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廉価版なのに親を超えた、CANONのAPS一眼レフ EOS IX-50 [カメラ、写真]

えー、先の記事にちょこっと写ってしまったので、続けていきまーす。

CANONはAPS一眼レフ、IX-Eに力を入れすぎたことを反省(おもに価格面)して、1998年にIX-Eから視線入力を省き、外装をステンレスからプラスチックに変更した上で小型化した、EOS IX-50を発売しました。市場はAPSに本格的なものは求めていなかったのです。

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左がIX-E、右がIX-50。えらくコンパクトに見えますが実際は幅で約10ミリ違うだけで高さ、奥行きともほぼ同じです。

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こちらは右が IX-E。おにぎりをぎゅっと硬く握ったような凝縮感がわかるでしょうか。

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L字型からまっとう なT字型になっています。ほぼ同時に出たNEWキッスとよく似ていますねー。

本体重量はIX-Eが445グラム、IX-50が370グラム と75グラム軽量化。

これを外装の樹脂化、レンズマウントの樹脂化、スイッチ類の配置の適正化、電池をCR123×2個からCR2×2個に するなど、とにかく体積を減らす方向で煮詰めて実現しています。

ただ、これで間違いなく安っぽくなってしまいました。特にレンズマウントを 樹脂にしたのはがっかりです。

ところがこれが市場では受け入れられました。まあ、お値段が92000円から62000円へと3万円も安く なったのが一番でしょうが。

しかも安くなってもこのカメラ、IX-Eとなんら変わらない性能を与えられたどころか、キャノン独自の被写界深 度優先モードが手動からオートになるなどちゃんと時代に見合った進化をしているのです。

バックパネルを見ると、このカメラが現在の CANONのデジタル一眼レフの基礎になったというのが感じられます。IX-Eと違い、電源を入れてから撮影するまで、ファインダーから視線をはずさない まま、すべての操作ができます。

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スイッチはこのバッ クパネルと・・・。

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ここにフラッシュの ポップアップと露出補正のボタンが2個だけ。これらを押しながら・・・・

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このダイヤルで選択 するだけです。(あちゃー、こんなところにぽつんとボタンが。このフォーカスエリアの切り替えボタンも、バックパネルに追いやればよかったのにー。)

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これがIX-50の モードダイアルですが、IX-Eと違い電源スイッチもここで兼用しています。もうひとつ違うのがDEPとかかれた被写界深度優先モード。これはファイン ダーの画像の指定した2点の間でパンフォーカスになるようにカメラが絞りを決定するモードで、IX-Eは奥で1回、手前で1回シャッターボタンを半押しす ることでエリアを指定してから3回目に本押しすることで撮影しますが、こちらはA-DEP(オートデフス)と書いてあるように、モードダイアルを切り替え た時点で画面内すべてにピントが合うようにカメラが勝手に絞りを決めますので、あとはシャッターを押すだけ。ま、固定焦点のレンズみたいにするのでしょう ね。

もうひとつの「IX」モードはタイトルを焼きこむモード・・らしいです。

 

安っぽいですが、なんと視野率 はIX-Eと同じ95パーセントで、ファインダーを覗いている限りは外装の安っぽさなんぞ忘れてしまいそう。

IX-EとIX-50が違うの は、シャッター速度が4000分の一と2000分の一、ストロボ接点が200分の一と125分の一、連射速度が2.5こま/秒と1こま/秒(これは電池の 小型化が原因らしい)ということぐらい。

レンズはEFがどれでも使えるのですが、一応専用レンズが出ていました。22-55mmという半端 なレンズがあったらこいつのやつです。

IX-EとIX-50。少なくとも写真を撮るという性能のみを見るなら、小型軽量なIX-50の勝ち ですね。

APS規格自体がぽしゃってしまった現在、こんなカメラを集めるのは愚の骨頂かもしれませんが、カメラの歴史を知る上で避けて通れ ません。

というのは建前で、クラシックカメラがとんでもない値段で流通している市場で数千円で手に入るAPS一眼レフを、一度触ってみた かったんです。

このIX-50なんかボディは2000円でしたし。レンズも2000円でした。しかも実働美品。

あとはAPS スキャナーだな・・・。


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コメント 4

kanchi

見た感じは IX 50 の方がグリップ感は良さそうですね。

露出を変えて撮影する人はオーソドックスな35ミリ一眼を選択するのでしょうね。APSで私が良い機能だと思ったことの1つにプリン時にカメラが記録した露出補正を生かして、勝手にプリントマシンが補正しないという点と、シャッタ速度と絞り値をプリント紙の裏面に印刷してくれる点です。

後者の方はニコンの一部機種でフィルムのコマ間記録できる(撮し込む)機種があったと思いますし、キヤノンの1Vは撮影データをPCで吸い上げるオプションパーツがあったので、少なからず市場要求のあった機能だと思います。それを標準で搭載したAPSは悪くない規格だと思うのですけど。。。
by kanchi (2009-06-02 02:05) 

MHR

IX-50には安いカメラなのにIX-Eから引き継いだブラケット撮影機能が付いてます。高級機のように1/3きざみというわけにはいかず1/2刻みとなりますが、標準、+、-という順番に露出を変更しながら写せます。ただ、連射スピードが1秒1コマなので最後のこまは3秒後になってしまうので厳密にはブラケットではなくただの連射になってしまいそうですが。
ニコンのF4からフィルム間にデータを写しこむ機能が標準で付いていたように記憶してます。
なにはともあれ、データの記録とか、APSの存在無しには今のデジカメのシステムの完成度の高さはなかった・・・といっていいですよね。
APS規格ができた当時、デジカメの画素数は130万画素でした。
パソコンの低価格化、性能の向上と同じように、まさか、毎年100万画素増えていくなんて誰も予想できなかったのではないでしょうか。
3万画素?のカシオのQV-10を初めて使ったときのことを思い出しました。
by MHR (2009-06-02 20:15) 

MHR

訂正です。
QV-10は25万画素だそうです。
日本で始めて背面液晶を搭載したデジタルカメラの始祖でした。
画像はドットがはっきりわかるほどがたがたでしたがそれまでのアナログ記録ではなくデジタル記録としたことでパソコンに直接転送できたことは画期的なことでした。初めてのホームページの写真はこのカメラの画像を使ったことを思い出しました。
by MHR (2009-06-02 20:20) 

kanchi

てっきりQV-10は名前の通り10万画素かと思ってました。
あの頃はフロッピー・ディスクを記録媒体にしたものがありましたね。

コマ間撮影機能はF5からかと間違えて認識していました。それとF100やF80Dも装備していたと記憶しています。コマ間撮影機能に魅力を感じてF80Dをネットオークションでワッチングしていた時期があります。

AEB機能を使って撮影しても、プロラボなどでなく一般のDEP店でプリントしてもらうと、フィルムの指示を無視した自動補正でプリントされてしまい、AEBで撮った3枚全部がほぼ同じ露出による撮影になってしまうのが多くて残念です。

MHRさんの言われる通りAPSフィルムの規格が現在のデジカメに生かされている点が少なくないと思います。特に一眼レフ機の撮像素子のサイズについては特に感じます。APSフィルムの規格が存在しなかったら、各社バラバラのサイズだっただろうと想像しますし、APS一眼をラインナップしなかったオリンパスだからこそ、フォーサーズなる独自規格を立ち上げてしまい、主流になれずに苦し紛れにレンズマウントを2種ラインナップするという自滅的戦略に流れたのではないでしょうか。
by kanchi (2009-06-04 04:45) 

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