4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール2日め。 汚れ落としとクラッチケース御開帳。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
昨日の続きです。よかった、ちゃんと続いたよ。
エンジンをバラす前に汚れの酷いところを中性洗剤で洗います。
洗う前に内部に水が入らぬように穴を塞ぎます。全バラするから水が入っても支障はないけど、もし続きが数年後とかになったらサビが怖いので。まずは外してあったニュートラルスイッチを元に戻します。
オイルポンプカバーには防水グロメットの付いたオイルホースを。
オイルコントロールケーブルの穴にはM6のボルトをねじ込んどきます。
洗剤を吹き付けて歯ブラシで擦ったんですが、こびりついた汚れの層はびくともしない。結局真鍮のワイヤーブラシでガシガシ削り落とす羽目に。
ここで初めて気づいたんですが、この隙間は何?。まさかここからオイルが漏れ出してる???。なんてことはなさそうですが、なんのための溝なんだろうか。
底は結構見られるようになりました。
流石に細かいところはワイヤーブラシが入りません。諦めます。
きれいになったところで体重測定。
えーっ!!!。12.8kgしかないの????。ラジコンエンジンかよ。道理で乾燥重量が軽いはずだわ。(くどいようだけどたったの66kgです)まあ重たいフライホイールが外れてるけど・・・。
一緒に添い寝できるぐらいきれいになったので机の上に据え付けます。
これ以上はサンドブラストするしかなさそう。全バラした後で考えます。
クラッチ側をこちらに向けます。
リードバルブを外します。
プラスネジが結構固くてショックドライバーでガンガン叩いてやっと外れました。ネジの溝が舐めかけたので取り付けるときは普通のボルトに替えます。
ここで気づいたんですが、オイル供給ホースが割れてました。こいつは定期交換部品だな。このホース、ポンプから圧送されるオイルの圧がかかるので固いホースが必要です。草刈機の燃料リターンホースが硬さも内径もピッタリ。
結構立派な4枚羽の金属リードバルブが付いてます。ほとんどモトクロッサーじゃん。
開口部もでかい。
ヘッドのナット4本を外します。
プラグも外しましょう。Bタイプのプラグレンチ使うのは久しぶり。
まあきれいな方でしょう。
ヘッドを剥ぎ取ります。2サイクルは楽ちんでいいわあ。
ピストンヘッドにはカーボンがびっちり。
当然ヘッドにもカーボンが。
シリンダーを抜きます。ピストンには傷はありませんねえ。イン側は吹き抜けてるんじゃなく掃気ポートがあるため燃焼ガスが吹き返してこうなるようです。
エキゾースト側を見ると吹き抜けなしなのでリングはまだ生きてます。
インテーク側のリードバルブからクランクケースへの吸気口。
エキゾースト側
あれ?思ってたのと違う。(シリンダー横の掃気口、左右で4個あります)
実はこのKS2。アクセル全開からパッと閉じたときに「かっかっかっ」というようなスラップ音がするので、ピストンスカートかシリンダーの下側がかじってるもんだと思ってたのです。しかしどっちにも傷がありません。
コンロッドにもガタはないし。(まあまだ1万キロですからねえ。)それじゃあの音はどこから???。
ピストンの下をウェスで塞ぎます。今から外すピストンピンのCクリップのクランクケース内への落下防止のためです。まあ、全バラするからあとから拾えますが。
ノーズプライヤーでクリップを外します。これが意外と難しい。小型のプライヤーが必要。
取れました。再使用不可らしいですが変形してないし使えそう。が、ピストンピンがすっと抜けないといけないのに抜けません。どうもピストンの穴の縁にばりがあるようです。
それならばと反対側のクリップを外します。・・・・こっちにも抜けません。なんじゃこりゃ。どうしようもないので、スタッドボルトとピストンの間にスパナを噛ませてピストンを固定し、横からピンを叩き出しました。良い子は真似しちゃだめだよ。コンロッド曲がるから。
どっちからもピンが入りません。紙やすりで内周を研磨しないといけませんな。
2サイクルの場合、コンロッドのスモールエンドにはローラーベアリングが入っているので外しておきます。(4サイクルの場合ここにオイルを圧送してるので油圧保持のため、ローラーではなくブッシュが入ってるかボーリングしただけのものが多いですが、2サイクルはピストン裏側へ吸気した、オイルを混合したガソリンでここを潤滑するのでローラーベアリングになってます)
クランクケースブリーザーも外しときます。
