あっという間の2年。2022年版ハイゼット車検準備。リアブレーキシュー交換とシリンダーオーバーホール。左後ろ足編。後編と車検当日。 [H9(97)年ダイハツハイゼットバンS110V]
ブレーキシューの組み立てができたのでホイールシリンダーのオーバーホールにかかります。
カップ部分は潰れてますねー。
ホイールシリンダーの構造は簡単で、部品としてはこれだけです。ピストンはスプリングを挟んで対称に差し込まれていて、スプリングの位置からブレーキフルードが流し込まれて左右に開くことでブレーキシューをドラムに押し付けるのです。
ブーツが破れてなかったため右側のような錆はありません。
が、内部に少し腐食がありました。
ピストンからカップを外し
アストロの特殊工具を使ってピストンに新しいカップを組み付けます。いやあ、この工具、ほかに使い道ないけどほんとに買ってよかったです。まじでほかに使い道ないけどな。
蓋の部分です。
裏返して
カップをセットしたピストンにかぶせて
シリンダーに押し込みます。
スプリングを入れて
もう一個のピストンを入れてみたらちょっと引っかかるので、左右に動かしてスプリングの反力だけでスムーズに動くようになるまですり合わせます。これでホイールシリンダーのオーバーホール完了です。
ピンの頭をプライヤーで掴んで板バネを押さえながら90度回し、バックプレートにパーキングブレーキレバーがついたトレーリングシューを組み付けます。
リーディングシューに組み付けたストラットをトレーリングシューの溝に組み付け
ピンの頭をプライヤーで掴んで板バネを抑え、リーディングシューをバックプレートに組み付けます。
とりあえず組み付きました。あとは3本のスプリングをかけるだけです。
ここでパーキングブレーキの構造を説明しときましょう。細かいスプリングが被っているのがパーキングブレーキワイヤーです。ワイヤーがつながっているのがパーキングブレーキレバーで、ワイヤーを引っ張るとレバーが、上にある左右に突っ張ってるストラットを左に押します。その先には左側のリーディングシューがあるのでそれがドラムに押し付けられます。そしてその反作用で右側のトレーリングシューの支点(右上のCワッシャー)が右に押されてドラムに押し付けられ、パーキングブレーキが効くのですが。このときストラットはシューを押すと同時に左側のシューにある隙間調整用のギア部分を押してます。そしてブレーキペダルを踏むことによって、シューがドラムに当たるまでカチカチカチと、ロック爪のギアを調整用のギアが乗り越えます。つまり、調整前は調整用ギアとストラットの間に隙間があり、サイドブレーキを引いてもその隙間分ワイヤーが動くだけでシューがドラムに当たらないのですが、ブレーキペダルを踏むことによってストラットと調整用ギアが密着するまで移動し、シューとドラムの間の隙間がほぼゼロになった状態を維持してサイドブレーキが効くようになるわけです。
スプリングをかけます。これはストラットが遊ばないようにトレーリングシュー(同時にサイドブレーキレバー)とストラットを密着させるためのスプリングです。
支点側のスプリングもかけます。
右上の、シュー同士を引っ張るスプリングをかけます。先程の説明の補足ですが、このように自動調整機構のラチェットギアが右に飛び出した状態だとストラットを受けているラチェットギアによってストラットが押されている(=シューが開いている)のでドラムが入りません。なので白矢印のようにロック爪を下に押して
ラチェットギアを外周方向へ緩めます。こうすることでストラットがリーディングシュー側にずれ込むため、結果として2個のシューが近づく方向へ移動=ドラムとの隙間が増えるわけです。
さらに緩めた状態。隙間調整用のラチェットギアがシューの内側にあたって2個のシューが一番縮こまった状態です。整備後にドラムをはめる場合はこの位置ではめるのですが。しかーしこれでもドラムがはまりません。
ドラムの内径を測定し、今度はシューの一番広がった部分を測定。ドラムが180mmでシューが178.8mm。うーんこれで入るはずですが。
