4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール11日め。振り出しに戻る。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
今日は昼間は暑かったのでサボって、涼しくなった夜に作業開始。クラッチまで取り付けて右側のカバーを付けていえーいという予定です。
まずあちこちはみだしている液体ガスケットを掃除していきます。先日液ガスを塗る場所を間違えたキックギアの奥。全周はみ出してるので取り除きます。
忘れぬうちに、クラッチの奥になるここのCクリップを取り付けます。このシャフト、前後に少し動くんですが、クリップの溝は引っ張らないと出てこないので、油断してると絶対つけ忘れます。
タブレットで自分のブログを逆再生しながら作業しました。これで手順を間違えたり、部品を付け忘れることが防止できます。
Cクリップは新品にします。クリップ類は再使用不可とのこと。
このクリップなんか変。焼きが入ってなくない?
入りましたが・・・。工具先端ににうまく引っかからずに何度も広げるううちに変形しました。一部が凹んでしまい丸くありません。質が悪いぞこれ。純正なのに。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール10日め。クランクケース合わせ。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
また1日空いてしまいました。(何もせず1日が終わってしまった)
今日はベアリングとオイルシールを全交換した左右のクランクケースを組み付けてしまいましょう。
そのためにはまずクランクシャフトに残ってしまった左側のベアリングを抜かなくてはなりません。
ずっと前に買ってあったベアリングプーラーがやっと日の目を見ました。
まずベアリングとクランクの間にホルダーを潜り込ませます。
ナットを締めていくだけでも結構抜けてきます。
最終形態。プーラーを使って更に引っ張ります。
抜けましたー。このベアリングは外輪を引っ張ったのでもう使えません。右のベアリングと違いタール状のオイルにまみれてました。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール9日め。クランクケースにベアリングとオイルシール組み付け。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
気がついたらあっという間に10日が過ぎてました。いくらやる気がスイッチが行方不明でも流石にまずい。記憶が薄れる前に手を付けないと。
ということでなんとか自分のケツをひっぱたき少しだけ先に進めました。
まず以前購入してあったベアリングを捜索しました。なんとか必要なもの全部を救出。
クランクベアリング。左が高精度の社外品で右は通常の工業用。今回は左のを使います。純正品番92045-1059 規格R-6304C3。右のには品番に”R”が付きません。ただの6304C3です。多分R付きは精度が違うのだと思います。ちなみに左のはKS2用で、1万回転まで保証というやつでした。ですのでお値段も数倍します。あとC3というのはオイルに漬けた状態で使うためオイル隙間が大きいという意味らしいです。
今回の主役、クランクオイルシール 純正品番653B203508 規格TB20358
アウトプットシャフトベアリング 純正品番601B6201 規格6201C3
シフトドラムベアリング 92045-1171 規格6804
クラッチシャフトベアリング 601B6203Z 規格6203ZC3 Zは片面シールの意味らしいです。無印はオイルに浸かること前提なので、シールはなくボールがむき出しです。
まずは左側クランクケースにクランクオイルシールを組み付けます。こいつは中からしか組みつけることができないためベアリングを入れる前に組み付けないといけません。
分解するときすんなり抜けたので油断してました。叩き込めば簡単に入ると思っていたんですが。
嵌合がかなりきつい上に叩くとこ間違えたようで(フランジを叩いた)潰れてしまいました。どうやら溝の奥の鉄板部分をパイプ状の物で叩かないとだめだったようで。
そこでヒートガンで周りを炙って穴を膨張させ、オイルシールドライバーで叩き込んでやっとこドンづきまで入れることができました。フランジの潰れは多分影響ないはず(と思いたい)。
ベアリングやシールは抜くときは簡単に抜けたのですが、新品は結構キツキツみたいで。このあとはすべてヒートガンのお世話になることに。(それでもゆるゆるにはならず、叩き込む必要がありました)
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール8日め。 砂落とし洗浄 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
手順を間違えた結果、サンドブラストの砂だらけのエンジン廻りをアルカリ洗浄液で再度洗いました。
洗浄剤はサンエスのK1。もういつ買ったかも覚えてないほど古いものです。印刷が劣化していて手が緑色になりました。
水で溶かしてクランクケースを漬け込みます。こっちはほとんど砂が残ってないので2時間ほど漬けてブラシで洗ったあと水で洗浄剤を落としてエアブロー。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール7日め。 エンジン外部の塗装とマスキング剥がし [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
昨日の続きです。
サンドブラストしたクランクケースとシリンダー、シリンダーヘッドを塗装しました。
まず熱の加わらないクランクケースを安物のラッカーシルバーで塗装。
いやあ、安物のプラモデルのメッキみたい。つや消しシルバーってホームセンターに無いんですよねー。重曹ブラストでつや消しにするか・・・。
ヘッドとシリンダーは耐熱シルバーで。ツヤは一緒かなあ。熱が入れば変わるかな。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール6日め。 エンジン外部のサンドブラスト。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
