KS-Ⅱを6V電装のままLED化しよう。準備編その1 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
KS-Ⅱは6V電装です。
レギュレーターを12V用に換えると12V化はできるのですが、12Vバッテリーを積めるスペースがないのと、ヘッドライトに交流を使う単相半波整流(ググってくださいな)の発電機を単相全波整流用(こちらもググりましょう)に改造しないといけないため、とりあえずウィンカー球やメーターインジケーター球のLED交換による省電力化に挑戦して、最後に交流点灯のヘッドライトとテールライト、メーター照明の直流化と12V化をセットで行いたいと思います。
その前に
道の駅(作手手作り村)まで往復50㎞、トップケースを含めたツーリング用のフル装備でテスト走行。
リアはとりあえず雨具ぐらいです。タンクバッグにはBMWの車載工具とツーリングマップル。
KSRのフェンダーは結構いい線いってます。2種マークをマジックで手描きしたんですが失敗。
面白いことに後ろについた車は、この後姿を見てスクーターと間違えるのか必ず追い越そうとするのですが、KS-Ⅱの加速についてこれずびっくりするようです。
後ろについたニンジャ400が抜いていったのは、煙たかったからでしょうねー。 昔1台だけ2ストが混じってツーリングしたときも最後尾に回されていましたっけ。
キャリアは背中でトップケースが押されると、リアフレームごとしなっているようです。最大積載量は5㎏ぐらいか?(純正キャリア本体はたった1㎏だけどステーの追加で少しアップ)
まあ、壊れたら壊れた時ということで。
で、帰宅後3年ぶりぐらいの電子工作開始。
今日の予定はウィンカーのLED化に必要な、メーター内のインジケーターの改造です。
どういうことかというと、ほとんどのバイクのインジケーターは車のように左右別々につくわけではなく、1個で左右共用していますが、これがウィンカーのLED化を阻む最大の難関となるのです。
というのはウィンカーをLEDに換えた場合、ウィンカーリレーをLED用に交換しないとLED球の使用電力と釣り合わずハイフラッシャーになるのはたいていの人はご存知だと思いますが、ことバイクの場合、もしリレーを交換しただけだと左右どちらにスイッチを入れてもLED球が4個とも点滅してしまいハザード状態になってしまうのです。
なぜでしょうか?
これはウィンカーのおおざっぱな回路図ですが、たとえば右ウィンカーを出す場合、バッテリーのプラスから流れた電気は矢印のように右ウィンカーで消費されて、さらにインジケーターを点灯させて左ウィンカーの回路をアースとしてバッテリーへ戻るのです。(左右ウィンカーはそれぞれ回路として完結してるため、インジケーター球がなくてもウィンカーはちゃんとつきます。また乗用車では左右それぞれの回路に独立したインジケーター(前後に加えて3個目のウィンカー球と考えましょう)を持つためインジケーター球をいじらずともウィンカー球とリレーを換えればLED化できます。)
つまりバイクの場合スペースの問題もあるでしょうが、たった1個のインジケーターをけちるためにこんな回路になっているのですね。
左ウィンカーを出した場合は上の図と完全な対称方向に電気が流れます。
ではなぜ電気が来ているのに通常は反対側のウィンカーがつかないのでしょう。
(左がR100RSの純正品。右がLED対応品。20AまでOKなので電球でも使えますしLEDと電球を混ぜてもOK。つまりツーリング中LED球が壊れてもホームセンターで買える普通の電球を混ぜて使えるのです。また点滅回数はW数に影響されず80回/分に固定されています。)
上のウィンカーリレーを見ると「21WX2+0-5W」と書かれていますが、これは回路に21Wのウィンカー球2個分と5Wまでのインジケーターを足した分の消費電力以上が流れないように調整されていて、上の図だとインジケーターを点灯させた時点で左ウィンカーを点滅させる電力が残っていないのです。
ところがウィンカーを消費電力が極端に少ないLED球に交換すると、インジケーターを抜けて反対側へ行った電流で反対側のLED球が点灯してしまうのです。
またこの回路だと右を出したら右から左に、左を出したら左から右へと、両方向に電気が流れるため、どちらか一方向にしか電気が流れないLEDをインジケーターに使うと、右か左かどちらかでしかインジケーターが点滅しません。
