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4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール12日め。がんばってやり直し。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]

順調に組み付けたと思ったのに、シフトが全く入らなくなってしまったKS2のエンジン。


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鉛のように重い腰を上げ、再々度クランクケースを割りました。今だったら「KS2のクランクケースを割る選手権」で優勝できると思います。


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慣れてきたせいか、右クランクケースにベアリングが付いたまま、きれいに割れました。


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この状態でシフトドラムがどこか引っかかって回りません。ただ目視ではどこが悪いのかはわかりませんねえ。


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ミッションギアを引っ張り出しましたが、何かが挟まってるとか、傷があるとかいうことはありません。


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シフトフォークの組付け状態。(エンジンを下から見た状態)右上がクラッチ、左下がスプロケット。どこも悪くないよなー。


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組付けペースト代わりに、ケースの底にスプレーグリスを吹き付け。上の真ん中がシフトドラムが入る穴、左右がシフトフォークのシャフトが入る穴です。ここで少し気になったのが、シフトドラムの入る穴は密閉されているためシフトドラムを入れると空気の逃げ道がなく押し戻されます。これも原因の一つかも。


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あと一つ。後で説明しますが、このギア(クラッチのシャフト)がケースに当たってます。なのでこの状態でクラッチシャフトを回すとカラカラ音がします。えーっと思いましたが、このシャフトは上(車載状態だと右側)に引っ張って右ケースにスナップリングで留まるのでした。なので少しだけ左ケースから浮き上がるので、左右ケースを合わせてスナップリングの組付けが済めば音は消えました。


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何が悪いのかわからないまま、もう一度丁寧に組み付けていきます。


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チェンジシャフトを入れる前にシフトドラム単体にホルダーを組み付けて手で回してみます。ここが1速です。


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ニュートラル。ここまでは普通に回りました。が、2速に入らない。ただ、スプロケットシャフトを少し回すと2速に入りました。


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2速。


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3速。ここでまた引っかかったのでシャフトを回すと4速へ。


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4速。


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5速。


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6速。ここらへんもシャフトを回すと入ります。うーん、どういう理屈かさっぱりわからん。

一応引っかかりはあるものの、1速から6速までシフトドラムが通しで回りはしたので、昨日同様シフト周りの部品を組み付けて、チェンジペダルで変速させてみることにしました。


左右ケースの液体パッキンを剥がして、新たに液体パッキンを塗布。左右のケースを合わせます。ここまでの作業は同じ絵ばっかりなので前2回の作業を参照のこと。


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クラッチシャフトを引っ張りながら根本にスナップリングを組み付けます。


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手前に引っ張りつつ根本にスナップリングを入れることがどれほど難しいか、正直舐めてました。バラすのは簡単なのにね。


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しかもリングが開いちゃって先端しか溝に刺さってない。


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左が今回買った純正新品を一度外したもの。右が元々ついてたやつ。左のは円じゃなく楕円になってるのわかるでしょうか。結局円を保ってる元々ついてたやつを再使用しました。


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シフトに節度をもたせるパーツを組み付け。ネジにはネジロックを塗っときました。


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また撮影しているオリンパスのTG-6がピンボケを乱発しだした。どうもストロボ発光するとシャッターと同期できずにピンボケになるみたい。なので左上以外は手ブレしてる。設定あるんかな。

走行距離が少ないのでまだ壊れてないけど、シフトシャフトのスプリングを交換します。まだ1万キロぐらいなので不要な交換だろうけど、人生がいつ終わるかわからんからやっときましょう。多分もうエンジン開けることないだろうから。


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この2本を交換。


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92081-156。


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同じかどうか確認し入れ替え。


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ぶっといけど折れるときは折れるリターンスプリング。これが折れるとチェンジできなくなります。


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ケースから生えてるシャフトを挟み込みます。


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奥までケースに差し込み


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反対側にチェンジペダルを仮づけ。

これでチェンジしていきますが、途中で引っかかるのは同じです。ただ、クラッチシャフトかスプロケットのシャフトを少し回すと「カチャン」という小気味いい音でドラムが定位置に回ります。チェンジする>引っかかる>シャフトを回す>変速する、というパターンで1速から6速、6速から1速までちゃんと変速します。つまり、走っていれば変速できるだろうというふうに思いたい。

