台所を暖房している20歳の三菱ファンヒーターKD-F42Bがご臨終? [いろいろ修理してみよう]
1月12日に「F2」というエラーを残して点火しなくなった、三菱のファンヒーター「KD-F42B」。
2001年製なのでもう20年選手。引退させてやりたいところですが、カローラの車検も控えてるし、同日に悲鳴をあげ始めた電子レンジのこともあるし、とりあえず一度分解して点火プラグを清掃してみることことにしました。先日復活させたコロナのファンヒーターと同じ原因で動かないのではないかと目星をつけたわけです。どっちにしろ三菱は2003年でファンヒーター事業から撤退してるので部品も出ませんし駄目だったら諦めます。
まさかまだこれと同機種を使っている人なぞいないでしょうが、もしも修理したい人がいるなら参考になるように分解方法の記録を残します。
まず、フロントパネルを外さないといけません。
左右の下側にあるネジ2本を抜きます。これでフロントパネルの下側を手前に引っ張ってから上に持ち上げるとフロントパネルが外れます。
フロントパネル上方にはスイッチがたくさん付いてますが、実スイッチはすべて本体側にあり、フロントパネルのスイッチはすべてただのカバーですので配線はありません。
今度は吹出口を外します。
左右下方のネジ2本と
吹出口周りの上方左と上方センターとど真ん中の黒いネジ4本を外します。これで吹出口がとれます。電動インパクトドライバーのおかげでネジを外すのはあっという間です。ネジはそれぞれの場所ごとに区別してビニールパックして仕分けておきました。
あまりに寒いのでビニール車庫の奥で眠っていたサビだらけのダルマストーブを清掃して復帰させました。もしファンヒーターが治らなかったらこいつが次期台所の暖房機器候補1号です。
燃焼用フィルターを外します。引っ張るだけです。
送風ファンの清掃ドアのネジを手で緩めます。
フロント側に回り、送風ファンから中に引き込まれたケーブル(黄色2本)をたどり、クリップをすべて外します。
更にたどっていくと基盤の下方この位置にコネクターが刺さってるので外します。基盤には「黄」と表記されているのでもとに戻すときに迷うことはありません。
コネクターにはロックがあるのでプライヤーでレバーをつまんで引き抜きます。ロックがないコネクターもあります。
清掃ドアのヒンジのネジ2本を外してドアを上に持ち上げて外します。
ケーブルをケースから引き抜いてファンを外します。
次は後方のパネルを外す準備です。燃焼室から出ているケーブルがつながっている基盤が後方パネルにくっついているので、すべてのケーブルを基盤から切り離します。まず操作パネルと基盤を切り離します。
フラットケーブルは断線させないようにコネクターから真っ直ぐに引っ張ると抜けます。
コロナでは外さないといけなかった操作パネルですが、こいつはネジを外さずにそのまま後方パネルに付けたままで良かったです。(外したけど意味なかった)
基盤からすべてのコネクターを抜き取り、ケーブルをフリーにします。上の写真はもとに戻す際の記録用です。まあ、間違えようがないですが
燃料ポンプからコネクターを抜きます。
燃焼室周りのセンサー類を取り外します。全部ネジ1本で固定されてます。まず右の真ん中。
燃焼室上部にある、多分温度ヒューズ。
上部左のセンサー。これで電気系が基盤から全て切り離されました。ここから物理的な切り離しです。
天板後ろの左右にあるネジ2本を外します。
天板前方左右のネジ2本を抜きます。
燃料タンク部の蓋を開けて
この黒いネジを抜きます。これで天板が外れます。
フロント下部左右のこの爪を起こして手前に引っ張って勘合を外します。
次にこの思わせぶりな枠。
3箇所で留まってます。
ところがこれを外す意味はありませんでした。
もう一箇所、燃焼室の左側が後方パネルにネジ止めされてますが、左にすぐ壁があるためネジを回すことができません。
だからといってこのパネル、左の矢印部分でカシメてあるため外すことは不可能です。
結論。ここまでの作業で後方パネルはフリーになってるので、コロナではネジ止めされていた燃焼室と燃焼室のカバーは、この機種では後方パネルを上に持ち上げると上下に分離するのでした。
後方カバーにはまだケーブルが2本つながってます。清掃ドアの右下にあるビスを外して、裏側にある「清掃ドアが閉まってるのを知らせるセンサースイッチ」を上に持ち上げて内側へ引き抜きます。スイッチの下方は下の矢印の部分に刺さってます。
