北海道準備編、KS2の整備 その1 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
車がまだ戻ってこないので、KS2の整備にかかります。
KS2のフロントフォークはメッキの品質が非常に悪く、市場に出ているもののほとんどがサビサビです。
うちのもやっぱりひどい状態です。
再メッキは1本15000円ぐらいかかるので程度のいいものをオークションで探していたのですが。
更に2セット落札するも似たり寄ったり。
でもとうとう出会えました。
トップボルトもちゃんと工具が入ります。(これ重要。ゴムキャップがかぶっているため水がたまって腐ってしまうのです。ついてたゴムキャップは外して穴にはオイルを満たしておきます。)
ただしオイル駄々漏れなのでオイルシールを交換するためフォークをばらします。
が、トップキャップのボルトを緩める14mmのヘックスボックスはあるのに、それを回すための9.5角のハンドルもラチェットも車に載ったままモータースに。
しょうがないのでボトムケース側のみ分解。
ボトムケースの底から8mmのヘックスレンチを突っ込み、固定ボルトをゆるめます。10mmのレンチはボトムケースの回転止用。運よく一発でゆるみました。ナット側であるインナーロッドは固定されてないため、もしボルトと一緒に回ってしまうとトップ側から専用工具を突っ込んで回り止めする必要があります。
これがインナーロッド。トップ側からスプリングで押さえられているだけなのでくるくる回ります。この先端にボトムケースがM8のボルトで締結されているわけです。
このフォークにはドレンがないのでこちらを下にしてフォークを立てて、オイルを抜けるだけ抜きます。
必要な工具。8mmヘックスとオイルシール外し。ただこのストレート製は問題あり。角のある板で出来てるため、先端や支点に傷がつきます。
こっちのアストロ製なら大丈夫そう。
引っこ抜いたボトムケースからダストシールをドライバーでこじって外します。新品がありますが傷んでないので再使用します。
工具はこのように使いますが先端と板の角が尖っているためアルミのボトムケース内壁など接触する部分に傷が入ります。
しかもこのKS2のオイルシール、XLRの時と同じく固着して取れません。この状態で下の木にアウターを叩きつけながら少しずつ抜いたため、支点となっている部分もボコボコに。オイルシールは定期交換すべきですねー。
抜けた~。もうここで心が折れそう。だって抜けないってことは入らないってことでもありますから。
グチャグチャに砕けたオイルシールとストッパリング、ボトムケースボルト、銅パッキン。本来オイルシールはフォークが沈んだぐらいの油圧で抜けるのです。そのための抜け防止用の固定クリップのはずですが。
綺麗になりました。オイルシールは途中にある溝の奥まで入り、溝にはまったリングで飛び出さないように固定されます。
今回初めて使う工具。XLR250Rの時の教訓で購入したもの。
オイルシールは前のオーナーからいただいたもの。武川のモンキー27パイフォーク用。
品番06-01-0004。今なら手に入るので何セットか入手しとこうっと。
フォークにダストシールとオイルシールを通します。作業しやすいようにフォークはひっくり返してます。
アウターを差しこみオイルシールを手で入れます。ここまではすんなり入ります。
ここでオイルシールドライバーの出番。このようにアウターに嵌め
が、そこはミニバイク。フォーク自体が短いため叩きこむためのストロークがとれず全然入っていきません。
結局なんのための専用工具かわからない使い方をする羽目に。いやあ、これ使いやすい。(違う!)