でどうするかというと
電流を一方向にしか通さない整流用ダイオードを2個回路に追加して、上の図のように電気が反対側に流れないようにしてしまえばいいわけです。
あとこの回路にすることで一方向にしか電気が流れないLEDをインジケーターに使えるようになります。
(とネットで中途半端な知識を取得しました。間違ってはいないと思いますが…。)
で実践。
メーターを外して
T10ソケットの3W球です。
おっとその前にインジケーターもLEDにしましょう。これはLED用の各種ソケットです。
今回は定格20mAのLEDに対して定電流ダイオードCRD153を使って15mAで電流制御します。
これはLEDが1個につき3Vほどの電圧耐性しかないため、通常は2,3個LEDを直列につないだうえ不足分の抵抗を入れて電圧が12Vあるいは6Vになるよう回路を組むのですが、それだと6Vの球は12Vでは壊れてしまい使えませんし、逆に12Vの球を6Vで使おうとすると電圧不足でつかなくなります。
そこで大活躍するのが定電流ダイオードです。値段が高いため(1個100円ぐらい)通常市販のLED球は抵抗で済ましますが。
これをLEDの入力側に直列につなぐと電圧に関係なく一定の電流しか流さなくなるため、6V-12V化しても電球はそのまま使えるのです。
(電気は素人ですので明らかな間違い以外は突っ込まないでくださいねー)
これが定電流ダイオード。ガラス製ですぐに割れるため取扱注意。黒いラインのあるほうがアース側ですのでそちらにLEDのプラス側の脚をはんだ付けします。ですので右が電源側となります。
ソケットに入れる前に制御装置の壊れた充電器で20V流してみました。点灯色は黄色です。
これがインジケーター1個分の部品です。総額500円ぐらい?(10年ぐらい前のですので記憶が…どれも100個単位で購入)
右から20mAの砲弾型10mm黄色LED、CRD153定電流ダイオード(電圧に関係なく15mAしか流しません)、T10ソケット、整流用ダイオード(線があるほうがマイナス側。1方向にしか電気を通しません)2個。
多少見栄えは悪いですが定格15mAのLED電球完成。6Vで使う場合6X0.015ですので消費電力は0.09Wになります。ソケットの中に定電流ダイオードが入ってます。
ソケットの下で灰色(ウィンカー右電源線)と緑(ウィンカー左電源線)の2本のコードをぶった切ります。
LEDには極性があるので今回は灰色をプラス側として固定します。ですので緑線にアース線(今回黄色線を使用)を増設します。
写真を忘れましたが上の回路図のように、整流用ダイオード2個を向きに注意して、ぶった切った車体側の灰色線と緑線に1個ずつはんだ付けし、アース側を1個にまとめてLEDのプラス側になるソケットの灰色線にはんだ付けしときます。
車体側ハーネスのウィンカー線。灰色が右ウィンカー電源線、緑が左ウィンカー電源線。
左から緑線と灰色線が来てダイオード2個を介して右から灰色線1本に合流。
20Vでてる充電器のマイナス側にアース線をつなぎ、コネクター内の緑線と灰色線それぞれのピンに電気を流してテスト。
どちらも無事点灯。つまりウィンカーをどちらに出してもインジケーターは問題なくつくわけです。ハザード状態になるかどうかは車体に搭載しないとわかりませんので明日に。
灰色線側の熱収縮チューブの中にダイオード2個が入ってます。(こちらがプラス側となります。)
緑線はマイナス側となるので車体にアースさせます。
完成です。
あとは車体につけてアース線を車体のどこかに締め付ければ6V電装でのLED化の事前準備は完了。
とりあえず8W球のまま使ってみます。
それで問題なければいよいよウィンカー球をLEDに交換します。
*実際にはこの続きは5年後の2019年9月になってしまいました。
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後ろから見るとボックスが大きくて重そうに見えますからねぇ
抜こうとするかも
by さる1号 (2014-06-27 12:12)
考慮されているかと思いますが、ダイオードの最大定格に逆電圧というのがあります。普通は5V位。そのダイオードのデータシートに書かれています。CRDが直列に入っているみたいなので安全な方向のように思えますが、半導体は逆転圧の最大定格を越えると、その値の程度によりますが、寿命が短くなります。(最初は動いているが半年くらいで動かなくなるとか・・・)
