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40年ぶりにふるさと佐賀へ [ZUNOWの自転車など]

2006年8月10日午後5時、山積みの仕事をすっぽかして、ふるさと佐賀に向かって出発した。

今回は同僚の長崎への帰省に便乗する形である。

荷物は佐賀での足になる輪行した自転車(昔の折りたたみ自転車ですな)と、ニコンのデジタル一眼レフD-70、データや情報を見るためのノートパソコン、自転車用のナビゲーション、そして3日分の下着類。

向こうでの宿泊は、親戚の家ではなく無線ランが無料で使える駅前のビジネスホテルにした。

親戚の家に泊まるとあちこちあいさつ回りをしないといけないため、自由時間がなくなるからだ。インターネットもないし。

今回の目的は生まれた町を写真に収めてくること。

佐賀を出てからすでに40年。

家まで表示されるネット地図(its-moナビ)で見ると、生まれた家も育った家も今は道路となっている。

それをこの目で見てきたかった。

実は佐賀の写真にはもうひとつ使い道がある。

RR768-2.jpg
今描いている、佐賀を舞台にした漫画の背景である。


8月10日夕方5時30分。

同僚のノアに乗りこみ豊田ICへ。

さすがに一般の夏休み2日前に休んだため、通常の夕方の混雑でしかない。

東名から名神に乗り、順調に快走していたが、そこはそれ、トラックが休みじゃないので天王山トンネルの手前から大渋滞し、約20KMのろのろ運転が続く。

しかしこれも山陽自動車道に入るまでだった。

ところがしばらく行くと前も後ろもトラック、トラック。

車の少ない中国道にはいるべきだったなあ。

平均速度90KMでおよそ500KM。

広島の安芸SAでガスを入れた。

リッター10KM。

2000CCなのに2400CCのエスティマより燃費が悪い。

やっぱり高速道路(だけ)は大排気量が強いなあ。

それにしてもおかしな話だが、今月に限り高速道路のSAの方が下道のスタンドより値段が安い。

これは高速のGSが月末まで値上げできないという規則があるかららしい。

おかげで高速道路に給油だけしに来る車があるため、混雑がすさまじい。

だから東北へ行った同僚は高速道路上で給油できず、わざわざ下に下りる羽目になったといっていた。


8月11日午前3時、とうとうやってきました。本州最西端の壇ノ浦SA。

目の前にはイルミネーションをまとった関門大橋が。

海峡を挟んでわずか700M先に見えるは九州の地だあ。

そういえば、車でこの橋を渡るのは20年ぶりぐらいだなあ。

とりあえずここで朝まで仮眠を取ることにした。

朝6時にあまりの暑さに目が覚めた。気温はすでに30度オーバーである。

霧にむせぶ大橋を写真に収めSA内に行って、そこに並ぶ九州物産を目で堪能した。

ラーメンがあるが、本場とんこつラーメンはやはり九州で。

ということでここでは何も腹にいれずに出発。

最初の予定ではこのまま高速道路を佐賀まで突っ切る予定だったが、時間がたっぷりあるので福岡の古賀ICで降りて、海ノ中道海浜公園をのぞいてみることにした。

おおっ、これは・・・。

私が福岡で仕事をしていた30年前は、この島は貧相な海水浴場があるだけの島だったのだが、今じゃ一大レジャーランドではないか。

あいにく朝早いためどこも開業していなかったので素通りするしかなかったが、機会があればもう一度訪れてみたい所である。

さらに岬まで行ってみようと先に進むと突然道が途切れた。

そうか、ここは17年に地震に見舞われたんだった。

まだ復興の途中だったのである。

同じ道を引き返し、福岡市内を抜け、一路3号線を南下する。

そろそろ腹が減って来たので、次の目的地は久留米ラーメンの雄、丸星ラーメンセンターにした。

気をつけてみていないとあっという間に通り過ぎそうな、バラック立てのラーメン屋だが、テレビなどで有名な店である。

中に入り食券を買う。

ラーメン1杯350円。