今はドライ状態なので、オイルを入れたらまだ少しは良くなることを祈って、一応これで良しとします。


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さていよいよ待望のクラッチ組付けに入ります。クラッチシャフトの根本にワッシャーを1枚。


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クラッチハウジングを差し込みます。


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さっきと同じサイズのワッシャーを1枚。


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スナップリングで固定しますが、新品があったのでそっちを使います。右が新品。こんなに開くのかー。ただ、新品も1回の取り付けで開いちゃいました。純正新品ぐらいもっといい材質の使ってよー。


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クラッチホイールを入れてフリクションプレートとクラッチプレートを交互に入れます。クラッチ板はこのホイールに載っていて、ホイールごとスプリングで手前に引っ張り上げられることによってクラッチハブとつながるわけですな。


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クラッチハブを被せます。


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スナップリングで固定。スプリングが入ってないので6本の柱は手前に引っ張ることができます。写真の状態ではクラッチが切れているわけです。


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スプリングを載せます。こいつは前のオーナーがモトクロッサーのものと交換してたようで、むちゃくちゃ硬い。この上にドーナツ状のプレートを載せて6本のボルトを締めるんですが。


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あまりにもスプリングが硬いのでプレートを押し下げることができず6本のボルトがさせません。そこではたとひらめいたのがこれ。クランクケースセパレーターに木材を噛ませてスプリングを押し下げてボルトを締めようという算段です。


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しかーし、板が邪魔で全部のボルトが締められません。


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こんなふうに真ん中に大きな穴が開いてるのです。(写真は全部終わったあと撮影したもの)


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なにか、真ん中の穴を塞ぐものないかとぼおっとクラッチを眺めてたら、あーそうじゃん、元々ここを押す部品がついてたじゃんと。クラッチのプッシュロッドです。このプッシュロッドを右側ケースのクラッチピストンが押すことでクラッチが切れるのです。これこそ適材適所。そりゃもう簡単にボルトが入りました。


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さて、分解するときに1本緩んでいたこのボルト。締め付けトルクは8mm頭のM5ということもあり、たったの4Nmです。で、たまたま持っていた、ほぼなんの役にも立たない超小型のトルクレンチで締めます。こいつは最高でも6Nmでしか締められません。


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こいつを4Nmにセット。(古いやつなのでkgcm表示です。)

で、締めたんですがなんかおかしい。どこまでも締まります。舐めそうなので途中でやめて再確認。じつはこれ、指定トルクに達するとカクンと折れるやつなんですが、ほぼ締め始めで折れたのに気づかなかったのでした。だって力入れてないのにカクンと折れるんだもん。ほとんどドライバーで締めるぐらいのトルクだわ。良かった、ねじ切る前に気づいて。ただあまりにもゆるいんで、指示はないけどネジロック剤を塗って締めました。


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おっと書くの忘れてた。6本のボルトを締めるために、プライマリーギアを取り付けて、ここでクラッチの回転を止めます。


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シャフトにナットを付ける前に、オイルポンプ駆動ピンを忘れず入れておきます。


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ギアを入れる前にキーも忘れずに。


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ギアの”C”の刻印がある方を外に向けてセット。


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このナット、60Nmの指定トルクなんですが、9.5角のトルクレンチに使える22mmのボックスソケットがなかったので明日買ってきます。(外すときは22mmのメガネレンチで外したわ)

でこのプライマリーギアを付けたので、廻り止めに使うギアを用意します。


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使うのは他所様のサイトで見かけたキックギア。これをバラしてギアだけ取り出します。


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スプリングを外して


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ギアを外せば、あらまあピッタリ。(そりゃそうです。同じバイクのギアですもの。)ここに挟むことでクラッチが固定されるのでクラッチのボルトが指定トルクで締められます。


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何度もバラしたので構造を理解しました。左から押すクラッチと逆で、写真で下側にあるクラッチ板のエンジン側の空間へ、右側からクラッチの奥にあるホイールが押し下げられることによってフリクションプレートとクラッチプレートが離れて、クラッチが切れるのですね。それにしてもスプリングの圧縮ピッチが殆どないのね。(上の写真がクラッチが繋がった状態)


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今日はここまで。明日22mmのボックスソケット買ってきて右側を完成させましょう。


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