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メルセデスベンツ W210 E230のウオーターポンプ交換 [車、バイク]

失業前、同僚のW210メルセデスが水漏れを起こし、お金をかけずに修理しました。これに行った作業を、ハイゼット同様まだブログというものが確立してなかったためYahooのジオログに記録していましたが、読むのに苦労するのでこちらに再録いたします。文章は当時のものをそのまま使いました。2006年9月22日の作業です。*ジオログは2019年廃止されてしまったのでタイムリーでした。


W230-680.jpg

会社の同僚のベンツから水漏れ。

今回の患者はこれです。
97年式メルセデスベンツ W210 タイプE230です。
右ハンドル、2300CC4気筒。
いわゆる子ベンツですね。

1ヶ月くらい前から水が飛び散り始めたため、ホルツの水漏れ防止剤を入れたのですが、このベンツ、ラジエターにキャップが無く、水の入り口はリザーブタンクにしかありません。
とりあえずここから入れたのですが、エンジンの暖機が済んでも水が循環する様子がありません。
結局2本も入れた水漏れ防止剤は、エンジンにいくことなくバケツの中へ行く羽目になりました。

エンジンルームはクーラントまみれ。
で、結論。応急処置では無理。

あきらめてウォーターポンプを交換することにしました。
早速ヤナセに修理代を聞いたところ、部品だけで5万円!
ええい、純正にこだわる必要なし!
まずヤナセで純正部品の番号をゲット。(111-200-4001)
ネットを駆使して探し回りましたが・・・無い。
この車種用の部品が一切無い。
他車種用はいくらでも出てくるのに・・・。
3日間ぐらい探して、適応車種には無いけど、たぶんエンジンは同じだろうというやつをとりあえず送ってもらうことにしました。
会社の就業後、工場に水がだだ漏れしているベンツを持ってきます。
ボンネットをあけ、まず作業スペースを確保するためにインナーグリルのクリップ2個を90度回しグリルを引っこ抜きます。
次にラジエターサポートのボルト5本をはずし、ラジエターをサポートごと前に押し出します。
ラジエターからシュラウドをはずし、ファンをよけながら隙間から上に引っこ抜きます。ここまで特殊な工具不要。いやはやすごい整備性です。
クーリングファンのボルト3本を抜きカップリングから切り離します。
これで作業スペース確保完了。

 

CUPLING-PURIE_1-680.jpg

次にウォーターポンププーリーとカップリングを切り離すんですが、カップリングとプーリー間の固定は36MMの巨大なナットでしかも左ねじなのでご注意を。時計回りに回すと緩みますが、相手がベルトのテンションで止まっているだけなので、スパナをハンマーでひっぱたきショックで緩めます。
ただし今回スパナが厚すぎてプーリー取り付けボルトの頭と干渉したので、先にプーリー固定用のボルト4本のうち3本を抜きスパナを回すスペースを確保します。
1本残すのは、36MMナットをはずすときプーリーが固定されて無いと、ナットが空回りしてしまうからです。
ですから写真ではファンベルトをはずしていますが、この時点ではついていたほうがプーリーが固定されて作業しやすいです。

enjinzenkei.jpg

作業前の写真を撮り忘れたので、この写真は交換後です。
カップリングが取れたら右に見えるベルトテンショナー(ベンツではベルトタイトナーというらしいです)をハンマーの柄などで車両中心に向かって押し込み、A部分の穴に細めのドライバーなどを突っ込むとテンショナーが緩んだ状態で固定されるので、ベルトを取り去ります。
残ったボルトを取りプーリーをはずすとこの写真の状態になります。
ポンプから冷却水のホース2本とヒーターホース1本を抜きます。
これでポンプをはずす準備ができました。
8本のボルトを抜き、プラハンなどでウォーターポンプを軽くこづきながらはずします。
通常は熱でガスケットが張り付いているはずですが・・・・。

