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ハイゼットS110V・4WDバン車検あとの整備 クランクプーリー交換 8日目 タイミングベルト取り付け [H9(97)年ダイハツハイゼットバンS110V]

今日は雨雲が通過していったため午前中は雨で、気温も25度と非常に快適だったので雨が上がった昼から作業開始。しかし昼からはドピーカンになりどんどん気温が上がって結局汗だくになりました。


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まあ日陰になったのでなんとか作業はできますな。


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まずは最後のオイル漏れ箇所、カムプラグからの漏れを横着修理します。


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DOHCエンジンにはカムシャフトが2本あり、昔のエンジン(4AGなど)だとカムプーリーも2個あり、それらを駆動するためエンジンの外に2個穴が空くわけですが、近年のエンジンだとカムシャフトのタイミングベルト駆動部が外へ出るのは1箇所、こいつの場合は排気側カムシャフトをベルトで駆動し、吸気側カムシャフトの駆動はカバーの内部のギアで行ってます(最新のエンジンはタイミングベルトではなくオイルに浸かったチェーン駆動なので外に穴はありません)。なら穴は1個でいいかというとさにあらず。3気筒分のカムは1本辺り4箇所で支えられており、その受け部分(半円x上下2個x4箇所)は正確に一直線上にないといけません。なので軸受け部分はラインボーリングというドリルの親分みたいな機械で外の壁をぶち抜いて反対側まで一気に穴加工します。そのためどうしてもカムの数(このエンジンだと2個)だけ穴が必要になります。このプラグはその加工用の穴を塞ぐための蓋(ふた)なのです。つまり必要悪のパーツなんですねー。で、このエンジン、ここからオイルが漏ってます。本来ならカムカバーを外して、この蓋を挟んでいるカムホルダー(茶色い液体パッキンがはみ出してる部分)を剥がして蓋を抜き、ホルダーを液体パッキンで接着し直してからもう一度打ち込むという手間が必要です。でもめんどくさい。蓋が引っ張って抜けてくれれば打ち直すだけで済むんですが・・・。


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なので、脱脂して液体パッキンを盛ってみました。圧はかかってないので大丈夫。だと思いたい。まあだめだったらちゃんとやり直しましょう。


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次に、タイミングベルトを取り付けますが、クランクシャフト、カムシャフトともに1番気筒を圧縮上死点(すべてのバルブが閉じていてかつピストンが一番上にある状態)に合わせないといけません。ベルトを取り外すときに一応合わせて外しましたが、クランク側はプーリーの取り外しのため多少動いてしまいました。オレンジの矢印がプーリー側の、黄色い矢印がケース側の合いマークです。


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これだけずれてました。これを回すため通常はクランクボルトをねじ込んでそいつをレンチで回すんですが、締め込む方向に回さないといけないのでボルトを抜くのが大変です。なので今回はプーリーにM6ボルト2本をねじ込んでドライバーを引っ掛けて回しました。いやー微調整も効くし楽ちんです。


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これが1番気筒のクランク側の上死点です。(ピストンが一番上にある状態)

この位置でタイミングベルトのテンショナーを組み込み、タイミングベルトをつけます。


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下の穴が支点で、ここを中心にしてプーリーが時計回りに円弧を描きます。


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黄色矢印のピンにテンショナーの支点を差し込み、オレンジの矢印に固定ボルトをねじ込みます。


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プーリーを見るとなんか汚れてます。


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ベルトの何かがこびりついてました。


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真鍮ワイヤーブラシでガシガシ。


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ついでにプーリーも磨きます。


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あ、傷が。見なかった。何も見なかった。


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で、あとはこのピンにテンショナーを差し込んでボルトを取り付けるだけですが、これが難しい。この写真はカメラを隙間に突っ込んで写してますが、この部分、上からも下からも見えないので手探りでやるしかありません。


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それにしてもこのテンショナー、他社の車だと赤矢印同士にスプリングがついており、ベルトの張りはそのスプリングが行うんですが、ダイハツのエンジンにはこの部分に何もありません。ベルトの張りは上のレバーを下に引いて左のボルトを締めるだけ。つまりベルトの張りは人力で行うのです。


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準備はできたのでプーリーを差し込みタイミングベルトをセットします。(プーリーの内側には防水と錆止めを兼ねてシリコングリスを塗って差し込みました)

ところがベルトの長さがギリギリのため、プーリーの溝にベルトの歯がなかなか入りません。こっちのプーリーをちょこっとだけ回転させて微調整したらやっと入りました。


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次にテンショナーで張り調整をしますが、手探りではサービスマニュアルのようにドライバーをテコのように使ってレバーを下に押し下げる(=ベルトを張る)というのは無理があるので、ボルトを仮締めした状態でマイナスドライバーでこのボルトを差し込んでいる部分を下に押し下げベルトにテンションを掛けました。矢印の部分にM8のボルトが通ることを確認して(つまり壁との隙間が8mm)、固定ボルトを39Nmで締めてベルトの張り調整完了です。しかし元機械加工屋としては、ベルトの張りの基準がこのすきまにM8のボルトがすっと入ること、というのが納得できません。


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カム側の位置決めOK。


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クランク側の位置決めOK。あとはこれを2回転させて元の位置に来ればOKです。(今日はベルトを入れるだけで疲れたので明日のお仕事)


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プーリーのベルト脱落防止用のフランジをセット。・・・てまだ早い。つけるのはクランク回してチェックしてからですね。


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これでタイミングベルトつきました。あとはカバーを付けて新品のクランクプーリーと発電機とクーラーのベルトを付けたら今回の作業すべて完了です。

晩飯のカレーを作らないといけないので最終工程は明日に。


本日の作業時間:1時間 累計作業時間12時間/8日。


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