久しぶりのおすすめ本。賀東招二+村田蓮爾 「コップクラフト」ガガガ文庫 3巻 [お勧め本]
入院生活が長くなり、活字中毒の私はAMAZON依存症になってます。
そんな中、以前からずっと気になっていたのに購入しなかった文庫本を、刊行分すべて買ってしまいました。
ある日、現代社会に突然現れた異世界へのゲート。
それはミラージュゲートと名付けられ、ゲートのある地区に新しい街サンテレサが作られ、向こうにある国との交流が始まった。
当然のごとく起こる諍いや犯罪に対処するため作られた警察組織。
そこで麻薬などを取り締まっていた刑事、ケイ・マトバのもとに、異世界から刑事見習いの女剣士ティラナ・エクセディリカが着任することになった。
ゲートの向こうは剣と魔法の世界。かたやこっちは最新の銃器ばりばり。
文化の違う2人は全く咬み合わない。
しかし、死線をくぐり抜けていくうちに・・・。
と、こう書くと普通のバディ物のように思えますが、これがハードボイルド。
グイグイ引きこまれていきます。
作者の賀東招二氏は知る人ぞ知る、「フルメタル・パニック」の 作者であると同時に「ドルアーガの塔」のプロデューサーでもあり、その文章力はスバラシイの一言です。
で、私、賀東招二氏のファンで、刊行物は全て購入しているのですが 、2009年に初版発行されたこの「コップクラフト」は購入していません。
なぜか。
実は「コップクラフト」は以前ゼータ文庫から刊行されていた「ドラグネット・ミラージュ」の主人公の年齢設定を若くして書きなおされれたもので、内容は全く同じなのです。ちなみにきぬたさとしという人物は存在しません。賀東氏のペンネームです。なぜか2巻「10万ドルの恋人」では本名で刊行してます。
残念ながらゼータ文庫は上の2巻目が出た時点で消滅。
しかし、賀東招二氏は続きが書きたかった。
で出版社を移して新たに「コップクラフト」シリーズとして再出発したのです。
ただちょっとだけ設定を変更。ドラグネット・ミラージュの主人公は大人の女性。かたや「コップクラフト」では最初の写真のように高校生ぐらいです。 ただし精神年齢はどっちも高校生ぐらいというのが面白いです。
イラストは年齢が若返った分か、漫画家の篠房六郎氏からイラストレーターの村田蓮爾氏にチェンジ。
まあ、年齢設定が変わったぐらいなら購入にいたってませんが、なんと「コップクラフト」に3巻が出てしまいました。
しかも「ドラグネット・ミラージュ」は家のどこかに眠っていて捜索不可能。
1,2巻を読み返さないと3巻が面白く無いと判断し、「コップクラフト」を刊行されている分3冊まとめて購入してしまいました。
これが上の2巻目と同内容の10万ドルの恋人の表紙。後ろの「ケイ・マトバ」との違和感はんぱねー。
そしてこれが「コップクラフト」3巻。高校で起こった事件の潜入捜査のため、ティラナはまんまの女子高校生に・・・。バットケースの中身は・・・。
表紙だけ見たらとてもハードボイルド小説だとは思えません。
でも内容はとってもクールで、しかもとっても熱い正真正銘のハードボイルドなんです。
剣と魔法世界と現代兵器のコラボがこんなにうまく行っているのは、賀東招二氏の文章力のなせる技でしょう。
どちらを読んで損はしません。(驚いたことにアマゾンではドラグネット・ミラージュもおいてました。)
年齢設定が変わると同じ文章でも読む側の印象が変わるんですねー。わたしの脳内では別の物語になってます。
それにしてもイラストレーターとして有名な村田氏がこんなに挿絵がうまいとは思いませんでした。
篠房六郎氏のティラナも、精神年齢とのアンバランス(いわゆる世間知らず)さがよかったなあ・・。
早く4巻でないかなあ。(3巻は2011年1月刊行だからすでに1年半経ってます)
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確かに表紙絵だとハードボイルドに見えませんね。
でも、ウチの娘っ子なんかは表紙で本を選んだりしているから本を読むきっかけになるかな^^;
by さる1号 (2012-05-14 06:25)
さる1号さまありがとうございます。
おじょうさんなら「彩雲国物語」全18巻をおすすめします。
きっと気に入りますよ。
by MHR (2012-05-14 22:40)