フロントホイールベアリングが壊れたセロー。大掛かりな作業になってきました。その5 最終章のはずが延長戦に。 [92'YAMAHA セロー3RW4(1KH)]
ステムベアリングを新品にし、車体にステムのアンダーブラケットが着いたのでリングナットを規定トルクで締めるのですが、ここ、フックレンチで締めるのでトルクレンチが使えません。これ、マニュアル通り35Nmでしめていいの???。ドレンボルトと同じくらいの締付けだよ。
ボールベアリングだと、目一杯に締めて1/8回転戻すというのが一般的なので、これも思い切り締めてちょっと戻し、抵抗が少しあるぐらい(思い切りはたいても途中で止まるくらい)で固定しました。ローラーベアリングは思い切り締めても動くのがすごいわ。
ところでこのリングナット、裏表で形状が違います。片側にはこのようなプレスによる凹みが入っていて角のようなものが成形されており
反対側はフラットです。マニュアルにはテーパーがある方を車体側に、と書いてあるけど、角の部分をテーパーと見るの?。一応そっちを下に向けて締め付けましたが。
トップブリッジを載せ、フロントフォークを組み付けます。このときアンダーブラケットの4本のクランプボルトのみ20Nmで締付け、トップブリッジの4本のクランプボルトより先にセンターのボルトを65Nmで締め付けないといけません。先にすべてのクランプボルトを締めてしまうと、センターのボルトを締めたときにフォークに固定されてしまっているトップブリッジの真ん中がが下に引っ張られて、わずかにですが曲がってしまうからです。
センターのボルトを差し込み
ボックスセットに入ってない22mmだったので探してきてボルトを締めます。
規定トルクが65Nmだけど、常用してるトルクレンチの最高値が60Nmだったので一応これで締めてみますが、250mmの長さでは地面に固定されていない車体のステムボルトは40Nmでしか締められませんでした。本締めは前輪をつけてからにすることにして、この状態でフォークのついたステムを左右に振ってみます。
トップボルトを締め込んだ分重くなったので一旦ゆるめて微調整。
リングナットはこのようにむき出しなので、実走行したあとでまた微調整しましょう。
アッパーブラケットのクランプも20Nmで締め付けてフォークの固定完了です。
メインハーネスを固定するためフロントフェンダーを取り付けます。
ワイヤー類を固定するためハンドルを仮づけ。
これで前輪をつける準備ができたので、メインの作業だったのにすっかり後回しになった、前輪のベアリング組付けを行いましょう。
ベアリングを入れる前にちょっとだけ掃除。
ベアリングはモノタロウで調達したNTNの両面接触シールの6202LLU。純正はシールなしでしたが、今回はグリス密閉型を選択しました。封入されたグリスだけでの潤滑となりますがシールなしのオープン+グリス塗布と寿命は変わらないと思います。1個300円弱と安いので頻繁に換えればいいや。
ディスク側から。
オイルシールドライバーで打ち込みます。
どんづきまで打ち込みます。
忘れないように錆止め塗装したカラーを入れて
同じベアリングを反対側にも打ち込み。このとき、カラーがゆるゆるに動かないといけないとかよくいいますが、隙間を作ってもホイールつけたらシャフトとカラーで締め付けられるよねここ。なので入るとこまで入れても問題ないと思ってます。
ディスクの反対側にオイルシールを組み付けます。純正品番93102-20281。普通のオイルシールですが特殊サイズで純正品しか存在しませんでした。
入れすぎると抜くとき困るのでツライチで、と思ってここまでしか入れなかったのですが。ただ、両面シールのベアリングなのでこれ要らないかも。そういえば外したベアリングはシールなしだったっけ。
ディスク取付ボルトにネジロック剤を塗ってディスクを取り付けます。このボルト、ディスクという重要な部品の取付ボルトなのに10Nmというゆるゆるトルク+ネジロック剤なのはなぜでしょう。
さあ、前輪を取り付け、ディスクブレーキキャリパーを取り付けたら最後の難関、配線の復元です。そのためにヘッドライトとメーターユニットを天井からぶら下げて配線を繋いでゆきます。
が、その前に配線をつなぐ相手をすべて取り付けないといけません。まずはセルスイッチとキルスイッチがついているホルダー。
2箇所の取り付けボルト以外にもう一箇所穴が開いてます。
あと裏返すと真ん中あたりにボッチが出ていて
右ハンドルに穴が開いているのでここに挿すようになっています。
先の3個目の穴ですが、このようにアクセルワイヤーホルダーのボルトで共締めしないといけません。つまりアクセルワイヤーが出る位置は動かせないようになってます。
あと、ブレーキレバー、ウィンカーやライトスイッチやホーンボタンがついているボックスから出ている配線や、クラッチワイヤーなどの取り回しをマニュアル通りにまとめていきます。
ここからが手指の不自由な私には大変な作業となりました。コネクターに被っているブーツが硬化しているうえ、ハーネスから出ている部分の長さが短くブーツをずらすことができずに、奥にあるメス側コネクターにオス側のコネクターが刺さりません。この4個のコネクターをつなぐだけで15分ぐらいかかりました。
ドライバーをブーツに無理やりつっこみ、コネクターを下から押し上げて接続しました。
やっとコネクター4個の接続完了。
あと、前オーナーがETCや電源付きのスマホのホルダーを付けるため、配線に細工がしてあり、それの解析に時間がかかってしまいました。このオレンジのケーブル、配線図で見ると、車体の茶色線とつながって速度警告灯につながるやつだったんですが、これがぶった切ってあり(まあ必要ないしね)二股のメスコネクターに付け替えてありました。一旦バッテリーを繋いでテスターを当てるとキーOFFで0V、キーオンで12V出てるので、どうやらここからスマホ用の12V電源が取ってあったようです。外すときに注意して撮影なりしてればなんの問題もなかったんですが・・・・。
それにしてもヤマハの配線図、ホンダに比べて見にくいように思うんですが。コネクターの色とか向きぐらい書いといてほしいわ。(実物は横長の3x3なのにマニュアルでは真四角の3x3なのでどっちが上かわからない)
配線がすべてつながったらバッテリーを繋いで導通を確認し、ヘッドライトユニットを三叉に組み付けます。これを組み付けないとスピードメーターケーブルが届かずつかないのです。
メーターケーブルをハブの取り出し口に接続。
ケーブルホルダーバンドを締め付けます。
ハブベアリング交換、やっと終わりました。
交換距離を貼付。
が、前輪、ステアリングヘッドのベアリングが両方ともサビでボロボロだったということは、後輪ベアリングだけ無事なはずはありません。
ということで後輪ベアリングも交換するので延長戦といたします。
その6、延長線へ続く。
2024-02-13 21:44
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