セロー225 オイル漏れ修理とPWK28キャブ再セッティング [92'YAMAHA セロー3RW4(1KH)]
先日オイル漏れが発覚したセロー225。前オーナーからの情報で、以前一度外したカムチェーンテンショナーのガスケットが怪しいということに。
一応アイドリングで10分ほど放置してみましたが、テンショナーの装着部からはオイルは漏れてきません。圧がかからないとわからないかー。
前回の拭き残しですがシリンダー右側前方にもオイルが付いてます。
修理結果を確認しやすいように、カムチェーンテンショナーを外す前に、クランクケースに付着していたオイルをパーツクリーナーできれいに拭きました。
テンショナーの固定ボルト2本を抜きます。ただ真ん中のキャップは結構きつく締まってるので先に緩めておくべきでした。
スプリングに押されてテンショナーが飛び出してきます。
0.2mm程しかないぺらぺらのガスケットが本体にしっかり張り付いてます。
あー、ここから漏れたのか。その右のボルト穴も怪しい。完全に切れてませんが漏れるには十分でしょう。ただオイルラインの圧がかかっている場所じゃないのでにじむ程度で済んでたようです。逆にそれで気づくのが遅れました。
テンショナー全景。左がエンジン側。一番飛び出した状態ですが、左側から押してもびくともしません。つまりこのままでは飛び出したピストンが邪魔をして装着できません。
この中に仕掛けがあるので、このボルトを先に外しておかないといけません。この状態だと抑えが効かないのでこのようにドライバーを通して押さえながら外しました。
ボルトを外すとこういう十字の溝と、その奥にマイナス溝を切ったシャフトがあります。
このマイナス溝に細いドライバーを刺して時計回りに回していくとピストンが引っ込んでいきます。これはワンウェイになっており、ピストンを押しても全く引っ込まずに、ドライバー側は回りません。ドライバーから手を離すとスプリングによって反時計回りに戻ると同時にピストンが飛び出しますが、ドライバーを一杯までねじ込んだ状態でピストンを親指で押さえておくと、ドライバーはねじ込まれたままとなります。つまりテンショナーを取り付ける際はピストンをいっぱいに縮めた状態=ネジをいっぱい巻いた状態でドライバー側を固定しておかないととりつかないことになります。(詳しい構造は後述)。このワンウェイで圧力をかける構造によって、カムチェーンのたるみを自動で張ったら絶対に緩まないわけです。
ガスケットをスクレーパーで剥がしていきます。
シリンダー側のガスケットもスクレーパーで剥がしていきます。(ゴミが入らないように詰め物をしておきます。)
オイルストーンで平面を出します。
単純な形状だし純正部品を買うまでもないのでガスケットを作ります。30年ぐらい前に買った0.5mmのガスケット用紙。時代を考えるとアスベストかも・・・・・。
朱肉を用意。
取付面に塗ります。
切り出した用紙にぐいとスタンプし外周はハサミでカット。
真ん中の穴はデバイダーで切り落とします。
ボルト穴はパンチで。
さて、サービスマニュアルによるとテンショナーの組付けには特殊工具が必要です。
テンショナーのピストンは押し込むことはできませんが、ドライバーを突っ込んで時計回りに回すと引っ込んでいくので、スプリングに押し戻されて戻らないように指で抑えます。そして指を離してもピストンが戻らないように特殊工具で回転部分をロックするんですが・・・。
その戻り防止の特殊工具。自分で金鋸の刃から作りなさいですと。
これを先端を押さえたテンショナーのお尻の十字溝とマイナス溝に同時に差し込んで回転をロックします。これで先端の指を離してもピストンは引っ込んだままとなります。
この状態でテンショナーを取り付けて、ノコ刃を抜けばピストンが飛び出してカムチェーンが張られるというのが正規の方法。
ただ面倒だったので新しいガスケットを入れ、ドライバーでピストンを引っ込めながら徐々に取り付けボルトを締めていきました。
でも手を離すとバネでピストンが飛び出しちゃうので、ドライバーで締め込んだ状態でドライバーの軸をロッキングプライヤーでつかみ、回転を止めておきます。
取り付けボルトをいっぱいまで締めたら
念の為ドライバーが軽く回るか(つまりピストンがチェーンを無理に押してないか)確認。バネで飛び出したピストンをいっぺん緩めて引っ込めるわけです。回らない場合はカムチェーンをスプリングではなく取り付けボルトが押してる状態なので外してやり直しです。
蓋をします。
ガスケット交換完了。
さあ、オイル漏れが止まったか確かめに行きましょう。
オド5028.3km。
行き先はいつもどおり、道の駅つくで手作り村。八重桜が満開してました。
おおっ。見事に止まりました。よかったー、シリンダーベースからの漏れじゃなかったよー。
ついでになにか気持ちよくないキャブセッティングを煮詰めます。前回セッティングが出てたはずなのに以前のように開け始めで息つきし、あげくにエンストするのです。暖かくなったからかなー。
写真は使いまわしですが、エアスクリューを前回のベストセッティングである1回転戻しから徐々に開けていき、最終的に2回転と1/4戻しへ。これでも息つきは完全には治りませんでした。というか、スクリューを2回転以上、更に4回転まで戻しても何も変化しなかったんです。つまり、エアスクリューが2回転戻し以上では仕事してない・・・。多分スロージェットがまだ濃いのでしょう。今度35番のジェットを買ってきましょう。
帰宅時オド5074.2km。本日の走行45.9km。家に帰ってからもしつこくセッティングしたんですが変わらず。
アイドリングで10分ほど回したプラグがこれ(翌日撮影)。明らかにスローが濃い・・・。ただ真ん中の電極のスパーク面はきれいに焼けてるのでメインはOK・・・なのか?。やっぱりメインもスローももう一段絞りましょう。(MJは115>112、SJは38>35へ)。PWKはもともと負圧の低い2スト用ですので、スロットル全閉だと4ストの強力な負圧で無理やり燃料が吸い出されるそうです。なので最悪の場合、スロージェットを限界(スロージェットは最小35番までしか市販されてません。ただしセットだと38,35,32という3個入りがあります)まで絞っても燃料が規定量以上吸い出されてしまうため、スロー系の燃料通路を半分塞いじゃうとかエアの通路を拡大するという方法もあるとか。
PWK28セッティングデータ。
MJ#115、SJ#38、ニードルN80F(前オーナーデータ)クリップ一番上。エアスクリュー2回転と1/4戻し。
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お手数をおかけしました。
オイル漏れが止まってほっとしてます。
by ぱりだか (2021-04-27 21:34)
ぱりだかさんありがとうございます。
いやあ、久しぶりの、深刻でない故障でのバイクいじりを楽しめました。パリダカさんが復活させてくれたおかげでまだまだ色々楽しめそうです。
by MHR (2021-04-27 22:22)