクトXとか見てると、まずモノありきですよねー。とにかくこういうのがあったらいいなあというものを作ってみる。使い方はあとからついてくるという・・・・。特に自動車にそういう印象を持ちます。あの頃の車はいまでいう夢の実現で。情熱を形にしたらこうなったという感じでした。最近ではプリウスがそうだったと思いますが、それを売るという段階でただの商品、悪く言えば大根や人参と同じものになっちゃったような気がします。
良くも悪くも昭和っていい時代だったと思います。

by MHR (2013-07-26 23:25) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

にほんブログ村 バイクブログ バイクいじりへ
にほんブログ村
にほんブログ村 車ブログ 車 修理・整備へ
にほんブログ村
にほんブログ村 バイクブログ BMW(バイク)へ
にほんブログ村