これで腰上が無くなり、左側のすべての部品が外れました。この状態なら10kgないかも。
右側カバーのボルトを全部外します。すべて同じ長さなので楽ちん。
木槌で軽く叩いてゆくとボコッと外れました。クラッチとご対面です。
変わった構造です。昔のバイクはクラッチ板を押さえているカバーをエンジン左側からプッシュロッドで押してクラッチを切ってたけどこれはどういう仕掛け?。
あとカバーにあるこのピンの役目は?。(袋の中はカバーの位置決めノックピン。2個入ってました)
どうやらクラッチハウジングの奥にある何かを押さえてるみたいだけど。
クラッチを押しているプッシュロッドらしきものを引っこ抜きます。
カバー側にあるクラッチレリーズが当たるセンター部分にボールが入ってました。この部品自体がクラッチと一緒に回転するためです。通常のクラッチだとプッシュロッドに当たる部品のようです。
こいつを押す仕組みはこう。クラッチが切れてない状態。(エンジン右カバーについているクラッチレリーズのレバーです)
右カバーについてるピストンが引っ込んでてクラッチを押してない状態です。
クラッチが切れた状態。(ワイヤーを引っ張った状態)
ピストンが飛び出してクラッチのプッシュロッドを押した状態。油圧クラッチの場合はここが油圧シリンダーになってます。
ピストンの真ん中にはボールが当たったあとが付いてました。でもこれおかしいよね。こうならないように回転するボールを介してプッシュロッドを押してるはずなのに。そいえばプッシュロッドからボールが外れなかったよな。
こっちはカバー側。焼きが入ってる?。どうやらローラーベアリングのコロを流用しているみたい。これはカバーに固定されてないので紛失しないように引っこ抜いてしまっておきます。
ここで初めて異常に気づきました。「あれ?緩めたっけ??」そうです、ボルトが1本緩んでいました。あぶねー。この時点でオーバーホールしてよかったよー。
クランクシャフトのギアとクラッチハウジングのギアとの間にドライバーを噛ませて回り止めをし、6本のボルトを外します。(4Nmという低トルク締め付けのボルトなので簡単に緩みます。整備書に指定はないけどネジロック必須だなこれ)
うーん、ここまでバラしても構造がわからん。どうやってクラッチ切るん?。
組み付け時の備忘録、こっちが外側
エンジン側は真っ平ら。
どうやらあのサークリップを外すとクラッチハブが抜けるようです。高トルクで締まってるセンターナットがないと楽ですなー。でもあとの楽しみにとっとこー。(なんとなく構造がわかってきました。6本のロッドが奥に引っ込むことで、奥にある押さえプレートがクラッチ板から離れるんだね。向こうからカバーを手前に押しだすプッシュロッド式よりコスト高そう。)
力尽きたので今日はここまで。どうかゴミと間違えられませんように。
さて、これを書いてるときにはたとひらめきました。あのアクセル戻したときのスラップ音ってさ、ひょっとして緩んだクラッチスプリングのボルトの頭がカバーの裏に当たってでてたんじゃね?。
で、カバーをひっくり返してクラッチのところを見ると・・・・・。
ビンゴー。センターから少し外が一周、白く光ってるのわかります?。なんにせよこの段階で見つかってよかったわー。下手するとカバーを割ってたかも。組むときはネジロック塗っときます。
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おぉ、ついにKS編スタートですね。
目を皿のようにして見ています(汗)
ちなみにAR125の御開帳に手間取ってまして、参考にさせて頂きます。
くれぐれもお体にお気をつけて。
当方も無理と根気が続かなくなってきたのでいろんなことが遅々として進みません(´;ω;`)ウッ…
by 朝霧 (2023-06-25 10:58)
私が犯人です。
クラッチスプリングを交換したときの、締めが甘かったと思います。
by クラッチのボルト (2023-06-25 15:51)
朝霧さんご訪問ありがとうございます。
読者がいることで頑張れます。
ただ体調不良が著しく、発破をかけないと動けません。
これをきっかけにブーストかけようと思います。
お互い頑張りましょう。
by MHR (2023-06-25 15:55)
クラッチのボルトさんご訪問ありがとうございます。(笑)
いやいや、整備書見たら締め付け指定が4Nm(0.4kgm)ですもの。(通常の高強度M6ボルトは10Nm)
もともと音はしてなかったし、多分普通に徐々に緩んだんだと思います。開けて確かめなかった私が悪いとしか。
by MHR (2023-06-25 16:01)