刈払機(草刈り機)を修理しよう タナカTB-21H [いろいろ修理してみよう]
田舎で生活していると都会ではまず使わない刈払機(草刈機)の出番がずいぶんとあります。
が、さすがに職業で農業をやっている人の刈払機ほどの出番はないため、いざ使おうとするとエンジンがかからず困ることが・・・。最初は2サイクルエンジンの持病、始動失敗による「プラグのかぶり」だと思っていたのですが、プラグを交換してもやっぱりかからない。
修理にだすと結構金がかかり、実際新しいやつを買ったほうが安いので、たいていの家には不動になった刈払機が何個も眠っています。
ところが大抵の場合、深刻な故障(焼き付きなど)ではありません。
で、今回部品を購入して自分で修理してみました。
今回の修理対象。タナカ(現在は会社がありません)のTB-21H。
会社がないのにどうやって部品が手に入るのでしょうか。
これがエアクリーナー。ここを開けます。
そうするとキャブレター固定ネジが。これを外して。
クリーナーをとっぱらいます。次にアクセルワイヤーとホース2本を抜き、キャブレター本体を外します。
外れたキャブ本体。うーん。どっかで見たことがあるんですが・・・・。
ウォ・ル・ブ・ロ・・・・・・・。(と読むそうです)
ああっ!カートのキャブだ。そうです。この負圧式のキャブ。レーシングカートに使われているウォルブローのキャブだったのです。ですからキャブ関係のガスケットは今でも販売されてるのでした。しかもメーカーに関係なく同じキャブを使っているため共用できるのです。
で、本体を分割。これが燃料ポンプのダイアフラム。この裏にエンジンからの負圧脈動を誘導し、その脈動で燃料を吸い込むのです。
これがエンジンがかからない原因。
ここが硬化、あるいは破損して、燃料がキャブに来なくなるのでした。
ダイアフラムをはがすとこうなってます。原理は全くわかりませんが、この部分が草刈機のエンジンに正確に燃料を送るのですねー。
でオークションの出番。左の2個セットで750円でした。右が外した古いダイアフラム。
ちなみに2013年の時点でも新品のキャブ本体が6000円ぐらいで手に入りますので(排気量20ccエンジン用から1ccごとに設定あり。) まるごと交換がいいかも。「ワルボロ」で検索してみてください。あるいは上のリンクから(2013年4月追記)
あれれ、形状が違います。
よく見ると左の古い方も2個の部品が一体化しているだけで、ダイアフラムとガスケットの2枚を合わせて使うのでした。左の方は右の新品から見るとダイアフラムの成形部分が伸びきってます。これがガソリンをうまく送れない原因でしょう。
元通りに組むと見事に復活。
駐車場周りの草を刈って家に入った途端、雷鳴と共に土砂降り。よかったあ。
*2014年9月20追記:始動不良には実はもうひとつ原因があります。それはこちら。
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機械の修理は分解しながら原理を考えたりして楽しいですね。
しかも出費も抑えられますし。
でも、草刈り機のキャブがカートのキャブとは・・・・マニアックな機械だったんですね。
by さる1号 (2010-08-16 06:45)
草刈り機って、燃料ポンプがあるんですね。重力供給かと思ってました。それにしても小さなキャブ。模型飛行機用の09エンジンとかよりは大きいですけど。
我が家は軟弱に草刈り機もチェーンソーもブロワーもチッパーも電動です。裏庭だけなので、ACコード引きずっても問題ありません。でも草刈り機はもうここ2~3年は使っていないです。
by 二兎を追う男 (2010-08-17 22:33)
さる1号様ありがとうございます。
昔ヤマハのカートを持っていたときに大変お世話になったキャブです。ワルボロ=カートのキャブだったのですが意外な発見でした。
by MHR (2010-08-18 22:47)
二度を追う男さまありがとうございます。
やっぱ、エンジンです!
ラジコンも電動は欲しいと思ったことはありませんし。
あの、ひまし油の匂いがする排気ガス・・・。
2ストのカストールR30の匂いもよかったなあ。
by MHR (2010-08-18 22:50)
正式名はワルボロじゃなくてウォルブローですよ
by ま (2013-07-11 21:12)
まさんありがとうございます。
書きなおしときます。ウオールブローですね。
by MHR (2013-07-11 23:17)
いやウォルブローですワルボロでもいいみたいですね(笑)すいません(;´_ゝ`)
by ま (2013-07-15 00:07)
まさんありがとうございます。
昔地方でカートやってたときは今みたいに英語読める人がいなかったせいか、ワルボロで通用してたもんで・・。30年間そう読んでました。
そういえばその頃はP51はムスタングだったし、Eタイプはジャガー、スティングレイはコルベットだったですね。今じゃマスタング、ジャグワ、コーベットとよまないといけないみたいです。(byGTロマン)
そういえばキャブレターもホントはカーブレーターだといってました。
by MHR (2013-07-15 00:23)
それにしても3年前の草刈機の記事が、今でもアクセス数トップ記事なのはなぜ???。
by MHR (2013-07-15 00:27)
草刈り機メンテのブログ (感動しました)
大変参考になりました。まさしく私が今悩んでいる内容です。
しかも同機種の草刈り機(カーマで購入)で、買い替えを検討中で
タイムリーなブログ発見。今週末チャレンジしてみます。
そこで、ひとつお願いがございます。
「ダイアフラム」の購入を考えています。インク先の「ここから購入」
において、適合する品目が解りません(WYL型、WA型?)
