SSブログ

あっという間の2年。2022年版ハイゼット車検準備。リアブレーキシュー交換とシリンダーオーバーホール。右後ろ足編。 [H9(97)年ダイハツハイゼットバンS110V]

IMGP18547.jpg

裏山の山桜が満開です。(これは一番下の枝だけで、上で大量に咲き誇ってます)


IMGP18548.jpg

昨日本締めした覚えがないといっていたジョイント部。しっかり締まってました。脳の劣化が・・・。


IMGP18555.jpg

今日は右後輪をオーバーホールします。


IMGP18556.jpg

割りピンを抜きます。


IMGP18557.jpg

長いレンチでナットを緩めます。


IMGP18558.jpg

ナット、スプリングワッシャー、ワッシャーを外します。


IMGP18559.jpg

サイドブレーキを解除して


IMGP18560.jpg

ドラムを抜きます。


IMGP18561.jpg

2年ぶりにブレーキシューとご対面。いつもならシューの残量を測るのですが、今回は新品に交換します。(中古車を購入してから初の交換となります。)ちなみにこの写真は、記憶だけではどうしてももとに戻せなくなったときの保険です。


IMGP18562.jpg

まず最初にブレーキシューの支点を支えている、このスプリングを外します。


IMGP18568.jpg

会社員時代に作ったスプリングを引っ張る工具。


IMGP18570.jpg

こういうふうに使います。


IMGP18572.jpg

ブレーキシューをバックプレートに固定しているシューホールドピンを裏から押して、スプリングを抑えながら90度ひねります。


IMGP18573.jpg

外れたらピンを抜きスプリングを外します。


IMGP18574.jpg

もう一個のブレーキシューからもピンを外します。


IMGP18576.jpg

これでブレーキシューがバックパネルから外れます。


IMGP18578.jpg

あとはこのサイドブレーキワイヤーを外せばブレーキシューは自由になるのですが・・・・。


IMGP18579.jpg

私の握力ではスプリングの張力に勝てず、この部分を外せませんでした。幸いワイヤーはシューではなく、新品のシューに移植しなければならないレバーに刺さってますので、ワイヤーをバックパネルと切り離さないままシューを交換します。


IMGP18561.jpg

さてここでドラムブレーキについてちょっと説明します。上の写真は右後輪ですので、ドラムは時計回りに回転します。一番上にあるのがブレーキペダルからの油圧をもらって、左右にある三日月みたいなブレーキシューを下側を支点にして押し開くブレーキシリンダーです。この三日月をドラムの内側に押し付けることでブレーキを掛けます。ブレーキシューは前側と後ろ側2枚あるわけですが、前側をリーディングシュー、後ろ側をトレーリングシューといいます。(ただしバックするときは名前が逆になります。理由は自分で考えてね)頭の中で想像してもらいたいのですが、構造上、前側(この場合右側)のブレーキシューは時計回りに回るドラムに対して刺さるように押し付けられるため(これをリーディングといいます)、強烈に効きます。それに対して後ろ側(左側)のブレーキシューはただ引きずられるように押し付けられるため(これをトレーリングといいます)摩擦は発生しますが前側ほどではありません。


何が言いたいのかというと。


IMGP18441.jpg

前にちょこっと出したこの写真。リアブレーキシューとシリンダーのオーバーホールキットなんですが。奥にあるのがブレーキシュー。通常はブレーキシューは1種類で表裏ひっくり返して前側後ろ側共用で使うんですが。


IMGP18444.jpg

ハイゼットの場合、前側と後ろ側の2種類に分かれてます。SN6620-10がリーディングシューでSN6620-20がトレーリングシューです。厄介なことに昔は純正品番がリーディングが47430-87512、トレーリングが47430-87514だったんですが、モノタロウで買おうとすると現在どちらも47430-87514のリーディング側、トレーリング側という分け方で、同じ品番なので注文するときは注意しないといけません。


