2020年ハイゼットS110V・4WDバン車検整備 エンジンフロントオイルシール交換開始1日目 ちょっと予想外のタイミングベルトカバー内部 [H9(97)年ダイハツハイゼットバンS110V]
*日にち的には前の記事からの続きですが、作業内容が変わるので2つに分けて新記事としました。
ここからはエンジンフロント側のクランクシールとカムシール交換のための作業開始です。
まず調整代(しろ)のストロークが足りないためにプーリーから抜くことができなかったエアコンベルトを、エアコンコンプレッサー本体をブラケットから外すことで抜いちゃいましょう。車の下に潜りコンプレッサーの下側を固定しているこの2本のボルトを抜きます。
ところがスペースがなさすぎて、フロント側のボルトを抜くための工具が回せません。ラチェットレンチの爪1個分をちまちま作動させて時間を掛けて緩めていきます。
柄の短いハンドルを見つけて少しだけ効率がアップ。左側にボルトの先端が出てるのわかります?。この分は全く不要な長さです。かって自動車製造に乗り出した本田宗一郎氏が、試作車に使ってある、今回のように反対側に突き出したボルトを見て「なぜこのボルトは無駄に長いんだ!!!」と設計者を怒鳴りつけたというエピソードを思い出しました。
工具を振るスペースが足らないこともあり、この1本を外すのに30分かかったのよ。
リア側のボルトは下からは手が届かないので、せっかくつけたエアクリーナーダクトを外しました。こんなことならつけるんじゃなかった。ほんと学習しないなあ。
ダクトを外すと上からボルトが視認できました。右がコンプレッサーのお尻です。
こっちはレンチを振るスペースが十分あり割と楽でしたが、ほんと無駄な長さだよなあ。(先の黒い部分はいらない部分)
コンプレッサーがブラケットから外れたのでやっとベルトが抜けました。
コンプレッサーを定位置からちょっと動かすので、電磁クラッチのケーブルを抜いておきます。
使用限度を超えたコンプレッサーベルトが、交換しようと思ってから10年の時を経てやっと外れました。これで内側のオルターネーターベルトを外すことができます。
キュルキュルという音の原因だと思っていたエアコンプーリーのベアリングですが、手で回してみてもスムーズで音も出ません。やっぱり音の出どころはあれだったかー。(後述)
オルターネーターは外さなくても黄色矢印の先にある固定ボルトを緩めただけでベルトは外れました。
外したオルターネーターベルトは完全に寿命でした。外れてよかったー。クーラーベルトは切れてもエアコンが効かなくなるだけだけど、こっちは車が死んじゃうからねえ。
さて、これは?
クランクプーリーにベルトを巻き付けて固定するプーリーレンチです。矢印の先がクランクプーリーボルト。これを長い柄をつけたソケットで緩めるのですが、このボルト、98Nmという、ホイールナット並みのトルクで締まっています。
文字の書いてあるベルトがプーリーレンチ。正直100Nmに勝てるわけがなく巻きつけたベルトが負けて滑るもんだと思っていたのですが。
ところがぎっちょん、こんなサビボルトが一発で緩みました。
外れたクランクプーリー。いやあ、インパクトレンチが必要かと思っていたのに、ちょっと感動しましたぜ。専用工具はすげーなあ。
これでタイミングベルトカバーが外せるようになったのでカバーのボルトを全部抜きます。ここはちょうど真ん中辺り。この辺がとってもオイリーなのでカムシールの漏れを疑ってます。
左がクランクシャフト端。奥がウォーターポンププーリー。クランク回りのカバーが波打ってるような・・・。
下から外せるカバーボルトを全部外していきます。
クランク側が済んだら上に回ってヘッド側のボルト外しへ。
カバー中央に刺さっているコネクターを抜きます。
ヘッドカバー側のケーブルクランプを外してカバーの中央を留めているボルトを抜きます。