この話、6Vよりも12Vにした時の方が厳しくなります。
もし、対策するとすれば、LEDを直列接続で増やすとか、抵抗を入れるとかして、LEDが点灯していない時の電圧を下げることが考えられます。実際にLEDが点灯していない状態でそのLEDの電圧を測ってみると安心できます。
また、ダイオードは温度特性が大きいです。冬によく壊れるとか。
以上、よけないことをいうオヤジでした。
by かある (2014-06-27 20:20)
次はGIVI箱にハイマウント・ストップランプ必要ですね
by deepredcocktail2 (2014-06-27 20:50)
さる1号さんありがとうございます。
やっぱりでかすぎますね。R100RSに積んでいるときは小さいなあと思えたんですが…。
それにしても最終的に追い越してったプリウスの加速に驚きました。
電気の力は偉大ですねー。
by MHR (2014-06-27 22:31)
かあるさんありがとうございます。
近くに電気のプロがいると心強いです。
ネットを巡回して手に入れた知識の中には逆電圧はなかったので(というかみんな大雑把にしか書いてないんですよねー。パソコンの説明書を読んでいるみたいです。何かに書いてありましたが技術者の言いたいことを翻訳して文章にする文系の人が世の中には必要だと。)これで問題はないと思っていました。
これってダイオードを並列に増やしても同じでしょうか。
まあ、壊れたら直すというスタンスでいっちゃう手もありますね。
いい機会ですのでもっと勉強してみます。
また遠慮なく突っ込んでください。
by MHR (2014-06-27 22:41)
deepredcocktail2さんありがとうございます。
電気工作には終わりがありませんねー。
最終的には電飾ハーレーみたいになりそうです。
by MHR (2014-06-27 22:44)
いらぬ心配のコメントしちゃったようですみません。
使われているのは普通の整流用ダイオードですね。
逆電圧の小さいLEDと勘違いしました。
使っているダイオードの型番からデータシートを見つけて、VRの値が20V以上あるなら12V系に使っても問題ないでしょう。
以下、長々とした言い訳。
ダイオードを追加した方の絵の左側の経路(左ウィンカー)ですが、真ん中のあたりからフレーム(アース、緑色線とか)に繋がっているところに反応してしまいました。
ウィンカーの回路がブラックボックスのようなので、このブラックボックス内の回路によっては、ダイオードに逆電圧がかかる可能性があると思ったのです。
実際にどのような電圧がかかっているかを観測するために、ダイオードのアノードとカソード間の電圧をテスターの直流電圧モードで測定してみることを考えてみましたが、1秒に1回くらいの点滅に普通のテスターが追従できるかどうか・・・
コメントした割には、簡単な実証方法を説明するのが難しそうで申し訳ないです。
本当は、オシロスコープという測定器(縦軸が電圧で横軸が時間)で電圧波形を観測すればいいんですが。
ダイオードを並列に増やすのは、一般的には、電流が増える方向で、電圧はあまり変わりません。
これはダイオードに逆電圧がかかっている状態でも同じです。
たとえば、ダイオードの逆方向に4Vかかっているとして、そのダイオードに流れる電流はとても小さいです。同じダイオードを並列につないでも、4Vはあまり変化せず、そのとても小さい電流が2倍になります。直列につなぐと、1個あたりのダイオードの電圧降下は、2Vずつに分け合うことになり、電流は変わりません。
と、いう感じで長々と書いちゃいましたが、整流用ダイオードなら大抵は大丈夫でしょう。
by かある (2014-06-29 23:03)
かあるさんありがとうございます。
データシートが紛失してますが、4007と書いてあるので電圧はたしか1000Vだったと思います。(VF=1.1V)
確かぱりだかさんがオシロ持ってたような記憶がありますので聞いてみます。
電気を知る機会はほとんどないので突っ込み大歓迎です。
聞き流さず必ず勉強してますのでまたいろいろ教えてください。
by MHR (2014-06-30 23:16)