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ハイゼットS110V・4WDバン車検整備 ATミッション降ろし7日目 笑うしかないオイルシールの交換終了。 [H9(97)年ダイハツハイゼットバンS110V]

明日から雨が続くということで、なんとか今日中に目処をつけようと作業開始。今日はエアコンプレッサーを弟のところへ運び、エアインパクトを使うことにしました。騒音については弟が家を電動工具で補修中ということもありご近所の了解をとってるそうです。早く言ってよー。


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まずはミッション降ろしから。台車の取っ手を外して


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風呂マットを載せてラチェットベルトを緩めてミッションを降ろします。これでミッションを後方へ移動しました。


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ドライブプレート御開帳。しばらく下から見上げて次に何をやるか段取りを考えます。


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そうだ、ミッションのオイルシール換えとこう。何しろここのオカマの内側にある2個のオイルシールは、ミッション降ろさないと交換できませんから。ほんとだったらミッションを車体下から引っ張り出して行うべきですが、それにはあと20センチぐらい車体を上げないといけないので、車体下に置いたまま交換しちゃうことにしました。


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オイルが溜まってますねえ。もしかしてエンジンからだけじゃなくてミッションからも漏れてる?


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ミッションが抜けたあとの床の裏。サビもなくきれいです。塗るつもりで錆止めもペンキも用意したのに拍子抜けしました。ま、折角のチャンスだから塗るけど。


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トルクコンバーターをこじらないよう、左右に回しながら徐々に抜きます。


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オイルをこぼさないようにこの向きに置きます。このパイプの外周がオイルシールにはまってて、パイプの内側はスプラインになってます。溶接組み立てでこれで1個の部品となってますが、内部は精密な部品が組み合わさってますので絶対落とさないように。


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少しだけオイルが溢れましたがオイルは抜いてあるので想定内。


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オイルシールははるか昔に購入済みです。90043-11336。(オリジナルは90043-11299。伝票によると10年前の2009年10月発注。つまり10年も見なかったことにしてたと・・・)32X52X8 タイプT。336円!。


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これまた昔この日のために購入してあったストレートのカムシールプーラーシャフト用。しかし結局このタイプでは抜けませんでした。(シャフトとオイルシールの間にコンバーターのパイプが入る構造なので隙間があるため引っかかりが浅い)


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抜くことができたのはこのタイプ。


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結構きつくて破壊して抜けました。(リップを締め付けてるスプリングがとれた)


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新しい方をコンバーターにあてがうと一応サイズはOK。ただ品番が違います。古いほうがMK032S3で新しいほうがMK032A4?。メーカーは外したほうがKCH、新品はKOYO。


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穴を清掃して塩ビパイプで新品のオイルシールを叩き込んだんですが、パイプの径がやや小さかったため少し内側を叩いてしまい、オイルシール本体がほんのちょっと波打ってしまいました。まあ多分大丈夫でしょう。(実は冷や汗がたらり)


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オイル漏れ、この辺も濡れてるので、オイルパンのフランジも怪しい。


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横に寝ているエンジンなので運転席側にオイルパンがあるため、そこに寝ていない正立のミッションを連結しようとすると、エンジンマウントにミッション上部を締結する必要があるんですね。(この3個の穴がエンジン上部から苦労して外した見えないボルトが刺さる場所)これより右側(オイルパン側)にはミッション固定ボルトはありません。


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さあ、いよいよ本命のクランクオイルシールと対面です。(左がシリンダーヘッド、右がオイルパン。これを見るとなぜ太いボルトが左側だけにあるのかよくわかりますね。クランクシャフトより上、この写真だと左半分でしか剛性が確保できないからです。)


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ドライブプレートをクランクシャフトに固定している6本のボルトをエアインパクトで緩めます。


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すげーなあ、インパクト。1分もかからず6本のボルトが抜けました。なにより緩んだあと延々とボルトを回さなくてもいいのが最高。もっと早く使えばよかった。(今回の使用はこれだけ)


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リテーナーを抜きます。(小さな穴は位置決め用のノックピン。なぜ位置決めが必要かと言うと円盤上にエンジンの点火時期確認用のマークが切り欠いてあるから。オカマの上部に確認窓があります)


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いよいよドライブプレートを外します。ワクワク。(円盤の一番下の小さな切り欠きが点火時期マーク)


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恋い焦がれたオイルシールとご対面。・・・・・あ。赤い部分が一番低い位置。そこから間違いなくオイルが漏ってますねえ。いやそんな事どうでもいいぐらいの衝撃が。