体調不良と暑さに負けて、一気にとはいかずになかなか先に進まない作業ですが、ちびちび進めていた分をまとめました。
さて、何日も迷った末、エンジンまるごとサンドブラストする決心をしましたが、その前に、YOUTUBEではやってる重曹ウェットブラストなるものを試してみました。サンドブラストは砂を使う以上、エンジン内部に砂が入らないようマスキングする必要がありますが、水に溶かした重曹なら汚れ以外を研削しないため、水で洗浄すればいいのでこのままブラストできます。
だが、しかし
34年分の腐食は重曹ごときではびくともしませんでした。
さっさと諦めて、焼付きこびりついたガスケットを剥がしていきます。
久しぶりのガスケットリムーバー。
吹き付けては浮き上がったやつを剥がし、吹き付けては剥がしで1時間以上。
クランクケース側もちまちま剥がしていきます。
このあとアルカリ洗浄液に漬け込んで、硬いブラシで油分や汚れを落としていきました。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール5日め。 クランクケースからベアリングとオイルシールを撤去。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
クランクケースを割ってクランクやミッションを抜き出したKS2ですが、走行1万キロなのでベアリングを新品にするかどうかを迷っとりました。が、できればケースをサンドブラストしたいという欲求に勝てず、すべてのベアリングとオイルシールを撤去することにしました。となると構造上、一度抜いたベアリングは再使用できません。なぜかというとケースの構造上、外周を叩いて抜けないベアリングがあり、どうしても内輪を叩かないとだめで、そうなるとガタが出て再使用不可となるためです。
最初はドライバーでオイルシールをこじって外そうとしたんですが、結構きつくハマっていて、ケースに傷が入ってしまいました。
そこでyoutubeで見かけた、ストーブでクランクケースを加熱膨張させて抜く、というのを試してみました。ただ、気温が30度オーバー。熱いよー。暑いよー。
風があるせいか、なかなか温度が上がりません。とりあえず70度前後まで温めました。
オイルシールやベアリングを抜くには専用工具があると非常にやりやすいです。こいつはストレートのアルミ製。プレスには使えませんが今回みたいなのには必要十分でした。
まずは左ケース。
右のビス2本を抜き、シフトドラムのベアリングを抜きますが、なぜここが押さえてあるのか。実は押さえ金具を外したらベアリングはストンと落ちて抜けました。つまり強度がなくて圧入が効かないのです。
だって入ってるのがこんな薄いベアリングで
相手はこんな薄い壁なのです。
さて先程の写真の黄色矢印。これがベアリングの外周を押して抜くことができない理由です。ベアリングはこちらからしか押せないのに外輪がフランジで隠れてるのです。
右側のがその反対側。向こうから押し出すしかない構造です。逆に右下のベアリングはこちらから押し出さないといけないのに以下同文。(ひとつ上の写真の下側のベアリング)。高温にはならなかったけど温めたらどのベアリングも割とすんなり抜けました。しかしこういうふうに交互に入ってたら、ケースを温めることですんなり入ったベアリング、ケースを裏返した途端落ちるよね。少し叩き込むぐらいでちょうどいいのか。
左クランクシャフトのオイルシールが抜けたあと。燃焼室からの吹き返したスラッジがべったり付いてます。(右側のオイルシールはオイルに浸かってるため綺麗です)
スプロケットの根本のベアリングとオイルシールが抜けたあと。手前にオイルシール、段付きの向こうからベアリングが圧入されてます。
ミッションのシャフト(クラッチのシャフト)を受けるローラーベアリングが抜けたあと。
この左ケースの外側、真ん中に見えるへそみたいなのが片面袋のローラーベアリングです。なんとオイルシールもなんにもなしで外に接してます。(へその向こうはギアオイルに浸かってます)
エンジン内部側。こっち側はオープンでオイルに浸かってます。
こっちがスプロケット側。外気にさらされてます。なんでこんな構造かな~と推理しましたが、こうじゃないとローラーベアリングって抜けないのです。今回こちら側から中の方へ叩き出しましたが、ここが壁だったら抜くことは無理でした。
チェンジシャフトのオイルシールが抜けたあと。ベアリングはありません。
右クランクシャフトのオイルシール。外には抜けない左側と違って、こっちは外へも中へも抜けます。つまり外から交換できる。なんで左もそうしないかなあ。そうすりゃエンジンバラさずにすんだのに。
ストーブで加熱して、オイルシールとベアリングを同時に外から叩き出して一気に抜きました。
左クランクケース全バラ完了。
上から左クランクオイルシール、チェンジシャフトオイルシール、スプロケットの根本のオイルシール、クラッチシャフトのローラーベアリング、アウトプットシャフトベアリング。
右クランクケース全バラ完了。
左上から、シフトドラムベアリング、左クランクオイルシール、アウトプットシャフトベアリング、クラッチシャフトベアリング。これにクランク側に残ってしまったベアリングが加わります。
これでケースのブラストできます。
ベアリング入れるときも頼むよー。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール4日め。 クランクケース分割。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
またまたサボってしまいました。少し体調が戻ったので作業再開です。
先日外れなかったシフトドラムのリテーナー(パーツリストでは「ホルダー」となってました)。5mmの長い六角レンチが見つからなかったので
自転車のシートポストで延長し無事外れました。マニュアルによるとネジロックが塗ってあるみたい。
こういう構成でシフトドラムに嵌合しています。シフト時に引っかかるピン(6速なので6本)は刺さってるだけなので紛失しないよいうに保管します。
裏にはノックピンが刺さる穴があります。
こちらがノックピン。圧入してあるようで手では抜けませんでした。(小さい方の穴は開いてるだけです。)
この花びらみたいなのにローラーが押し付けられて変速したギア一を固定します。小さな凹みはニュートラル?