enjineMAE-680.jpg

これが外れた状態。
飛び散ったクーラントで汚れてます。
ガスケットが残りますのでスクレーパーではがします・・・。
えーーーっ!!!!
ガスケットが入って無い!
なんと、古いポンプはガスケット無しで組んであったのです。
代わりにシール剤は塗ってあったのですが、ここは圧がかかるのでガスケットは必要です。
こりゃ漏れるわな。(実際もれていたのは別のところでしたが。後述)
おかげでガスケットの掃除が必要なくて助かりましたが。
掃除をして新品のガスケットをはさみ、新品のウォーターポンプを組み付けます。
ホースをつける前に、エアをかまないように、ラジエターと、ポンプをクーラントで満たしてやります。
あとは逆の順番で組み付け。
36ミリナットは当然反時計回りで締まっていきますが、ベルトのテンションだけで押さえられるはずもなく、しっかり閉めることはできません。しかーし。
ここが逆ねじになっている理由を考えてください。
そう、エンジンをかけるとシャフトの回転トルクで勝手に締まるんです。
すべての作業はおよそ2時間で終わりました。
もらった工賃は・・・コーヒー1缶。
時間給60円でした。

pomp-MORE-680.jpg

実はここからもれてました。
これはシールとベアリングの間にあり、シールがだめになるとベアリングの手前で水を逃がし、ベアリングへ水が入らないように保護する穴らしいです。
つまりここからもれるってことはシールがだめってことです。
さらに、インペラを持つとかちゃかちゃ動きます。
ベアリングが逝ってますねこりゃ。
新品の方は当然ですがまったくがたがありません。
ディーゼルのようなエンジン音の原因はこれでした。

さて今回かかった費用ですが、社外品のポンプが19000円、クーラントが2000円、新品のファンベルトが4000円です。
これだけ安く上がるなら自分でやる価値ありですよな。
それとあのベンツを修理したという満足感!
というか、国産車より簡単でした。
よくできてます。これ。整備しやすいったらありゃしない。

ちなみにウォーターポンプの純正品番は111-200-4001、このポンプは2300ccの4気筒エンジンなら多分どれでもつかえます。
購入はこちらからしました。

https://www.a1-import.com/default.php

97-00年式ベンツ230用ウォーターポンプ 19,000円(税込) ◇パーツNo:AW9314EX◇ ◇メーカー名:AIRTEX◇ 97-00年式ベンツ230用ウォーターポンプ 適合エンジンは C230,2.3L,4気筒 SLK230,コンプレッサー,2.3L,4気筒用 ガスケット付

今回ウォーターポンプを交換したら、ちょっと暖機しただけで水が動いたのです。
つまりポンプから圧が逃げていたわけで。
今回は完全勝利でした。


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コメント 7

さる1号

整備がしやすい構造・・・・やはりメルセデスには技術力があるのですね。本当の実力はスペックではなくこういう所に表れますから。

by さる1号 (2011-01-30 17:28) 

MHR

さる1号さまありがとうございます。
最近の国産車はパズルのような組み付け順番と、安物のボルトでの組み付けで素人が修理できないようになってますねー。というか自分で修理しようという気持ちを起こさせない様になってるみたいな・・・。
by MHR (2011-01-30 19:59) 

yosi

何でも直せちゃんですね。
by yosi (2011-01-31 10:59) 

MHR

yosiさまありがとうございます。
直せるのではなくて、貧乏なので直さざるをえないだけでして。
世のすべての外車持ちがお金があるわけじゃありませんから、頼まれれば何でもやります。
by MHR (2011-01-31 17:16) 

kanchi

ミディアム・クラスですから「小xx」ではないと思います。

ドイツ滞在中に私が観察する限り、ミディアムクラスは E240が多かったです。ハーツなどのレンタカーはE200でした。マニュアル・スティックなので十分なのでしょうね。

以前古いSLをメンテしてもらっていた整備屋さんが言っていましたが、リビルドされたものや互換パーツを入手しやすいし、CD-ROMのマニュアルが出回っているのでメルセデスは安く修理しやすいと聞きました。

MHRさん、次は古いメルセデスを手に入れて修理されたらいかがですか?
by kanchi (2011-03-18 22:39) 

MHR

Kanchi さまありがとうございます。
収入がありませんからこれ以上は無理でしょうね。車は。
MR2をレストアして最後の車にします。

by MHR (2011-03-19 22:18) 

職務経歴書の書き方

とても魅力的な記事でした。
また遊びに来ます!!
by 職務経歴書の書き方 (2013-05-20 11:23) 

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