SSブログ

BMWR100RS (VALEO)バレオセルモーターの分解 続きの続き ブッシュ抜き [88'BMW R100RS]

さて、さすがにこれ以上セルモーターのことばっかりだと見捨てられそうですが、まだブッシュを抜いてないので続けましょう。

リペアキットについてくるベアリング代わりのブッシュが4個あるのは先に書きました。

これらは圧入されているため、抜くのには特殊工具が必要となります。これは普通の工具で何とかなるものではないのでストレート(工具屋さん)でベアリングプーラーを購入しました。

CA3C0040.jpg

これはベアリングのインナーの穴につめを引っ掛けて引っこ抜く道具です。内径8㎜から25㎜まで、主にホイールのベアリングなどを引き抜くのに使います。

CA3C0043.jpg

かなりしっかりした工具です。(およそ1万円)

CA3C0044.jpg

これがメインのプーラー部分で、先端にベアリングを引っ掛ける爪をねじ込んで使います。

CA3C0045.jpg

そしてこちらが交換式の爪。こいつは内径10㎜の穴用です。当然ですが、穴の深さはこの先端部分の長さ以下じゃないと爪がかかりません。

CA3C0047.jpg

この真ん中に本体のテーパー部分が写真奥側からねじ込まれて爪が広がり、内側からベアリングを引っ掛けるわけです。

CA3C0046.jpg

上が爪、下が爪を押し広げる心棒です。

CA3C0042.jpg

まずは一番はずしやすそうなモーター先端のブッシュから。

CA3C0048.jpg

このように内径に引っかかりそうなサイズのつめを選びブッシュの穴に通します。このブッシュは内径が12㎜あるため10㎜用の爪が2㎜広がらないとブッシュのふちにかかりません。

CA3C0050.jpg

真ん中の心棒に爪をねじ込み、本体と連結してから足の幅を調整しセットします。

CA3C0049.jpg

下側から。爪を締めこんでいくと、心棒のテーパー部分が爪を外に押し広げていきます。ぎりぎり引っかかりました。

CA3C0052.jpg

てっぺんのボルトをねじ込んでいくとみるみるブッシュが抜けてきます。専用工具のすごさを実感。

CA3C0054.jpg

これで心棒を緩めていくと爪が閉じていきブッシュが外れます。 

 

CA3C0168.jpg

次はここ。ぶらぶらしているので手で簡単に抜けると思いましたが、あとちょっとのところで抜けません。

ところがここはごらんのようにブッシュがシャフトの外側にはまっているため、さっきの工具は使えません。

CA3C0056.jpg

で、今度はこういう工具が必要です。こっちもベアリングプーラーですが外側を引っ掛けて抜くためのものです。こっちの工具は昔買っておいたものです。

CA3C0057.jpg

このように使います。真ん中のネジを締め込んでいくと外の爪がブッシュを引き上げて。

CA3C0058.jpg

当然ですがきれいに抜けました。

さあ、あとアーマチュアの両端を支えるブッシュ2箇所ですが、困ったことに内径が6㎜しかありません。

工具の爪は最小で8㎜径。どうしたものか。

CA3C0169.jpg

まず、難しそうな、こっちのプラネタリーギア奥のやつから。

穴の奥は行き止まりになっていて、向こう側から押し出すことはできません。

ネットでいろいろ調べたら、金型のブッシュを換えるときに、ブッシュの穴にタップをねじ込んでいくと、タップが奥の壁に当たり、その反力でブッシュが抜けるというのがありました。

穴は6㎜ですから最低7㎜のタップをねじ込む必要があります。

CA3C0063.jpg

6.5㎜のドリルで穴を広げ、7㎜のタップをねじ込んでいきます。

ところがブッシュがはまっている穴の下穴が6.5㎜しかないため、ブッシュを貫通したタップが本体にネジを切り始めてしまいました。これではネジがどんどん切れるだけでブッシュは持ち上がりません。そこで。

CA3C0065.jpg

これは自転車のクランク軸のベアリングです。最近の自転車はシャフトとベアリングが一体となっているためこんなの使いませんが。

必要なのはボールだけですのでプライヤーで1個抜きます。そして、ブッシュの穴の奥に一個放り込むのです。そうしてもう一度タップをねじ込んでいくと、今度はタップ先端がベアリングに当たって固定され、ブッシュが浮き上がってきました。(ベアリングはかなり硬いのでタップでは傷をつけることさえできないのです。)

CA3C0064.jpg

こうして無事にブッシュが抜けました。

が、切り粉をちゃんと掃除しないままベアリングを入れたために、今度はベアリングが抜けなくなってしまいました。この穴はアーマチュアの先端が入るので、抜けないとプラネタリーユニットごと、ただのゴミと化してしまいます。コンコンとコンクリートの床にあててもだめ。

そのとき天の声が。

「鉄は暖めると穴が大きくなるよー」

そういえば数日前に学校で習ったっけ。

湯沸かし器で熱湯をかけて、もう一度コンクリートの床にコンコン。

コロコロコロ。

いやあ涙が出ましたね。勉強は真面目にしておくものです。

CA3C0066.jpg

こうして難関だと思われたブッシュは無事抜けましたとさ。

ところが実は難関はここではなかったのです。

CA3C0067.jpg

ほらほら、つばもあるし簡単に抜けそうでしょ?ところが今度は貫通してます。タップたての技が効きません。ではベアリングプーラーは?外に引っ掛けて真ん中のネジを締めればほら・・・・・・・。あれ?真ん中のネジ、ブッシュを押さえちゃうじゃん。ネジと爪でつばの部分を上下ではさむだけだから抜けねーよー。

というわけでここで寝る時間になってしまいました。

続きはまた明日。

 

 

 


nice!(2)  コメント(2)  トラックバック(0) 
共通テーマ:バイク

nice! 2

コメント 2

二兎を追う男

便利ですねえ・・専用工具

私も次ぎは買いたいです。
中国製の安物でも大丈夫だろうか・・・

今まではひたすら力任せでした。


by 二兎を追う男 (2009-11-04 06:04) 

MHR

二兎を追う男さまありがとうございます。
中国製はやめたほうが・・・。
今回タップがそうだったのですが、最初に使ったやつがまったく入っていきませんでした。ねじが切れないのです。おかしいなと思ってみてみるとタップの溝の部分にバリが出ていて刃が表面に出てません。これじゃいくらやっても切れませんね。
今度からちゃんとしたやつを買います。
by MHR (2009-11-04 20:19) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

にほんブログ村 バイクブログ バイクいじりへ
にほんブログ村
にほんブログ村 車ブログ 車 修理・整備へ
にほんブログ村
にほんブログ村 バイクブログ BMW(バイク)へ
にほんブログ村