4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール3日め。 クラッチ側の部品取り外し。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
いやあ、体調が悪くて1日半サボっちゃいました。今日は夕方から作業を初めて一応続きを書くことができるところまで。
今日は先日スプリングまで外したクラッチをバラします。
クラッチのシャフトの先端のサークリップを外します。
これでクラッチハブが抜けてきます。
これがクラッチハブ。こっちがギアボックスに動力を伝える側です。
1枚目に入っているフリクションプレートを抜きます。こいつはクランクシャフトのギアで常時回されている、クラッチハウジングに外の爪が嵌合して一緒に回っています。
2枚目はクラッチプレート、こっちは内側の爪でギアボックスと繋がっている先程のクラッチハブに嵌合しています。クラッチを切ると停止する側です。この2枚が交互に3セット入っており、一番奥にフリクションプレートが入って7枚構成になってます。エンジンをかけると常に回ってる側をプライマリー側、クラッチを切ると止まる側をセカンダリー側と言います。蛇足ですが、プライマリーキックというのはキックギアがプライマリー側を回す仕組みでクラッチを切ってもクランクが回るのでエンジンが掛かりますが、昔のヤマハ車やドカティのベベルなどはキックギアがセカンダリー側を回すため、クラッチが繋がってるとキックに連動して前に進んでしまいますし、クラッチを切るとキックが空振りするためエンジンをかけることができません。つまりニュートラル以外ではエンジンを掛けられません。まあキック自体がなくなりつつあるのでどうでもいい話ですが。
これが1セット分の組み合わせ。(全部でフリクション4枚+クラッチ3枚)
そして内側にあるこのクラッチホイールがスプリングの力で7枚のプレート共を押し付けて、動力をギアボックスへ伝える仕組みです。
エンジン内側から見た状態。(エンジン左側からプッシュロッドでクラッチを切るバイクだとこっちがエンジン外側になります)
エンジン外側から見た状態。実はこの部分、バラす必要はありませんでした。スプリングを組み付けたユニット状態のままサークリップを外してごそっと外せばよかったのです。
これでクラッチハウジングも抜けると思ってたんですが、こっちは別のスナップリングで固定してありました。
こっち用の工具が見当たらなくて、丸穴用のサークリップ外しで苦労して抜きました。
スナップリングの下には薄いワッシャーが1枚。
クラッチハウジングを抜きます。
裏側にもワッシャーが1枚。小さいギアはキックギア用。外側がクランク端のプライマリーギアと嵌合します。
とここで「これじゃプライマリーギア(右のクランク右端についている小さいギア)が緩まないじゃん」と気づき
もう一度クラッチハウジングを付けてドライバーで廻り止め。ただナットが結構大トルクで締まってたのでこれだとギアが欠けそう。
ということでクランクシャフト左側にもう一度フライホイールをつけ、SSTで廻り止め。
長いレンチに体重を載せたら緩みました。
クランクシャフト右端のこのピンが、右カバーに固定されるオイルポンプのシャフトを回します。穴に刺さってるだけでギアによって脱落を押さえてます。
クランク端にキーがあるのでなくさないように。
「C」の刻印がある方が外側ね。
忘れぬうちにオイルポンプ駆動ピンを抜いときましょう。穴がガバガバなので穴が下向きだと落下します。(穴は片側だけで貫通してません。)これを入れ忘れるとオイルポンプが動かずエンジンが焼き付くからな、忘れるなよ未来の俺。
おそらくギアオイルを吸い込んでる(と勝手に推測している)クランクオイルシール。左側と違ってオイルに浸かってるので見た目はきれいです。というかせっかく部品を買ってあるので、ここが犯人であってほしい。
さあ残るはキック機構とチェンジ機構のみ。頑張るぞー。
チェンジシャフトを抜く前に一仕事。エンジン左側をこっちに向けます。
チェンジシャフトのチェンジペダル側の根本の泥やサビを落とします。なぜならここが錆びてるとシャフトが抜けないから。オイルシールも痛めるし。(まあオイルシールは新品に替えるけど。)
左から押し出すとシャフトが抜けました。
部品の紛失を避けるため、これ以上はバラさず袋へ。
お次はキック機構を外します。このスプリングをぐいと引き抜き
テンションを抜きます。
引っ張っても抜けないのでどういう仕掛け?と思ったら、ただシャフトの先端(写真だと左端)のエンジンに刺さってる部分が真空になって抜けなかっただけでした。
キック機構が抜けたあと。この穴の奥に薄いワッシャーが1枚入ってるので、無くならないうちに抜いて保管しておきます。左のプレートはラチェットの引掛け?。外さなくても良さそうなのでこのままで。
キックギアとクラッチハウジングギアを仲介するアイドラーギアのサークリップを外します
クリップとギアの間に薄いワッシャーがあるよ。
さあいよいよ終盤戦です。シフトドラムにカチンカチンという節度を与える機構を外します。(パーツリストを見ると88年式と89年式ではこの辺の部品が全く違うね)
ショックドライバーでベアリングを押さえているプラスネジを緩めます。今回一番の難敵でした。頭を舐めたかと思ったら緩んでました。よかったー。
あとはこの10mm頭のボルト。
無事とれました。このあとばらばらになったので原型を記録しときます。
あとこのシフトドラムのリテーナーというかカバーと言うか、を外せばクランクケース右側のすべての部品がなくなるんですが、短いレンチでは緩みません。明日倉庫に行って長い六角レンチを探しましょう。(どうやらネジロック剤が塗られているらしい)
これでクランクケース分割の準備ほぼ完了です。
クリップなどは再使用不可らしいのでモノタロウに発注しました。クリップはともかく、Oリングは多分3年前にも発注してると思いますが・・・。まあ余分な分は予備でとっときます。ピストンピンのクリップは廃盤でした。一般用を探しましょ。
上からクラッチレリーズシャフトのOリング、オイルポンプのオリフィスパイプのOリング(部品出ました)。クラッチ・ハブとキックアイドルギアの12mmサークリップ、スプロケットの17mmサークリップ、クラッチハウジングのスナップリング、オイルポンプボディとカバー間のOリング、スプロケット奥のOリング。
驚くことに、7点中2点(12mmのサークリップとスプロケット奥のOリング)を除き即日発送されました。なんでカワサキの純正部品を自分とこで在庫してんだよ。
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