全部外したはずなのにカバーが取れないので再び下からのぞくとウォーターポンプの影にボルトが1本あり、緩めるのに邪魔なポンプのプーリーを外しました。そしてポンプを回すとアッハーン、ウッフーンというような音が。(冗談じゃなくこんな音です)うわあ、ポンプ換えないといけないのか?。交換からまだ3.5万kmだよ。(ガタやゴリゴリ感はないのでちょっと考えます)
ここと、ヘッド側の真ん中のボルト2本だけがこんな長いボルトです。
これでカバーが取れるはず。
でもまだ油圧センサーのケーブルクランプがありました。こじって外すとやっとカバーがフリーに。しかしカバーがでかすぎて、上にも下にも抜けません。
タイミングベルトカバーは上下2分割なので、カラーで上下カバーが止まっている2箇所を抜いて分割してやっと車体から抜けました。
あれ?アッパー側は以外や以外、内部にオイルの濡れがありません。
濡れているのは上下の分割部の下側だけ。ちょうど外す前の写真でオイルが溜まっていた部分だけです。
下側カバーの内側は少しウェット。でもオイルが滴るほど漏れてる様子はないけどなあ。
表側。これかあ、キュルキュル音の原因は。プーリーがあたって削れちゃってます。本来こんな溝はありません。(右上の光っている部分と真ん中の外側のリング部分があたっている)
最初はハイゼットの持病、ダンパーつきプーリーの内外のズレからくる接触を疑ったんですが、カバー自体がへの字に変形しているのが原因みたいです。矢印の部分から右側(エンジン下方)がグニャグニャに曲がっています。
外したクランクプーリー。矢印の部分がゴムになっていて振動を抑えるのですが、古くなってくるとここが剥離し、外側のプーリー部分がずれてカバーに接触するらしいです。こいつはご覧の通りズレがないので接触の原因はカバー側ですな。
あれ?なにこのCリング?
キー溝も変形してます。
Cリングかと思ったらただの鉄粉の塊みたいです。なんじゃこれ?
キー溝の変形は無理やりねじ込んだせい?それとも回転でずれた?
カバーが削れた原因はこれかも。上下がゴムで挟まれているのがウォーターポンプなのですが、この矢印のゴムパッキン、ポンプの端面からこれだけ飛び出してますが、本来は端面と面一のはずです。多分ほんとはカッターなどで切り落とさないといけないのに飛び出たまま無理やり組んで、左側(車両前方)に付くカバーがゴムの厚さ分だけプーリー側に押し出されたんじゃないのかと。
(ちなみに2017年のですがあたってるところとはみ出してるゴム)
それより問題なのが・・・こっちもオイルでほぼ濡れてない。つまりカムシールもクランクシールもたぶんオイル漏れしていないのです。つまりあのオイルはカムカバーあたりからエンジンの外を流れて落ちてきたと。つまりバラす必要はなかったと。
まあせっかくなのでオイルシールは換えましょう。
ほれ、カム側のプーリーは砂漠のようにドライです。奥に見えるオイルシールも見える範囲では健在。
このカムホルダーのプラグはちょっと飛び出してて怪しいね。抜いて打ち込み直すか。
タイミングベルトも濡れてないし。
うーん、おかしいなあ、カムカバーからも漏れてないような・・・(車両下側から見上げています)。一度外してシールパッキン塗ってみましょうかね。
結局現状ではオイル漏れの痕跡を見つけることができませんでした。とりあえず一つずつ原因と思われる部分を潰して組んでいきましょう。
ベルトはまだ3.5万kmなので大丈夫そうです。
クランク側はフロント駆動系があるため下側からは目視できないので、シートを上げてここからこの狭いスペースでオイルシールを抜いて打ち込む必要がありますが、多分オイルシールをハンマーで打ち込むのは無理そうなので、塩ビ管を使って、リアシールでやったようにボルトによる圧入ができるようなジグを作りたいと思います。
明日からちびちびやっていきましょう。
本日の作業時間3時間、累計作業時間75時間
2020-02-27 23:55
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