どひゃー。何年前の価格だよー。

ほんとに危うく見落とすとこだった。まさかこれが全国的に有名なラーメン屋だとは思えないクラシカルな(いや、ぼろ?)外観。

引き戸を開け薄暗い室内に入ると、外気温35度オーバーとは思えない、真冬のような涼しさ。これもサービスのうちか。

あまりの寒さに、エアコンの風が及ばない、エアコンの真下に席を取る。

待つことしばし、懐かしい香りをまといながら出てきました本場のとんこつラーメン。

口に入れると・・・・。

げーっ。濃すぎるよーこれ。

先祖代々水を継ぎ足しながら煮詰めたというとんこつスープは、薄味の佐賀のラーメンしか知らない身にとって、異次元の味だった。

久留米ラーメン恐るべし。


さて、佐賀に行くのには、もっと手前の鳥栖で右折して長崎方面に向かえばいいので、久留米を通る必要はない。

実は久留米方面に来たのには理由があるのである。

ここから右折して有明海に面した大川市に向かう。

RR3-01.jpg
目的地は、福岡県大川市と佐賀県佐賀市諸富町を隔てる筑後川にかかる昭和10年建造の現存する可動橋としては最古の「筑後川昇開橋」だ。

今回の佐賀行きの目的の半分はここである。


昇開橋というのは文字通り昇って開く橋の事で、その昔国鉄佐賀線を通すときに筑後川を昇っていく船を邪魔しないように考えられた。

筑後川が流れ込む有明海は、干潟で干満の差が激しく、満潮時には橋のすぐ下まで水が来てしまい、橋の下をくぐることができなくなってしまう。

そこで、橋の真ん中を船が通るときに約15Mぐらい持ち上げるという方法でこれを解決したのである。

ただし佐賀線はすでに廃線となっており、現在は遊歩道として使われている。

実は佐賀に住んでいた子供のときはこの橋の存在なんか知らなかった。

3年前いとこの結婚式が行われたロイヤルパークホテルがこの橋のまん前にあり、窓からぼおっと眺めていたら橋がゆっくり開閉していたのが見えたのである。このときは時間が無くこの橋をじっくり見ることはできなかった。

そこで今回はこの橋を渡ってやろうとこの地にやってきたのだった。 

いとこの結婚式があったロイヤルパークホテルは、橋の北側にある中洲の南端にある。

福岡側から橋を一個渡り、まずはホテルのある中州から橋を眺めてみる。

写真で見た、ずっと昔、蒸気機関車が渡っていた光景に思いをはせる。

手が届きそうな距離から写真をとりまくってから、さらにもう一本橋を渡ると佐賀県である。

川に沿って南下すると公園があり、昇開橋の佐賀側の入り口となっている。

よく見ると橋が降り始めているではないか。

全力疾走で(傍から見るとたぶんよろめきながら)橋の中央部へ。

同僚と子供をそこへたたせて記念写真を撮る。

向こうへ渡りたいが、時間表を見ると往復する頃には橋が上がってしまい戻ってこれない。

どうしようか迷っていると、管理している親父さん2人が昇降部分の向こう側で手招きしている。

「写真撮んさんない橋ばあぎゅうか?」(写真撮るなら橋を上げて見せようか)

「いえ、そっちいったら帰ってこれなくなるから」

「いいけん、きんしゃい。すぐに下げてあぐっけん」(いいからきなさ

い。すぐに下げてあげるから)

なんと私たち3人のために目の前で何回も橋を昇降させてくれたのだ。

もう感激しまくりである。

この2人、一人は佐賀県の職員、一人は福岡県の職員だそうだ。

2つの県で共同して橋を維持しているのである。

パンフレットを貰い、公園の売店でおばちゃんの佐賀弁を堪能し、十分満足して後ろ髪をひかれる思いで出発。

さあ、あと15kmで生まれ故郷、佐賀市だ。 


8月11日昼12時。

予定より半日早く佐賀駅前に着いてしまった。

予定としてはここでおろしてもらい、ホテルのチェックイン時刻まで自転車で佐賀探訪としゃれ込むつもりだったが、・・・気温が38度。

とても外を自転車でぶらぶらできる気温ではない。

歩きなら冷房の効いたバスが使える。(ここ佐賀はバスが縦横無尽に走っていて自動車の要らない町なのだ。)