クラッチハウジングの奥にスナップリングがあるので外します。
これで右クランクケースから外さないといけない部品は全て外れました。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール3日め。 クラッチ側の部品取り外し。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
いやあ、体調が悪くて1日半サボっちゃいました。今日は夕方から作業を初めて一応続きを書くことができるところまで。
今日は先日スプリングまで外したクラッチをバラします。
クラッチのシャフトの先端のサークリップを外します。
これでクラッチハブが抜けてきます。
これがクラッチハブ。こっちがギアボックスに動力を伝える側です。
1枚目に入っているフリクションプレートを抜きます。こいつはクランクシャフトのギアで常時回されている、クラッチハウジングに外の爪が嵌合して一緒に回っています。
2枚目はクラッチプレート、こっちは内側の爪でギアボックスと繋がっている先程のクラッチハブに嵌合しています。クラッチを切ると停止する側です。この2枚が交互に3セット入っており、一番奥にフリクションプレートが入って7枚構成になってます。エンジンをかけると常に回ってる側をプライマリー側、クラッチを切ると止まる側をセカンダリー側と言います。蛇足ですが、プライマリーキックというのはキックギアがプライマリー側を回す仕組みでクラッチを切ってもクランクが回るのでエンジンが掛かりますが、昔のヤマハ車やドカティのベベルなどはキックギアがセカンダリー側を回すため、クラッチが繋がってるとキックに連動して前に進んでしまいますし、クラッチを切るとキックが空振りするためエンジンをかけることができません。つまりニュートラル以外ではエンジンを掛けられません。まあキック自体がなくなりつつあるのでどうでもいい話ですが。
これが1セット分の組み合わせ。(全部でフリクション4枚+クラッチ3枚)
そして内側にあるこのクラッチホイールがスプリングの力で7枚のプレート共を押し付けて、動力をギアボックスへ伝える仕組みです。
エンジン内側から見た状態。(エンジン左側からプッシュロッドでクラッチを切るバイクだとこっちがエンジン外側になります)
エンジン外側から見た状態。実はこの部分、バラす必要はありませんでした。スプリングを組み付けたユニット状態のままサークリップを外してごそっと外せばよかったのです。
これでクラッチハウジングも抜けると思ってたんですが、こっちは別のスナップリングで固定してありました。
こっち用の工具が見当たらなくて、丸穴用のサークリップ外しで苦労して抜きました。
4年越しのやるやる詐欺に終止符 ギアオイルを消費するKS2のエンジンオーバーホール2日め。 汚れ落としとクラッチケース御開帳。 [89’KAWASAKI KS-ⅡKMX80-A2]
昨日の続きです。よかった、ちゃんと続いたよ。
エンジンをバラす前に汚れの酷いところを中性洗剤で洗います。
洗う前に内部に水が入らぬように穴を塞ぎます。全バラするから水が入っても支障はないけど、もし続きが数年後とかになったらサビが怖いので。まずは外してあったニュートラルスイッチを元に戻します。
オイルポンプカバーには防水グロメットの付いたオイルホースを。
オイルコントロールケーブルの穴にはM6のボルトをねじ込んどきます。
洗剤を吹き付けて歯ブラシで擦ったんですが、こびりついた汚れの層はびくともしない。結局真鍮のワイヤーブラシでガシガシ削り落とす羽目に。
ここで初めて気づいたんですが、この隙間は何?。まさかここからオイルが漏れ出してる???。なんてことはなさそうですが、なんのための溝なんだろうか。
底は結構見られるようになりました。
流石に細かいところはワイヤーブラシが入りません。諦めます。
きれいになったところで体重測定。
えーっ!!!。12.8kgしかないの????。ラジコンエンジンかよ。道理で乾燥重量が軽いはずだわ。(くどいようだけどたったの66kgです)まあ重たいフライホイールが外れてるけど・・・。
一緒に添い寝できるぐらいきれいになったので机の上に据え付けます。
これ以上はサンドブラストするしかなさそう。全バラした後で考えます。
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