あっという間の2年。2022年版ハイゼット車検準備。リアブレーキシュー交換とシリンダーオーバーホール。左後ろ足編。前編 [H9(97)年ダイハツハイゼットバンS110V]
右後輪の作業に続き、4月9日の作業から。
前輪のフレキシブルホース交換が済んでるので、今度は後輪のフレキシブルホースの交換をします。
後輪は左右が一体化されてつながってますので、ゴムホースは車体側の金属管と、デフギアとドライブシャフトを内蔵した上下に動くリアアクスルに沿って配管された金属管との間を結んでます。
ホースの先は右のホイールシリンダーを経由して下の金属管で左のホイールシリンダーへ油圧を送ります。つまりブレーキペダルから左のホイールシリンダーへは直接油圧のラインは引かれてないのです。
なので通常、左右のホイールシリンダーにそれぞれあるはずのエア抜き用のブリーダーは、左のホイールシリンダーのみに設置されています。つまりエア抜きは左右後輪同時にこの左のブリーダーで行うこととなります。
これがゴムホースの車体側で、荷重によって液圧を適正に減圧するLSPV(ロードセンシングプレッシャーコントロールバルブ:荷物の重さで沈んだリアサスと繋がったスプリングで作動するバルブ)から出ています。右の配管でブレーキペダルからの油圧をもらい、バルブで油圧を減少させ、左の配管で後輪のブレーキへ油圧を送り後輪ブレーキのロックを防ぐ仕組み。このバルブ、レーシングカーなどで前後のブレーキ力を配分するやつと同じ働きをするので、軽トラの解体車から外してくればお安く分配器を作ることができます。
矢印が今回交換するホース。
まず上をブレーキレンチで緩めたら割とあっさり緩んだので、一旦液がもれない程度に締めといて下のボルトを緩めようとしたのですが・・・・。
見事になめてしまいました。
こっちを使わなかったせい?。いえ、固着か、締めすぎが原因でしょう。凍結潤滑スプレー(冷凍して金属を収縮させるスプレー。)使えばよかった。
さてこのボルト、金属管と一体ですので部品として発注しないといけないので、ユーザー車検の自賠責加入を兼ねて地元のモータースで発注。
帰宅したらすぐに電話が。「車が古すぎてこの部品廃盤ですって」。
この部品が手に入らないということはゴムホースを交換することができません。
まあ、運良く緩まなかったおかげで液漏れもないので、このままゴムホース交換無しで行くことに。いずれ自分で金属管とフレア工具(金属管の先を広げてホース自体を自作するための工具)を手に入れるか特注しましょう。
ということで9日は意気消沈。作業はここで打ち止め。
それにしてもダイハツさん、もうこのクルマに乗るなってことですかあ、かあ、かあ。この年式のまだいっぱい走ってるんですがあ。
で、車検前日。8月31日の気分を味わってます。どうしてもっと余裕を持ってできないのか。三つ子の魂百までも。
作業的には右側と変わらないので補足分だけ説明入れます。
バックプレートの裏からピンを抑えながら板バネを押し込み、ピンを90度回します。お高い車だとこの板バネがコイルスプリング+お皿になります。
2個のシューのピンを両方抜いておきます。
支点側のスプリングを外し
シリンダー側の大きいスプリングとストラット(左右のシュー間を突っ張ってる板)をトレーリングシューに対して引っ張っている小さなスプリングを外します。
ストラットごとリーディングシューを外します。
さてここでシューからストラットを外したいのですが
このように先端が鉤爪状になっていて、2枚の鉄板をつかんだままだと抜けないようになっています。左がシューの金具で右が自動調整機構のラチェットギアです。(写真は外したあとです。)
なのでまず白い矢印方向にロック爪を引っ張ってロックを外し、自動調整ギアを黄色矢印方向へ回転させます。
ここまで回すと鉄板1枚分の厚さとなるためストラットが外れます。
ドライバーでCワッシャーを広げます。
あと少し。
新しいシューに古いシューから外したラチェットギアを差し込み。
新品のCワッシャーで固定。
今度は古い方からロック爪を外して
新しいシューへ取り付け。
ブレーキシューとドラムの隙間の自動調整機構。この状態がシューが一番縮まった状態となります。(後で説明します。)
ストラットを付けるためロック爪をはずして
調整ギアを引っ張り出して
調整ギアにストラットの鉤爪部分を引っ掛けて、ロック爪を起こして
シューの溝にストラットを収めます。これでストラットは外れなくなります。
ロック爪を起こして調整ギアを噛み合わせます。このへんが調整ギアに押されたストラットが反対側のシューを押してシュー隙間がほぼない状態となります。(後述)
リーディングシュー完成。
サイドブレーキレバーを古い方から新品に移植
トレーリングシュー完成。
長くなるのでここまでを前編とします。 後編へ続く
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