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2002年8月11日-8月20日 ヤマハGTS1000で行く北海道ツーリング 準備編 [北海道ツーリング]

かつてYAMAHAさんが作った1993年式のGTS1000という、前輪も後輪もスイングアームという変わったバイクが存在していました。日本で最初に排気ガス対策のためのキャタライザーを装備し、燃料供給に電子制御のインジェクションを採用、モデルチェンジを繰り返していずれすべてのバイクがこの形になるだろうと思われていた瞬間もありましたが、結局一度もモデルチェンジすることもなくひっそり消えていきました。何しろBMWR100RSの新車が145万で買えたときに強気の180万円という値札がついていたのです。そりゃ売れませんわな。


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93年10月号のMC誌の広告。すでにバーゲンセール価格。でもこの値段。


そんな不人気バイクが我が家にいた時期もありました。弟が60万円ぐらいで買ったやつが、BMWR1150RTを買う際に場所確保のため、2002年の5月、うちに来たのです。


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SP忠男のコンバットフルエキゾースト。なので標準装備のキャタライザーはついてません。当時は排気ガス規制そのものがなかったためこれで車検に通りました。規制が厳しくなった今だとどうでしょ。-A無しモデルなのでABSは無しです。


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写真が小さいのは(242x181と320x240ピクセル)原版がないから。この写真は、当時アップロードできる容量がむちゃくちゃ少なかったホームページ「私の華麗なバイク変歴」のために縮小したもので、原版は640X480ピクセルです。そうなんです。実は撮影はフィルムカメラではなく、フジのファインピックス1700Zという、150万画素、最高画質1280x1024ピクセルの初めて買ったデジカメなのです。当時の保存メモリーが最大で32MB(ギガバイトじゃないよ、メガバイトはギガバイトの1/1000サイズ)だったので撮影可能枚数を増やすため最高でも640x480で撮影してました。(まあ当時はディスプレイがブラウン管のVGAディスプレーだったので、640x480でも画面いっぱいに表示されていましたから、これで十分だったのです。)32MBメモリーだと最高画質では48枚、640x480で180枚写せました。で、コイツの元があるはずとR100RSの写真同様、家中捜索しましたが2002年のデジカメデータは発見できませんでした。ちょうどフィルムとの端境期で、多分スクラップ箱にあった、壊れた数個のHDDの中にあったのでしょう。もしかして記録したメディアがないかとも思いましたが、コイツの記録メディアはスマートメディア。ただでさえ壊れやすかったペラペラのメディアです。あったとしても今では読む方法もないし。


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前輪右側面には何もありません。前輪直後がスイングアーム。というよりダブルウィッシュボーンのロアアームです。


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反対側。フロントサスペンションユニットがあります。リンク式ではなく2本サスのリアと同じ構造。というよりモノサスのR100RSのリアとほぼ同構造ですな。いや、アッパーアームのある平行四辺形だから、最も近いのはスーパーセブンのフロントサスペンションです。(自転車に詳しい人ならアレックス・モールトンの平行四辺形のフロントサスとほぼ同じ仕組みといえば通じるかな。)


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これがフレーム。2枚のプレートでエンジンを挟んで固定されていて、フロントアームとリアアーム、ステアリングヘッドはすべてこの2枚のプレートで支えられています。


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この角度からはフロントフォークがないことはわかりません。つまり凡庸。よくZZR1100と間違えられました。


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通常のバイクだとフロントフォークチューブがある部分。このへんはハンドルへの入力を前輪に伝える役目しかありません。なのでいわゆるロア側の三叉はモンキーのやつぐらいの大きさです。上の白い部分がトップブリッジ。ロアの小ささがわかるでしょうか。ハンドルを切るとフロントフォークに当たる部分がこの小さなロアブリッジを回し、その下にあるラバージョイント(ナットが付いてる円盤)を回して