内側から見たところ。ケーブルは「赤2本」です
スイッチはただのレバー式リミットスイッチでした。上の矢印と下の矢印がリアパネルの溝に引っかかって固定されています。上の矢印の右側のレバーが押さていないと「清掃ドアが空いている」というエラーを表示します。
これが残った部分。右が燃料タンク、左が燃焼筒。構造はコロナと一緒。どこが技術をパクったんだろうか。
今回の目的地。左の2本の棒です。これが点火用のスパークを作ります。
ここのネジを外すと2本同時にとれます。
点火用と思しき側。酸化物がてんこ盛りです。コロナ同様、多分これがエラーの原因でしょう。
多分センサー側。こっちも同様。ヤスリでガシガシ削って地肌を出します。
元通り組んでいきます。一番外側のリング状の部分に石綿のような断熱材が敷き詰めてあるので壊さないようにゆっくり燃焼室の上部機構のついたままの後方カバーをおろしていきます。。(年式的に石綿かも知れないので吸い込まないようご注意を)
ここまで組んだら電源を入れてどうなったか確認。
「後方ドアが空いてます」というエラーが。スイッチが綺麗に嵌ってませんでした。やり直し。
2度め。そしたら今度は点火しません。イグナイターからの灰色線が刺さってませんでした。
3度め。スパークしてるのに点火しません。よく音を聞くと今度は燃料ポンプが動いてません。燃料ポンプへの茶色線が刺さってませんでした。
4度目の正直。祈りながらスイッチオン。
ぼんっという音とともに火が付きました。やったー。治ったー。
これでファンヒーターを買うお金が浮きました。(いや、お金がないんだから浮いたじゃなく、借金せずに済んだ、ですな)
さて、前日に悲鳴を上げた電子レンジ。スイッチを入れるとギャーという音が。
これもネジを外して清掃してみます。
上部のフィルターみたいなのを外します。
けっこうホコリが溜まってました。
底を見てみます。
ファンがありこんなにホコリが。掃除機で吸い取ります。
側面。こっちにはドアのスプリングがあるだけ。音が出るところは無し。
これ以上は危険と感じて分解はここまで。先程のファン部分にCRCを吹き込んで様子見します。
ファンはこの隙間の奥。ここからファンの軸方向へCRC攻撃。
当日は音が消えなかったけど翌日ミルクを温めたらすごく静かになりました。どうやらファンの軸に油が染み込んだようです。ただ、使用時に油臭くなったのが想定外でした。
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いやぁ~やりはりますね。(良い仕事をしますね)感心します。僕も時間が有ればやってみたいです、みたい気がします、ですね。不器用、根気無し人間なので無理ですが。毎回楽しませていただいております。お金持ちの人には理解不能でしょうね。でも僕は楽しそうと感じます。これからも頑張ってください。めったにコメントしませんが期待して読ませていただいております。ありがとうございます。
by 大阪のあんちゃん (2021-01-16 08:49)
こんにちは、
うちにもダイニチのブルーヒーターというファンヒーターがあります。
と言っても現在は休眠中なのですが、点火をしくじるようになってましたので恐らく同じ現象と思われます。
まあ、エラーは出ないで点火のリトライして2回目には着火するんですが、帰化した灯油の匂いが漂うという。。
このファンヒーターは1995年製ですが、この頃は燃焼中に燃料タンクが外せて給油できて便利でしたけど、考えてみれば一つ間違えると大惨事でしたね。
by SANGO22000 (2021-01-17 19:06)
大阪のあんちゃんさんありがとうございます。
どうせ捨てるなら構造を知りたい!という欲求は満たせるし、運が良ければ治りますし、やってみて損することはありませんからねえ。何より、ネット上に情報がないという部分を自分が埋めることができるというのが一番の喜びです。
by MHR (2021-01-17 23:48)
SANGO22000さんありがとうございます。うちにも多分同じやつがお風呂の更衣室にあります。コロナはタンクを抜くと停止しますがダイニチは確かに消さずに抜くことができますね。あと、コロナはタンクの蓋がワンタッチなのがいいですね。握力無いのでネジ式は困ります。
by MHR (2021-01-17 23:53)