そこでホテルに頼んで、チェックインの3時まで自転車と荷物を預かってもらうことにした。

ここで、同僚の都合しだいで13日にまた拾ってもらうことにしてお別れをし、ニコンのデジタル一眼レフD70を抱えて、小学校卒業まで12年間育った家を探しに行く。

道路そのものの配置がすっかり変わっているので、子供のときの記憶を頼りに、まず基点となる場所を探す。


記憶その1

そういえばうちの前が大きな紡績工場だった。

記憶その2

うちの前に川が流れていて、斜め前の交差点そのものが大きな橋の上にあった。

記憶その3

3軒となりが醤油工場だった。

記憶その4

近くに江口病院というのがあった。


まず記憶その1とその3とその4はあっけなく見つかった。


地図上では紡績工場はなくなっていて、「どんどんどんの森」という公園になっている。

で、まずは佐賀駅前を出発し、西へ歩いていく。

おおっ、江口医院の看板が電柱に掲げてある。まだつぶれてなかったか。

さらにいくと、むかし紡績通りと呼ばれていた道にぶつかって今度は南に方向転換する。

とすぐに「どんどんどんの森」は見つかった。

さらに行くと。

歩道に、傾きかけた木造の古い建物がはみ出している。

正面に廻ると醤油屋さんだった。

40年のときを経て、子供のとき見たのと同じ建物がまだ建っていたのである。

そういえば一升瓶を抱えて行き、樽から小分けしてもらっていたなあ。

とここで突然の雨。

公園内にある建物に避難する。

す、すずしー。冷房がきいてるう。

結局ここで、冷たいお茶を飲みながら、うだうだとすごしてしまった。


記憶その2の交差点は建物の斜め前にあった。

間に川が流れていて、交差点は橋の上にある。

天神橋交差点。

子供の頃は神野町紡績通りという名前だったよなあ。


この交差点から2軒目が育った家だ。

2階建ての2軒長屋の1階を店に改造して「一茶」というお菓子屋さんを営んでいた。

左隣が魚屋、その隣がラーメン屋、なぜか向かいも魚屋、その隣がかまぼこ屋、その先の同級生の家は「モリナガ」というスーパーマーケットで、右隣が雑貨屋、その隣が醤油屋・・・・。

この一角だけでほとんどすべての商品が手に入ったから冷蔵庫がなくても困らなかった。


家のあったはずの場所。そこは駐車場になっていた。

裏庭だった場所にはガレージが建っている。

向かいにあった商店の数々は撤去されて歩道となっていた。

いずれあの醤油屋さんも建て換わるか移転するだろう。

12年間の思い出だけを残して。


その歩道を、当事通っていた小学校へと歩いてみた。

木造だった小学校は、まっるっきり記憶にないものへと変わっていた。


いろんな思いを胸に、もと来た道を戻る。

3時ちょうどにホテルでチェックインを済ませ、がんがんに冷房を利かせた部屋に自転車とザックを担ぎ込み、、今とってきた写真の整理を始めた。

そう、今回はインターネットができるホテルを選び、そのためにパソコンを担いできたのだ。

 

8月11日午後3時。

気温は相変わらず。

宿泊は佐賀駅前のサガシティホテル。


ネットで予約したビジネスホテルである。

全館無線ラン付。

ホテルには珍しく大浴場付。

部屋に入ると、電気ポット、ドライヤー、テレビ、冷蔵庫、金庫はもちろん、ズボンプレッサーまで付いている。

さらにテレビを探っていくと、通常1000円とられるHチャンネルが無料!(今まで止まった所は1000円でカードを購入し

テレビに刺さないと見られなかった。すいません。いつも見てしまいます。汗・・・。)

これで1泊4500円である。

カプセルルームに至っては、2100円で泊まれる。

今回2泊した。

さっそくエアコンを全開にし、シャワーを浴びる。

ああ、極楽…。


登山用のザックからノートパソコンを取り出し、カメラと接続、

データをダウンロードする。

カメラはニコンD70。

今回は写真命なので、重いのを承知でデジタル一眼レフにした。

大きく重いが、一回の充電で1500枚は撮れるのでコンパクトカメラより重宝する。

(実際今回1000枚弱撮影したが、5日間充電不要だった。)

