浄化槽のブロアーポンプが昇天なさいました。 ハマネツHP80W。 [いろいろ修理してみよう]
我が家はかやぶきの築100年以上の民家ですが、さすがに建ったときのままでは生活に不便。
そこでトイレを4年前に水洗にしました。都会でしたら下水に直結して***をそれこそ水に流すわけですが、そこは田舎。合併浄化槽を設置したのです。
さて、浄化槽には常時空気を送る必要があり、どこの家庭でも365日ブロアーポンプというエアポンプが働いておられます。
これが沈黙してしまいました。
このポンプ、一年中動いているため必ず壊れますので、2万円ぐらいでホームセンターで普通に売っています。
しかしうちのはエアの吹き出し口が2個あるタイプで非常に高価(50000円以上)
何とか部品交換ですまないかとネットで調べてみたのですが。
ハマネツ製 HP80W。7人槽用の結構大型のやつです。
これがブロアー。白い部分はプラスチックですが、振動防止のためか、本体はアルミのダイキャストです。
逆洗機能つきというやつです。通常のポンプはこの出口が1個しかなく安いやつなら13000円ぐらいで購入できます。
逆洗機能というのは浄化槽内のエア吹き出し口がつまらないように、タイマーでエアの吹き出し口を逆転させ、エアの噴出しをフィルターの両面から交互に行う機能(という説明でいいと思う)です。当然構造が複雑になりタイマーという電子装置を備えるため先のお値段となるわけです。
上の白いふたを開けるとエアクリーナーがあります。
裏返すと件のタイマーが鎮座しております。
次に4本のネジを緩めて緑色のアルミ部分を持ち上げると。
センターに往復運動するリニアモーター、両側にエアを発生するダイヤフラムポンプがあります。
これがダイアフラムポンプ。4本のネジをはずすと。
ゴムの幕に大穴が開いていました。
こちらが相手側。本来この2枚の写真にある部品は一体です。見事にちぎれてました。
反対側のポンプも千切れる直前。完全に寿命です。
しかし、これはゴムが破れただけです。どうして停止してしまったのでしょう。
実はダイアフラムが破れるとモーターのシャフトがゴム幕から脱落してしまい、シャフトが大暴れします。この振動を感知してモーターへの導通を切る仕掛けがついてました。ここが接点ですが、真ん中に穴が開いていて通常は2個の接点は樹脂ボルトで締め付けられ、くっついて電気を流しています。
ところが振動が発生すると、このプラスチックの細いボルト(破断ボルトといいます)とナットでとめてあった2個の接点が、簡単に折れてしまうボルトの破断によって切り離されて、電気をカットして故障を知らせるのでした。(電気をカットするのは、もしダイアフラムが破れてもモーターが止まらないと外からは判断できないため)
仕掛けがわかればこっちのもの。
ネットで部品を検索・・・。消耗品ですので必ず交換部品のセットが存在するはず。
・・・・・・・メーカーが昨年、浄化槽事業から撤退していました。
広大なネット中を探しても販売しているところはありません。
そこで直接ハマネツのサイトにメールして問い合わせをしてみました。
メールで済むのに、翌日わざわざ電話があり、ここを施工した設備屋さんに連絡を取ってくれたのです。(日本中の浄化槽工事の記録が残してあるのにびっくりでした。浄化槽事業から撤退してもサービスは残るのですねー。)部品交換セットを提供するそうです。(破断ボルト含む)
おかげさまで5万円の出費から逃れることができました。消耗部品はセットになっており1万円以下で済みそうです。
よかったああ。ほっ。
*2016年9月追記
今でもダイアフラムのキットはオークション等で下記のパーツとして手に入ります。
テクノ高槻ブロワー部品/HP-60,80用チャンバー・ブロック
Yahooオークション
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う〜む、なるほど。
私は雲古系の仕事をしていますが、浄化槽のブロワの構造をみるのは初めてです。
かなり練られた作りで、安全性が考慮されているんですねえ。
勉強になりました。
by ぱりだか (2009-09-26 16:06)
撤退したのに交換部品があるのはいいですね。
(法律があるのかもしれませんが。)
私は10数年選手のガスレンジのツマミをネットで購入しましたが、1個$15くらいでかなり高価でした。
一応その他の重要機械部品も全部買えるようですが、新品買ったほうが安そうです。
by 二兎を追う男 (2009-09-27 01:44)
パリダカさま、忙しい中ありがとうございます。
丸ごと交換するつもりでだめもとで分解してみて、ほんとによくできた機械だと思いました。いつ壊れたかわからなかったので浄化槽にコンプレッサーからエアを入れてみたのですが、うんともすんとも言いません。詰まっている可能性があります。ひょっとしたら詰まったせいで壊れたのかも。そうなると修理してもまた壊れる可能性があり、浄化槽内を大掃除しないとだめかもです。
二兎を追う男さまありがとうございます。
日本の場合7年間は部品供給しないと法律にひっかるそうです。
どんな古い部品でも出してくれたホンダも社長が亡くなった時点でこの法律にのっかたみたいです。でもBMWなんか20年前のバイクでも部品出してきますからねー。もっとも日本のようにしょっちゅうモデルチェンジしていたら、供給する部品の在庫保管も大変です。部品の在庫も含めて製品開発のサイクルを考えて欲しいですねー。
by MHR (2009-09-27 18:01)
製造者のハマネツさんは好感が持てる対応を行っていますねぇ。
浄化槽の中では雲古を撹拌していると思いますが、定期的に水を大量に流し込んであげた方が撹拌機能が長持ちすると聞きます。
by kanchi (2009-09-29 21:33)
kannchiさまありがとうございます。
部品を探して、公的機関の浄化槽協会のHPまで見ましたが、当時の浄化槽の種類のところがすべてハマネツ製になっていました。それだけのシェアがあったのに撤退したのはなぜでしょうね。下水がそれほど普及したとは思えませんし。
設置したときに水を大量に流せということは言われました。エコグッズにある、水の量を抑えるような機器は使うなと。
ふたを開けて納得。ドロのようなヘドロがぎっちりたまってます。水分がなくなったらえらいことになりそうです。
by MHR (2009-09-29 22:31)
我が家のブロアは漏電を引き起こしました。ブログを拝見し、分解することができました。メーカーは積水化学ですが、中身は同じです。参考になりました。ありがとうございます。ちなみにダイヤフラムの破損の場合、部品調達は今でも可能でしょうか?
by poppy-jones (2016-09-26 21:06)
poppy-jonesさんありがとうございます。
オークションで品番を入れると、まだ製造されているものなら出てきます。ちなみのこいつ用は下記の共用品としてまだ手に入りました。
テクノ高槻ブロワー部品/HP-60,80用チャンバー・ブロック
http://page8.auctions.yahoo.co.jp/jp/auction/h206860778
by MHR (2016-09-26 22:42)