IMGP18446.jpg

でどこがどう違うのか。ご覧のように金属部分は共通です。


IMGP18447.jpg

で、このようにリーディングシュー(左)とトレーリングシュー(右)とではライニング(ドラムと当たる摩擦材)の位置がこれだけ違いました。理由は・・・・・わかりません。ごめんなさい。

*コメント頂きましたが前後のシューで制動力を均等にするため、が正解のようです。


IMGP18583.jpg

で、次の作業はブレーキシリンダーのオーバーホールです。通常はフルードが漏れてから内部パーツを交換するのですが、いかんせん25年も前の車で、持ち主もいつくたばるかわからない状態ですので、やれるときにやっとこうということで。


IMGP18586.jpg

まずブーツを引っ剥がします。オイル漏れはありませんが水が入った形跡が。腐食しています。


IMGP18584.jpg

ブーツに穴が空いてました。


IMGP18585.jpg

反対側は無事。


IMGP18589.jpg

ピストンを引っ張り出します。シリンダー内はいい状態でした。写真を取り忘れましたが(左側をバラすとき撮りましょう)これが左右2個入っていて、真ん中にスプリングが入ってます。


IMGP18590.jpg

これがオーバーホールキット。04906-B2020。何故かトヨタ純正品。ハイゼットでの旧品番は04906-87502:Rホイールシリンダーカップキット。


IMGP18591.jpg

ピストンからラバーカップを外します。まだまだ使えそうでした。


IMGP18592.jpg

右が新品。うん、やっぱり換えどきか。


IMGP18594.jpg

今回の作業用にこんなの買っていました。他に用途がないのに2000円もするスペシャルツール。


IMGP18600.jpg

ピストンにこのようにかぶせて使います。


IMGP18602.jpg

IMGP18601.jpg

ラバーグリスを塗って、ラバーカップを無理やり押し込んで。


IMGP18603.jpg

おおっ、すげーぞこの工具。握力がなくてもゴムカップが簡単に入る。でも毎日軽トラのリアブレーキオーバーホールするモータースじゃないともとは取れないなあ・・・・。


IMGP18604.jpg

IMGP18624 (2).jpg

ピストン2個とスプリングを元通りに戻して、ブーツを被せてシリンダーのオーバーホール終了です。


IMGP18605.jpg

お次は古いシューから、パーキングブレーキレバーとシュー隙間の自動調整機構を新しいシューに移植します。そのため古い方からスプリングを外して分解していきます。


IMGP18608.jpg

まずリーディングシューについている隙間の自動調整機構を外します。こっちには移植するパーツが2箇所あります。


IMGP18609.jpg

レバーを抜くには


IMGP18610.jpg

裏側のピンの溝に嵌合したCワッシャーを外さないといけないのですが。これが曲者で簡単に外れません。


IMGP18612.jpg

もともとはこんなのですが、意外と固く、ぐっとつぼめてある隙間を広げることができないのです。一応これをはずす専用のプライヤーも売ってますが、ほかに使い道がないので・・・。


IMGP18621.jpg

貫通ドライバーをあて、ハンマーで叩いてやっと外れました。


IMGP18611.jpg

真ん中のやつは


IMGP18613.jpg

ここだけワッシャーが入ってました。Cワッシャー固定は全部で3箇所ありますが、パーツリストでもワッシャーが入ってるのはここだけです。


IMGP18615.jpg

組み間違いをなくすため、新旧を並べて部品を移植します。


IMGP18448.jpg

IMGP18614.jpg

IMGP18617.jpg

新品のCワッシャーで組んでいきます。ダイハツ品番90042-13007:Cワッシャ。


IMGP18620.jpg

IMGP18619.jpg

古いトレーリングシューからストラットとスプリングを取り外します。


IMGP18622.jpg

新しいシューにパーキングブレーキレバーを取り付けます。


IMGP18624.jpg

バックプレートのシューを受ける場所に、ブレーキグリスをちょん付け。


IMGP18625.jpg

トレーリングシューを取り付けます。写真忘れましたがバックプレートの裏からシューホールドピンを差し込んで、スプリングを取り付け、ピンを90度回してシューを固定します。