そして撮ってきた写真をじっくりと眺める。


うーん、40年もたちゃこうなるわな。

なにひとつ残っちゃいない。

でもそれでも、ここは故郷だ。

エアコンのあまりの快適さに6時まで熟睡。

夕食は駅前のラーメン屋「山小屋」。筑豊ラーメンのチェーン店である。


さて、今回の旅行では1つの目標を立ててある。

それは3食ともラーメンを食べること。

このために親戚と一切顔を合わせないという、不義理をしているのだ。

私が子どもの頃は、しょっちゅうラーメンの出前を取っていた。

ラーメンは主食と言ってもよかったのである。

だから通りに一軒はラーメン屋があり、それぞれ独自の味を誇っていた。(ただしベースはとんこつのみ)

初めて佐賀でラーメン屋に入ると面食らうと思う。

メニューはとんこつラーメンと餃子、ライスだけ。

テーブルの上にはやまもりの紅ショウガとにんにくのすりおろし。

そして、最近有名になった替え玉。

ラーメンの麺だけをお代わりするという、昔からの伝統である。

餃子込みで850円。

まあまあおいしかった。が、望んでいた味ではない。


ホテルへ戻り、運転の疲れもあり熟睡する。(うそ、Hチャンネルを堪能した)

ああ疲れた。


8月12日土曜日。

8時に起き、自転車とカメラの準備をする。

2泊するため、いらない荷物は置いたまま、カメラとGPSを持っていくにとどめた。


カーテンを開けると…快晴。陽炎が立ってるよ。ううっ、暑そうじゃー。


ホテルの前に輪行袋に入れたままの自転車とカメラバッグをおろし、自転車を組み立てる。


今日の予定は、空港のない県返上の旗の下、最新設備を投入して建設された、佐賀空港の写真撮影だ。

昨日一日で当初の目的(生家を探す)はクリアーしたため、本日からは第2の目的である漫画の背景用の写真撮影なのである。

愛知県に住みながら漫画の舞台を生まれ故郷の佐賀にしたため、リアルタイムの背景がほしいのだ。


佐賀駅を出発し、主要道を避け住宅内の狭い道を行く。

佐賀は広大な平野にある城下町で、ありとあらゆるところに水路が張り巡らしてあるので、自転車で走るのにもってこいだ。


外に出ると雲行きが怪しい。

今回雨を想定してなかったのと荷物を減らしたかったので雨具がない。まあ、この暑さじゃ濡れたほうがましだしね。

一応カメラとGPSをビニール袋でカバーしておく。

川沿いに下っていくと(下るって言っても平地だけど)目の前に広大な平野が広がり、はるかかなたに多分空港の管制塔であろう建物が見える。

そう、佐賀では10KM先にあるビルが見える。

GPSで現在位置を確かめながら南下すること1時間。

やっぱり管制塔だった。


空港に着くとカメラを抱えて写真を撮りまくる。

駐車場は結構埋まっている。

中に入ると、涼しー。


実はここに来るまで「冷房してなかったら」とか「開いてなかったら」とか心配していたのだ。

なぜなら、この空港、1日に7便しかないから。


空港が開港した年、名古屋空港を飛び立った弟と母がこの空港に降り立った。

その便は今はない。

採算が取れなかったため名古屋<>佐賀便は1年でなくなってしまったのである。

今や東京から5便と大阪から2便があるのみ。

それもお盆とお正月以外は閑古鳥が鳴いている始末。

そんな建物を1日中全館冷房しているとは到底思えなかったのだ。


今回の写真は、そんな空港が閉鎖になる前に撮っておこうという気持ちがなかったとはいえない。

がんばれ佐賀空港!


そう言えば空港屋上から目の前に見えたのは、雲仙普賢岳ではございませんか。

手が届きそうなのに、そこはもう長崎なのだ。

これじゃ場所の分からない県ベストテンに入るはずだ。

(福岡の隣は長崎という誤解は今でも聞く。)


2時間ほどすずしい中、写真を撮りまくって出発。


帰りは空港線と呼ばれる道路を走る。

この道、なんと約8KMほど直線が続く。

しかも全くの平地なので、空港を出たところから12KM先にある県庁隣のホテルニューオータニが見える。

熱風の吹く中、ずっと先まで見通せる、まるで北海道のような直線道路を北上するのは自転車にはつらかったぜー。

ホテルへ戻り冷房満喫。

SAGAJO.jpg
(ここで力尽きたのか記事が途切れてます。続きはいずれ・・・・)


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