じつは、ブレーキシューはピン2本と板バネでバックプレートに押し付けられているだけで固定されていません。それに対してドラムはドライブシャフトのスプラインに嵌合しているので位置が厳密に決まってます。つまりシューを上下左右に移動してドラムと中心軸を合わせないといけないのでした。なので、まずピストンが左右均等に出ているか確認し、更に上下にちょっと動かしたらドラムが入りました。
ナットを200Nmで締め付け、緩み止めのコッターピンを差し込んだら、左ホイールシリンダーのブリーダーからエア抜きを行います。後輪は左右輪同時にエアが抜けますので、ブリーダーから透明なフルードが溢れてくれば、後輪へのブレーキラインの古いフルードはすべて押し出され新油に入れ替わったわけです。
リアブレーキ整備完了です。
そして最後にサイドブレーキの引き代をカチカチカチ6個分に調整して全ブレーキ整備完了です。
このあとブレーキランプやライト類が全部動作するか確かめて、車検前日のチェックがすべて終わりました。
そして4月11日の車検当日。
午前の第1、第2ラウンドの予約がいっぱいだったので、午後一番の第3ラウンドを予約してたんですが、11時に到着してテスター屋でライトのチェックしたあと書類を記入して提出したら、午前の第2ラウンドに入れてくれました。予約がいっぱいだったのにガラガラじゃん。
前のハスラーがバンパーにあとづけしたLEDのテールランプで引っかかってました。
最近人の声が聞き取りにくくなってきて、「ウィンカー右!はい左!」とかいうのがよく聞こえないため、ここのホーンとかウィンカーなどのチェックが一番緊張します。
排気ガスのチェックをしてサイドスリップの検査にパスし、次のブレーキ検査があくのを待っていたら、前の車がブレーキの検査で「ニュートラルに入れてブレーキを思い切り踏んで!」と言われた途端アクセル全開したのが今日のハイライトでした。こんなところでアクセルとブレーキの踏み間違いを初めて目の前で見ることになろうとは。
何度も何度も「え?え?」という感じで聞き返した以外特に問題なく合格。無事新しい車検ステッカーをもらえました。
合格祝いに丸亀製麺でぶっかけうどんの大。
カッターで古いステッカーを除去して
コレクションに追加。ユーザー車検8年目です。(平成34年、あるいは令和2年が無いのはなぜ?。平成31年5月からが令和1年だったから平成32年は存在せず、車検期限の平成32年が令和2年だったわけで)
車検時走行距離138858km。前回の車検証記載距離が137000kmなので2年で1800kmしか走ってない。
かかった費用は、自賠責24ヶ月19730円(前回検切れだったので25ヶ月21780円)、重量税8800円(古い車に対する重加算あり)、検査料1400円+今回から追加された技術情報管理手数料などというワケわからん手数料400円(また自動車が食い物にされるのかあ)、ヘッドライトテスター1600円の合計31930円でした。
あと今回購入した部品や工具。
リーディングブレーキシュー FCマテリアル製 2個入り SN6620-10 1033円(税込み)
トレーリングブレーキシュー FCマテリアル製 2個入り SN6620-20 1033円(税込み)
リアホイールシリンダーカップキット トヨタ純正品 04906-B2020 1022円(税込み)
ダイハツ車用Cワッシャー10個入り 0652 956円(税込み)
古川薬品工業 DOT3ブレーキフルード1リッター 769円(税込み)
ダイハツ純正フロントブレーキホース 90049-22153 3729円x2本=7458円(税込み)
ダイハツ純正リアブレーキホース 90049-22151 2959円(税込み)
アストロプロダクツ カップロケット4個セット 1990円
アストロプロダクツ ブレーキホース用クローフットレンチ 1980円(税込み)
銅パッキン 10x15 5枚入り 250円(税込み)
コッターピン 4x64 20入 350円
以上合計 19800円でした。
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