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わかりますでしょうか。思わず笑ってしまいました。この笑いを共有しようと家の中で床に断熱材を張っていた弟を呼んで見せたのですが。

「すげーだろこれ、オイルシールが飛び出てるんだぜ。そりゃ漏れるわな」

「???はあ?どこがおかしいの?、ちゃんと面一(つらいち)なってるじゃん」

とオタクと一般人の噛み合わない会話のようになってしまいまいました。

オイルシールがクランクエンドと面一じゃ、45度に面取りされたシャフト端面に、オイルをせき止めるためのリップがかからずに漏れますわな。(多分静止状態だとオイルシールのリップがクランクシャフト上にかろうじて載ってますが、内圧がかかるとリップが外に押し出されてしまい、クランクシャフト端面の面取りから踏み外すのだと思われます。そうなるとオイルが無抵抗に押し出されてしまうわけで。)

ここのオイルシールは外のケース端面と面一じゃないとNG、が正解です。

ダイハツ車に多いみたいですが、ヘッドカバーのブリーザーパイプが詰まって高圧となったブローバイガスによってこのリアオイルシールが押し出されるらしいのですよ。(フロント側はタイミングベルト・プーリーがあるので抜けない)


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ただ、押し出されたオイルシールはドライブプレートで抑えられて、完全に抜けることはありませんのでオイルがドバドバ吹き出すようなことはありません。それでもシールがここまで抜けると、今回のようにそれまでのオイルにじみ程度から突然のオイル漏れへとなってしまうのです。外したドライブプレートの裏には、遠心力で放射状に流れたオイルの軌跡と、押し出されたオイルシールが擦れたあとがくっきりと。(白いリング状の部分)

つまり今まで入れた、オイル漏れを止める1万円分くらいの漏れ止め剤は全て無駄だったということですな。(涙)


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ここで初めてカムシールプーラーが活躍。ここまで抜けてるとあとはちょっとこじれば簡単に外れます。右が付いてたもの。左が新品。


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ダイハツ品番90043-11323。(オリジナルは90043-11283)これも2009年10月購入。693円です。ディーラーに頼むと交換工賃だけで40000円だとか。(でもここまで15時間以上かかってるから時間工賃3000円だとしても高くはないよね。)ちなみにトランスファアウトプット用だと思われるDタイプオイルシール90043-16022も一緒に頼んでたけど、そいつは2520円もしてます。


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メーカー品番AH7953H。


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付いてた方には品番の刻印がありません。


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リップを見る限りまだ使えそうです。と思ったら、細かいヒビが入ってない?


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新品入れる前にお掃除。


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ここで新兵器登場です。手が不自由なのでパーツクリーナーは片手で持って片手でヘッドを押すというふうに両手じゃないと使えないのですが。


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ここでスプレー缶の首を掴み


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セット完了。赤い部分がスプレーヘッドを押します。


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この引き金が上のスプレーヘッドの上の赤い部分とつながってます。これはすごい。もっと早く手に入れるべきでした。なんといってもスプレー塗料もCRCも使えるとこが偉い。


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パーツクリーナー吹いてオイルを拭き取って


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抜け防止の為シールパッキンを塗布してオイルシールを叩き込みます。


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が!ゴムハンマーで均等に入れようとしてもどうしても斜めになってしまい入っていきません。オイルシールドライバーもこのように真中にシャフトがある上にノックピンがでてる部分に使えるものは見たことありません。うまく入ったように見えても叩くと反対側が飛び出してきます。30分近く悪戦苦闘して、ドライブプレートのリテーナーが使えるじゃんと思いつきました。最初はリテーナーをあてがってゴムハンマーで叩いてたんですがやっぱり入っていかない。力尽きてぼおっとオイルシールとリテーナーを眺めていたら


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ボルトで締め込めばいいんじゃねえ?。これなら水平に均等に入ります。しかーし思い出してください。ボルトを一杯まで締めても取り外した時の位置までしか入らないことを。ここでまたしばらく悩みました。


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あーそうか。さっき外したオイルシール挟めばいいじゃん。ということで上の写真の位置まで水平に入ったオイルシールに外したオイルシールを重ねて、3本のボルトを均等に締めていきます。


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あと少し。(黒いのが当て物にした古いオイルシール、茶色が新品のオイルシール)


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入ったー。パチパチパチ。これを入れるだけで45分もかかりました。これが正規位置です。これでオイル漏れから開放されるはず。


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ドライブプレートをパーツクリーナーで清掃。


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ドライブプレートをセットしてボルトを入れようとしてやめました。


