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BMWR100RS (VALEO)バレオセルモーターの分解 続き [88'BMW R100RS]

さて、先日分解したVALEO(バレオ、あるいはヴァレオ)のセルモーター。

昨日完全に分解しましたのでお披露目いたします。

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前回ここまで分解しました。

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シーソーの真ん中にあるピンを押し出しアームをはずします。

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ここのT20トルクスボルト2本を抜きます。

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電磁石をはずしました。

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スプリングを抜きます。

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これでアームが・・・はずれません。アームが右のクラッチユニットにあたり、左側のプランジャーが抜けません。横着してはいけないってことか・・。

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要らない車載工具のプラグレンチをつぶして、シャフトがぴったり内側に入るようにします。ちょうどいいパイプがあればOKですが・・。パイプをハンマーでどついて、ピニオンのストッパーとなっているリングを下側(ピニオン側)に叩き落します。構造は後述)

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リングを叩き落すとこんなクリップが入ってます。

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ここから力技です。ドライバーやプライヤーなどを駆使してこのリングを抜きます。何回も工具が滑って手が傷だらけ。

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やっと抜けました。ぶかぶかにしないと抜けないので、はめるときはプライヤーで径を縮めてから押し込みます。

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 クリップを抜けばリング、クラッチユニット、アームが抜けます。

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リングの内側には溝があり、クリップがすっぽり収まるようになっています。シャフトとこのリングでクリップをはさんでいるわけですので手で抜けないわけです。

 

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抜けたピニオンとクラッチ。一体式でこれ以上分解不可。こう持ってピニオンが右に回って、左には回らないが正常。どっちにも回る場合、あるいはどっちにも回らない場合、ピニオンが磨耗してしまった場合はASSY交換します。これは単品で手に入ります。

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裏返すとこう。この渦巻状のスプラインが減速ユニットに勘合します。なめていないかチェックします。渦巻状になっているのはエンジンがかかってセルボタンを離したときに、リングギアに勘合したピニオンギアを引っ張るように収納するためです。エンジンがかかったときにギャーンというのはここのグリスが切れてうまくピニオンギアをリングギアから引き抜けないから。案の定グリスが切れてました。洗浄して耐熱グリスをつめておきましょう。

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ここのEリングを抜きます。手であっさり抜けます。

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スペーサーを抜きます。

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こっちが減速ユニット側の渦巻きスプライン。こっちも洗浄、グリスアップします。

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減速ユニットを裏返してこのふたをこじります。結構簡単に外れます。

しまった、まちがえました。この写真、ふたが裏返しです。実際は縁のフランジがこちら向きに出っ張っていて、ふたは少しへこんで付いてます。組むときこの写真の方向で組まないでください。ふたがつぶれます。

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この向きで入ってる、が正解です。

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これがモーターの回転を約5分の1に減速して出力するプラネタリーギアユニット。ここもグリス切れでした。真ん中にこちら側からモーターのアーマチュアのギアが入り、減速しながら六角形の部分を回します。

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シャフトをプラハンで軽く叩くとこのようにプラネタリーユニットが抜けます。

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3個のギアのうち一個がグリス切れで渋くなってました。六角形部分とシャフトは一体で、これ以上分解はできません。ギアがなめていた場合、こちらは単品で手に入らず、裏蓋をはずす前の写真にある、シャフト付きの減速部とベース部分とのASSYでの交換となります。

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こちらがケース側の固定ギア。しっかり洗浄グリスアップしましょう。なんと樹脂製です。ギアがつぶれていたらASSY交換するしかありません。

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モーターと減速部の構成はこうなってます。

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このギアが3個のプラネタリーギアをまわすわけです。ちなみにこのアーマチュアも単品で購入できます。マグネットが割れて傷だらけになったら交換しましょう。

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アームはこのままではプランジャーから外れません。

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この状態にすると写真下側に抜けます。

以上で完全に分解できました。

ところでリペアキットのブッシュが2個余ってましたねー。一生懸命探したら、どこに使うかわかりました。

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ブッシュその3はここです。

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最後のその4はこんなところに。プラネタリーユニットのお尻、モーターのアーマチュアが刺さるところです。3個のギアの奥になるため抜くのに苦労しそう。さてどうやって抜けばいいのやら。(奥はシャフトですので向こうから押し出すことはできません。引っ張る道具があるのかしらん。)

こうして、51000㎞活躍したバレオD6RA-7はばらばらになりました。じっくり組んでいこうと思います。

今回ばらしてみて感じたこと。

どうしてバレオは嫌われるのでしょう。こんなに楽しいおもちゃありませんぜ。現在でも部品はすべて手に入るのですから、壊れたら直せばいいじゃん。皆さん楽しみましょうよー。

セルモーター分解編これにて終了。

と思いましたが、まだブッシュ抜かないといけません。まだ続きます。


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コメント 3

こもり

ここまで分解できる構造は大したモノだなぁと感心します。国産のセルモーターなら、ブラシ交換くらいしか、することがない気がしますけど。
こんなにも整備されたのなら、このセルは、買いですね。「必要な人はオークションをチェック」でしょうか(^^)

by こもり (2009-11-03 00:16) 

二兎を追う男

部品が手に入る、というのはいいですね。

私のGXのスタータークラッチも、20回に1回くらい異音がするので、先日eBayにて中古を落札しました。$12でした。
クラッチの修理キットは$18です。
動作を完全に理解していませんが、ソレノイドや駆動アームは無いみたいです。遠心力で断続するのかもしれません。
それに較べると、やはりBMWのは複雑ですね。

でも、確かにばらすのは楽しそうです。


by 二兎を追う男 (2009-11-03 00:20) 

MHR

こもりさまありがとうございます。
壊れやすいことばかり有名なバレオですが、直せるって事が大事ですよねー。
今回組み付けるのに秘密兵器も用意しました。
たぶん完了したら愛着がわいちゃって手放せないかも。

二兎を追う男さまありがとうございます。
アメリカって、修理キットが存在するだけでもすごいところだなあって思います。安いですし。いろいろ輸入するのも楽しみです。
いろんなパーツを代理で輸入して商売にできたら失業者からバージョンアップできるんですがねえ。
ただ行き過ぎるとアメリカから丸々1台購入しそうで怖いです。
(やってみるのもいいかも・・・いかんいかん。ほんとにやりそう)


by MHR (2009-11-03 20:44) 

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