入りました~。
縁が工具で凸凹に。こっちはまあいい状態だったのでこのままダストシールをかぶせて終了。
反対側のフォーク。ここまで砕けても抜けません。
このように力をかけながらアウターを下の木の台に叩きつけます。そりゃ傷つきますわな。
こっちは縦傷とぎざぎざになってしまった縁。内側に出っ張ってしまったのでヤスリがけ。XLR250Rの失敗が全然教訓になってません。
でもヤスリがけしたせいか、以外やコッチは問題なく入りました。(一応傷にはシリコンを盛っときました。)
XLRの時はまっすぐ叩きこむのに苦労しましたがやっぱり専用工具は偉大だ。
フォークオイルはこの前ハイゼットに使ったオートマチックミッションオイル。フォークオイルじゃないけどなぜか昔のホンダ車はほとんどこれが指定されてました。
トップボルトを外す工具がないのでボトムボルトの穴から注油。 ポンプは灯油ストーブの残油処理用です。
片側97.5-103.5cc。油面130-134mm。(スプリングなし全屈状態でフォークトップから)
嫌気性接着剤。いわゆるネジロックです。トヨタ車のマニュアルではエンジンヘッドボルトやプラグチューブに塗るよう指定されているケミカルです。1本3500円もするのにびっくり。でも量があるのでコスパはいいようです。
フォークボトムボルトはねじ込まれるインナーロッドが一緒に回ってしまうため、ネジロックを塗布するように指示があります。(インパクトレンチで締めれば不要)
ちなみに締付けトルクは2.3kgf・mです。 (22.5Nm、230kgf・cm:結構なトルクです。インパクトで締めないと無理ですな)
三叉は使わずフォークのみKS2に移植します。どうか漏れませんように。
それにしても80ccということでなめてました。
アウターケースの固定ボルトはBMWと同じサイズ。インナーロッドもほぼ同じサイズ。スライドメタルを持たない、インナーチューブがアウターケースのアルミと直に嵌合している構造はR100RSと全く同じでした。
ていうか、R100RSが27パイと38パイという太さは別として、インナーに関しては80ccの原付き2種と同じサイズのフォークを使ってることが問題です。
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良かったですね〜
程度の良いフォークが手に入って。
これで2輪も4輪もバッチリで、安心して北海道を堪能できますね。
by ぱりだか (2015-06-22 22:04)
オイルシール外しには、アウタチューブに当てものして、スプーン状のタイヤレバー使ってガシガシやるとスコーンと抜けます。北海道は今が一番いい時期だと思います。観光客も少ないし、日は長いですし、お気をつけて。
くれぐれもバイクの鍵を忘れないように、車載で行ってバイクの鍵がないとう言う事例を聞いたことがありますwww
by deepredcocktail2 (2015-06-23 00:18)
いや~、新品同様(笑)のフォークが見つかって良かったですね~
さて、北海道ですが、スマホをレンタルすることにしましたので、旅先からMHRさんのブログにアクセスして、どこかで合流出来るように針路を取ります。近くなったら電話しますね~
by 二兎を追う男 (2015-06-23 09:46)
ぱりだかさんありがとうございます。
未だ車が戻ってこないのが心配ですが、KS2に多少問題がっても2台体制だと何とかなりそうで安心できます。
by MHR (2015-06-23 21:48)
deepredcocktail2さんありがとうございます。
ベアリング抜きのようにじわっと抜けてくるようなシール専用プーラーがあればいいんですがねー。
バイクの鍵は盲点でした。
早速明日車の文も入れてスペアキー数本作ってきます。
by MHR (2015-06-23 21:53)
二兎を追う男さんありがとうございます。
きれいなのでつけるのがもったいなくて。
今のフォークも何故かこの状態でオイル漏れもありません。
でもこの機会に付けないとそのままスクラップになる可能性があるので思い切って交換しました。
ただ付け替えたフォークがオイルが漏れないとは限らないので外したフォークも持っていくという・・・。(笑)
日にちも進路も定かではないのでこっちに合わせないでくださいねー。せっかくのフリーツーリングが予定に縛られちゃもったいないです。運が良ければ(笑)ということで。あの頃未舗装だったオロロンラインや三国峠、昆布森のダートなどを楽しんで下さい。(もうどこにもダートはありません)
by MHR (2015-06-23 22:01)
こんにちは。
整備お疲れ様です。
ウチのJD06もフォーク組み立て記事を上げましたが、古いオイルシールが外れずにお手上げ(傷を付けると替えが無い)でした。
サービスマニュアルだと、ATF指定でしたが、クッションオイルがあるのでこっちにしました(笑)
by HIRO (2015-06-24 22:44)
HIROさんありがとうございます。
最近すんなり外れたのはBMWだけで、あとはみんな抜けなかったです。
どうしてホンダだけATF指定だったんでしょう。今ではフォークオイル指定ですよね。
by MHR (2015-06-25 23:12)