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せっかくここまで外したんだから、フランジがむき出しになっているオイルパン外して中を洗いましょう。(ドライブプレートを付けると、上の写真のようにドライブプレートが邪魔で、オイルパンを剥がすオイルパンカッターが全周に使えないため)


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交換したオイルシールのリップにオイルを塗って、トルクコンバーターを左右に回しながらゆっくり差し込みます。インプットシャフトが2重のスプラインになっているので、入ったと思っても揺さぶるとガタがあります。(断面図見ると、中がコンバーター本体を回すやつで、外が内側で油圧を受け取って羽車回すやつかな)そこから更に2段めが入るまで揺さぶりながら押し込んでいくと、「ガコン」という手応えとともにもう一段奥まで入ります。ここまで入ると揺さぶってもガタが出ません。


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これが完全に入ったかどうかの確認方法。オカマの端面からボルト座面まで28mm以上あるか測ればOK。ここまで入らないとコンバーターがドライブプレートにぶつかってしまいミッションが取り付きません。


あ、コンバーターに入ってるATオイル、車載だと抜く方法がないんだからこの機会に抜けるだけ抜くべきでした。今度抜きましょう。(当然抜いた分は後で新油を補充)


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今日のお仕事。3時間かかってオイルシール2個交換。・・・・・それ以上でもそれ以下でも無し。(涙)


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今日の功労賞。スプレーガンヘルパー。これは買いです。


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母の夕食のお買い物があるので今日はここまでで終了。


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備忘録:これが今までミッション下ろすのをためらっていた最大の原因である、どこを外せばミッションが降りるのか全くわからなかった、ミッションとエンジンの締結ボルトとナットすべてです。(マニュアルには全く載ってません。オイルラインを外してプロペラシャフトを外してミッションを下ろすとだけしか。)ミッションを共用するためか、何も刺さらないバカ穴が多いのに驚きました。左半分の6本の12mm頭のM8ボルトのうち下の3本はカバー取り付け用でミッション締結には関与してませんし、上の3本はエンジンではなくエンジンマウントブラケットに締結していてエンジン本体とは剛接続してません。剛接続しているのは右側の17mm頭のM12ボルト3本と一番下のスタッドボルトにかかる12mm頭のM8ナットだけという、これで大丈夫なのかという構造でした。


今度晴れたらオイルパンを脱着して清掃、クランクプーリーを抜いてカバーを外し、クランク前面のオイルシールとカムシール交換、ドライブプレートをつけて、ミッションを清掃して載せちゃいます。それが終わったら今度は、エアコンプーリーのベアリング交換、エアコンベルトとファンベルトを交換したら車検です。


本日の作業時間3時間、累計作業時間16.5時間。


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二兎を追う男

いや~、まさに凄いとしか言いようがありません。
ワークベンチの上ではなくて、下に潜っての作業ですもんねえ。
屋外なので天候とか日没とかの制限もあるし。
でも、まだ続くのですね。

ちなみに、スプレー缶に取り付けるトリガ-グリップ、私も持ってます。大きなものを塗装する時、指が疲れないのでいいですね。

そうだ、浸透オイルのスプレー缶のバネが滅茶苦茶硬くて、人差し指では微妙な調節が出来ずいつもドバっと出て飛び散るので、あれに使ってみよう。

by 二兎を追う男 (2020-01-26 02:40) 

通りすがり

自力でここまでできるのは本当に凄いですね
ここまできたら内装も床面をフローリングにしたり
キャンピング仕様にするとかどうでしょう
by 通りすがり (2020-01-26 04:09) 

MHR

二兎を追う男さんありがとうございます。
デブなのでホントはもう少し開口を大きくしたいんですが、もう一段ブロックを入れようとすると今度はジャッキのストロークが足らないんですよー。砂がバラバラ落ちてくるし、血の気がなくなってくるし、休み休みでないと保ちません。しかも工具やカメラを車の中に置いたりすると立ったり座ったりもぐったりの繰り返しとなって疲労困憊。せめてピットがあればねえ。スプレーのやつ、最高です。もう一個買った方は頭を取り替えるやつなので塗装ができないのが難点なので、こいつを何個か追加で購入します。
by MHR (2020-01-26 21:59) 

MHR

通りすがりさんありがとうございます。昔乗ってたハイエースはキャンパーに憧れて内装やりましたが、自炊しないしバイクを載せたいし、ただのテント代わりなので別にキャンパーじゃなくても良くね?と思うようになりまして、今回は断熱のためコンパネを敷くぐらいでいいかなあと。一応今回はサビを落として錆止め、凹みを鈑金してクリア塗装だけで打ち止めですね。
by MHR (2020-01-26 22:06) 

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