具体的な教えて頂けるとたすかるのですが、お願いします。
by ととろ (2013-07-25 14:56)
ととろさんありがとうございます
品番はWALBRO純正ならアルミボディに鋳込んであります。よく探してみてください。
by MHR (2013-07-25 17:08)
15年間使ってきたSHINDAIWA製草刈り機のエンジン不調で買い換えを決めた後で、このブログに出会いました。
刺激的でした。遅ればせながら自分で修理してみようという気になりました。
キャブレターをはずして清掃して、組み立てたらまた快調に始動するようになりました。
草刈り機は二台になったけど、得した気分です。
貴重な経験を有難う御座います。
by takayama (2013-08-02 10:22)
takayamaさんありがとうございます。
お役に立てたようで嬉しいです。
15年使ってもらえた機械も嬉しいでしょうねー。
付喪神が取り付くまで使ってやってください。
by MHR (2013-08-02 23:06)
取説を見つけました。
walbro.com/media/21916/WYLseries.pdf
お出しの画像は、レベリングダイアフラムと思われます。
パルスポンプはもう1段ジェット側にあり、パルスとリード弁2個が付いています。
実は今日リード弁ダイアフラムを交換したんですが、その前にわかめ状に成って流量が足りなかったので、メインジェットを触ってしまい、掛からなかったので探したらこのpdfが出てきました。
他のページには回しきって15回戻しもあったのですが此所では、一度抜いてから10~12回締め込みとなっていました。
機械はうちのと同じです。
かしこ
by nekonoko (2013-09-29 18:30)
もう一点カバーガードを離して付けられておられますね、本当は危険なんで、2cmくらいの間隔にするように書いてあったと思うんですが、それでは草がかみこんで使えないですよね。
うちでは、上面の左手前45度の所に、鉄の押し出しプレートを付け、
此所まで来たら、左にはじき出すようにしています。
歯もチップソーでは無く、8まい型鉄板でそこ面を切り上げ、上面で切るようにしています、(ご近所でチップが石で欠け目に入ってしまった方が居られ、怖くて使えません)。
歯付けはディスクグラインダーに刃物用と言われる、目の細かい少しフレキシブルな砥石で刃先から後ろに流しますと、返りが出なくて済みます。
かしこ
by nekonoko (2013-09-29 19:33)
nekonokoさんありがとうございます。
思っていたよりずっと複雑な動作をしているんですね。
驚きました。
ということは、フルキットを買って、全部のガスケットやダイアフラムを換えないと完全には復活しないんですね。
とても有意義な情報有り難うございました。
私ももっと研究してみたいと思います。
まあ、もう草刈りを出来る体ではなくなったので今度はいつになることやら。
by MHR (2013-09-29 21:35)
ponkichi173
と言う業者さんからレベラーとポンプ関連の4個をメール便込みで、
500円以下でした。
フルキットで1600円以下だと思います。
小生も不自由なので、厚めのベニヤ板に60φくらいの自在キャスターを付け草刈り器 回転歯の後ろに取り付け此で転がしています。
何にも無しより重いですが、自分で重量を支える必要が半減して、ゴロゴロと押しています。
エンジンと回転変換部を短くすることが出来るなら、3輪車にして、耕耘機風に押すともっと軽くなるのではないかと思っていますが、シャフトの連結がギアのようなスプラインで接続されているためシャフトを短くするのが難しいです。
(ハンドルを傾けて梶が切れれば更に便利です)
ちなみにシャフト径は7φなので合うジョイントがありません。
ソリッドジョイントでぶれが出なければ、アンカーボルトなどの穴を広げてソリッドジョイントが出来ると思うのですが踏ん切れていません。
by nekonoko (2013-09-29 21:53)
nekonokoさんありがとうございます。
そうですね。身障者でも扱える機械を開発すればもっと需要が広がりますね。考えもしませんでした。
もっと小型化して(エンジン部分はまああれでいいとして)首からぶら下げて、前につんのめらないようにバランサーみたいなのが働いてくれれば何とかなりそうですね。
by MHR (2013-09-29 23:38)
こんにちは 今日もやり残した エンジン調整です。
下面のナット受けが薄い鉄板を成型してあっただけなんで、周りが磨り減って、芯の部分が残り細くなってしまいました。
ホームセンターでは同じサイズのはないので、皿形のを付けてみたんですが、普通の方なら滑らせられるらしいですが、コロ付きでは横に引っ張られるので、だめで、元のに戻しました。
「首からぶら下げ」 も良いんですが 排気がまともに掛かるのが息苦しくなりませんか?
スーパーのカートの下に歯が付いたようなのがよいのではないかと思います、しかしカートなんかは入手しにくく、スーパーで廃棄するのを貰えたら応用できるのになんて思っています。
by nekonoko (2013-09-30 11:16)
こんにちは ご報告
今日無事に掛かりました。
始めは、ヘロヘロフエルバルブ、次はプラグ 点火点検、メインジェット調整
最後に排気管を見て泥蜂が(先に見れば良かったんですが黒かったので気づくのが遅れ)、主たる原因の競合脱線でした。
中域でメインジェットを最高から少しリッチ気味にして終わりました。
かしこ
by nekonoko (2013-09-30 18:33)
nekonokoさんありがとうございます。
こんなキャブでも調整機構がちゃんとあるんですねー。知りませんでした。
またかからなくなったので今度は前ばらして最初から分解調整してみたいと思います。
重宝な情報有り難うございました。
by MHR (2013-09-30 20:11)