R100RSってどんなバイク?購入を迷っている人へのアドバイス? その4。(悪魔の囁き4?) [88'BMW R100RS]
(R100RSで一番???な部分。3.2mmの鉄板を打ちぬいただけのトップブリッジ。カバーを外したとき、がっかりすること請け合いです。それにしても幅の狭いハンドルです。私の肩幅よりも狭いです)
いやー。ついうっかり続きを書くのを忘れてました。
R100RSのことでしたね。
R100RSには大きく分けて2種類あります。
外観から分かりますが、初期型である2本サスモデルと最終型であるモノサスモデルです。
2本サスというのは後ろのサスペンションがオーソドックスな2本のもので、モノサスモデルというのはスイングアームが右側だけにしか無い、その結果サスペンションも右側1本しか無いものです。
これは基本となったベースモデルが違うためで、2本サスはR100/7をフルカウル化したものです。
しかし、モノサスは少々勝手が違っていて、オフロードモデルであるR80G/Sがベースとなっています。
そのため、2本サスモデルは日本車の4気筒勢のおこしたパワー競争のまっ只中で開発され、70馬力で最高速も200キロオーバーですが、モノサスモデルはベースモデルのR80の低速性能をそのまま生かした60馬力、最高速は180キロに抑えられました。
ではなぜ、2本サスモデルから馬力アップせず、わざわざ性能を抑えたのか。国産車ではまずそんなモデルはありませんでした。
それは。モノサスが高速走行を追求した2本サスの直系ではない、オフロード用のGSモデルの派生車だからです。(まあ元はといえば2本サスなんですが…。そこにはややこしい事情が・・。)
モノサスのベースモデルとなったR80G/Sは、2本サスのR80をベースに、オフロード車として必要な軽量化をし、ロングストロークの片持ちサス、低速型エンジンを与えたものです。その結果パリダカールラリーでの勝利を得るなど、今までなかったビッグオフというジャンルを確立しました。(日本では免許制度と車検制度のせいもありほとんど見向きもされなかったのですが・・・。)
でもなぜ、R100をベースにしなかったのか。
したくてもできなかったから。
なかったのです、フラットツインモデルが。モノサスR80しか。
1990年前後、BMWは古臭いフラットツインを切り捨てて最新のK100シリーズをメインにするため、R80を除きフラットツインの生産を取りやめてしまっていたのです。
ところが無くなってしまうとフラットツインへのラブコールがどんどん舞い込みます。
2年間それが冷めるのを待っていましたが、結局冷めないどころか増え続けるラブコールに根負けしたBMWは、ラインナップに唯一残っていたR80を1000ccにして、サスストロークを切り詰めてロードマシンに仕立てて再販。それがモノサスR100RSでした。馬力を上げなかったのはすでにKシリーズがあったため、あえて高速性能を追求する必要がなかったからでしょう。
これがあたって、再びOHVフラットツインが世界中に送り出されることになり、正常進化しながら今に至るわけです。
ポルシェの911も同じような経過で今にいたってますね。
さて、当然、新車は手に入りません。
そして、当然ですが2本サスモデルは約30年前のバイクです。となると、中古車を購入するならモノサスモデル、ということになりそうですが、上に書いたようにこの2種類のモデルは別のものです。
2本サスは大事にされていた個体が多く、馬力も10馬力多いし、塗装が綺麗、マフラーがかっこよく音もいい等、あえてこちらを選ぶひとが多いです。
ただ、モノサスモデルよりも高価だったため、市場にあまり出回りません。当然価格もモノサスより高い場合が多いので、とりあえずフラットツインが欲しいのならモノサスモデルを買って、まともに動くようにして使い倒しましょう。
ただ2本サスでも持ち主は大抵定年者。高齢化には勝てません。蟻地獄のようにじっと待っていればいずれ市場へ。と「ジャジャ」という漫画の中でバイク屋さんが言ってました。私が言ったのではありませんよー。
前にも書きましたが、部品は外装とかフレームを除きほぼ100%手に入りますし、修復不能なほど壊れることはまずありません。自分でバイクをいじる人なら、全損したスクラップから再生することさえ可能です。(OHVエンジンでカムチェーンがないので、モンキーの改造をできる人なら十分可能)
いえ、自分でいじりましょう。こんな楽しいおもちゃ、これからもきっと出ないでしょうから。
すっかり忘れてましたが、どんな乗り味なのかを全く書いてませんねー。
初めてR80G/Sを乗った時の第一印象は。
エンジンに関しては、でっかいホークⅡ。多分ホークⅡを2倍の排気量にしたらそっくりになるのでは。排気音もそのままあれです。あるいはSR4002台分。どっちにしてもドラマチックなエンジンではありません。高回転まで回したいならR80を選べばOK。燃費もいいし。(R80は最低でも20km以上走ります。R100は15kmから23kmの間。)
エンジンが縦置きなので乗り味はGL400?