IMGP18627.jpg

リーディングシューを組み付け、スプリングを取り付けます。


IMGP18628.jpg

完成。・・・といかにも順調にできたように見えますが、動かない体に悪態をつきながらの作業でした。そろそろDIYはできなくなるかもしれません。


IMGP18629.jpg

ドラムを組み付けエア抜きをして右後輪のオーバーホール終了です。驚いたことに今日の作業、スパナやソケットレンチの出番はありませんでした。それが仇となりましたが。


IMGP18630.jpg

nice!(8)  コメント(4) 
共通テーマ:自動車

nice! 8

コメント 4

カツデル

MHRさん、素晴らしい整備です。
 30年以上前、ユーザー車検がはやる前のころ、ブレーキピストンのカップブーツは、4ナンバー車は1年毎、5ナンバー車は2年毎の車検で交換していました。交換履歴がわからなければ、交換が一番です。
 当時、こんな頻繁な作業は無駄だと思いましたが、80年代に豪州で整備士をしていて、8年以上フルード交換もしていない車両だと、本当に固着だけでなく、フルードも固まっていましたので、日本の車検を見直しましたね。かの地では、カップブーツだけの交換部品キットは売っていませんでした。ピストンアッシーだけでしたね。多分ピストンが張付くまでメンテ無しで使うから、ピストンとシリンダーが錆び付くから、アッシー販売なのだと思っていましたね。
 また、シューが違う形とのことですが、リーディングトレーリングのブレーキだと、リーディング側が食い込むように効いてしまうので、シューの接触面積で調整しています。また、バックの時には逆側のシューが良く効くので、リアブレーキはリーディングトレーリング型がバランス良くていい方式ですね。
 当方の27万キロ超えクルマは、2月の車検時にブレーキホース交換とキャリパーOHをディーラーにたのんじゃいました。(ディスクとパッドは持ち込みでしたけど)ステアリングギアボックスもOHしたので、自力では週末だけでは終わらないと思い、つい面倒で。やっぱり63になったら、自由には体が動きませんねえ。
by カツデル (2022-04-08 00:09) 

さかたき

数年ぶりでホームページ覗かせていただきました、20年来のページ来訪者ですし恐らくあなたと同年代のジジイです、前回訪れた時は車庫のトタン板とかを張り替えていたころです、お体のほうはどうですか?お元気でいれば何より、まだ車庫には古いバイクがお休みの事かと思いますが昨今の旧車ブーム、バイクのほうにも飛び火しているのでは?コレクションのなかには価値のあがっているものもあるのでは?と他人事ながら気をもんでおります。
by さかたき (2022-04-11 08:51) 

MHR

カツデルさんありがとうございます。
リアブレーキがこんなに面倒だとは思いませんでした。これなら4輪ディスクのほうがコスト安いんじゃないかと思います。そういえば昔は車検ごとに交換してましたよねえ。その後ルールが変わって何年も交換しなくても特に不具合起こらなかったという。まあ、ディスクブレーキはグリスアップしないとすぐだめになりますから車検は大事だと思います。
27万超えはすごいですね。25年目のハイゼット、とうとう保安部品も廃盤となりました。どうしましょうか。
by MHR (2022-04-11 19:49) 

MHR

さかたきさんありがとうございます。65歳を越えて体が不自由になってきました。急激に10kg以上痩せてきて、特に筋肉がなくなっています。残り25台のバイクの整備もできる気がしなくなってきました。まあぼちぼちやって次のオーナーを探していきたいと思います。多分レストアまでは無理なのでエンジンかかるようにして譲渡ですな。それにしてもCBX400が500万とか世の中おかしいんじゃないかと思いますねえ。
by MHR (2022-04-11 19:55) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。


にほんブログ村 バイクブログ バイクいじりへ
にほんブログ村
にほんブログ村 車ブログ 車 修理・整備へ
にほんブログ村
にほんブログ村 バイクブログ BMW(バイク)へ
にほんブログ村

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。