シリンダーが左右に張り出していることも相まって、やじろべえみたいです。
G/Sの場合サスストロークがあるため、加速時はぴょこんと車高が上がり、減速時はぐっと沈むため横から見てると面白いです。
R100RSの乗り味は、ハンドル幅が狭く低い(完全なフラットハンドルです。ハンドルマウントの高さがグリップ高さと同じです)ためか腰で操縦する感覚。安定性抜群ですが、ホイールベースが短いのでグイグイ曲がります。ただ、サスペンションはふにゃふにゃですので、ブレーキングはコツが要ります。せめてリアサスは交換しましょう。同時にフロントサスのオイル交換も。
整備されてないRSはハンドルが強烈にぶれることがあります。これはフレームの曲りなどの故障ではなく特性みたいです。あまりひどい場合はステムベアリングのオーバーホールと調整、タイヤ交換などで治ります。(これはドカティのMHRでも起こりました。この時はリアサスのOHで解消しました。)
サスストロークがG/Sほどないためかシャフトの癖はほとんど気にならないと思います。
ちなみにカウルに当たるのでハンドル交換はほぼできません。
ですのでゆったり乗りたいならでかいカウルのついたR80RTかR100RTをおすすめします。ただしRSも含めカウル付は夏は地獄ですので、夏用バイクを持っていることが必須かも。まあ冬はこたつ付ですので手袋も夏用でOKというメリットがあるので妥協しましょう。雨合羽も小雨なら必要ありません。
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OHVのフラットツイン、一度は乗ってみたいですね。
いじって良し、乗って良し、
確かに最高に楽しいオモチャになりそうです。
by さる1号 (2011-04-11 06:21)
下手に国産旧車をいじるよりリーズナブルだし、構造がシンプルで手が入れやすいですね。
機械いじりが好きな人間は、まさしく楽しいおもちゃですね!
by ぱりだか (2011-04-11 21:08)
さる1号さまありがとうございます。
さらに、買った値段ぐらいで売れたりします。
負担が少ないいいバイクです。
by MHR (2011-04-12 20:11)
ぱりだかさまありがとうございます。
OHVなんてW1か株の初期型でしかお目にかかれませんもんねえ。国産バイクと維持費が変わらないのもいいと思います。
by MHR (2011-04-12 20:12)
トップブリッジが3.2㎜の鉄板とは、
さすが合理主義のドイツ製ですね。
by yosi (2011-04-12 21:27)
yosiさまありがとうございます。
これは合理主義とは言わないのでは・・・。
ここにも隠れドイツ車びいきがいたのかー・・・。
いえ、すいません。ひとりごとです。
ここがちぎれることで衝突安全性を確保するためとか。でも、R100GSでは立派なフルクランプになってますからただのコストダウンかと。パッドで隠してますから。
by MHR (2011-04-12 22:36)
その4になってようやく悪魔の囁きになってきましたね!(笑)
今までは警告文だったような・・・・・・・
R80ベーシックは未だに欲しいですねえ
同じ考えの人が世の中に沢山いるようで、市場に出ても高値なんですね。
最近ウラルがちょっと気になってます
by デモ鳥 (2011-04-14 07:22)
デモ鳥さまありがとうございます。
R80ベーシックはOHV最後の製品ということで稀少価値があるようですね。
ウラルはサイドバルブのやつ?サイドカーがレッドバロンにありましたが実はサイドカーじゃなく2輪駆動とか。そのためバイクの免許では乗れないとか聞きました。
by MHR (2011-04-14 23:10)
確かに、味の有る、バイクですね。
メカ好きな人には、堪らないオモチャではないでしょうか!
by TAKA (2014-07-08 01:58)
TAKAさんありがとうございます。
結構安く手に入るのと、パーツが出るので維持が楽ですねー。長く乗るほど良さがわかるため、最新のRシリーズから乗り換えるおばK・・・・いや好き者が多いのも特徴ですね。おかげで現存率の高いこと。
by MHR (2014-07-08 19:16)