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この蛇腹に伝わり前輪を左右に回転させます。真ん中にある蛇腹はサスペンションではなく、上下動する前輪と一緒に伸縮し、ハンドルと一緒に回転する、四輪のステアリングシャフトに相当するものです。奥がラジエター。通常の水冷バイクではフレームが邪魔して絶対に置けないエンジン上部という位置にあります。


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フロントブレーキは6ポッドキャリパーで、ベンチレーテッドディスクとともにホイールの中心軸にあります。ここらへんはユーノスロードスターが使ってるダブルウィッシュボーンのサスペンションを横向きに付けたような構造ですね。スイングアームに沿ってブレーキホースが配置されてるため、普通のバイクの倍の長さが必要なので、ガツンと効くタイプではなく「真綿で首を絞める」ようにじわっと、それでいて強烈に効きます。(ただし、ABS付きは更にホースが長くなるため効きが悪いと聞きました)


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フロント周りのストリップ。バイクの整備には見えますまい。(一番上の写真に黒塗りのアッパーアームが写ってます)

この構造を見れば、フルブレーキングでのフロントの沈み込みがほぼ無い理由と、ブレーキング中の左右へのステアリングとサスペンションがお互い影響を受けないことがわかり易いと思います。(フロントフォークがあるバイクだとフルブレーキング時にはサスが沈みきってしまうことと、キャリパーがディスクを掴むことでフォークチューブとアウターをこじる力が発生するため、サスが自由に動けず、ギャップがあればなすがままって感じですが、GTSの場合はフルブレーキング時に前に向かってかかる慣性力はスイングアームピボットがまっすぐ受け止めるため、サスペンションは自由に動けるので余裕でギャップに突っ込めます)なのでフルブレーキング中でもバイクを寝かして曲がることができるんです。すごいですよこれ。



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リアも片持ちだったら面白かったんですが、この辺はエンジンドナーとなったFZR1000とほぼ同じ構成。


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タンクカバーの上には小物入れと給油口があります。この給油口、中にスプリングで閉じるバルブがあり、ノズルを奥まで突っ込むことでガソリンが吹き返さないようになってるんですが、今みたいにセルフがなかった時代にはいちいち説明しないとツッコミが足らず、閉じているこの蓋にガソリンが跳ね返って逆に吹き返す羽目に。あと、蓋が邪魔して油面が見えないのでガソリン残量はメーターだより。リザーブもなく、このメーターが当てにならないので200㎞ごとに入れてました。


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メーターはほぼ四輪。


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タンク周りのストリップ。


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膝より上には構造材がない、フレーム(灰色の部分)構成がよく分かると思います。(この大きい写真は後年一眼レフで撮ったもの)タンクは20リッター。丸いのが燃料ポンプ。


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カタログより。普通のバイクでいうフレームやサスペンションなどの構造部分は白い部分だけ。左上の黒いパイプフレームはただハンドルとヘッドライト、メーターなどを位置決めしているだけです。


画期的なフロントアームは高速ではそれこそ微動だにしないほどの安定感を生み出しましたが、低速ではやたら切れ込み(これはこの時点でさえ廃番となって手に入らなかった、FZR1000と共用の130/60-ZR17という純正タイヤの代わりにつけてる120/70-ZR17のせいかも)、ちょい乗りに使うには重すぎる250kgオーバーという乾燥重量がネックとなり、あまり乗られることなく車庫に鎮座してたのですが、高速での移動が楽なGTSなら北海道一周も楽なんじゃないだろうかと思いたち、手に入れた3ヶ月後に3年ぶりに北海道ツーリングに行くことにしました。


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1999年8月11日-12日 ホンダXLR250Rバハで行く北海道ツーリング 狩勝>室蘭>小樽 道内5日目+道内最終日+フェリー [北海道ツーリング]



1999年8月11日。今日は道内最終日マイナス1日です。明日小樽発午前10時の便で帰ります。


サホロリゾートをあとにして、国道38号線へでて西へ。峠に向かって登っていきます。


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北海道の大動脈、十勝山脈を越える国道38号線の狩勝峠。標高644m。20㎞ほど南の国道274号線の日勝峠が1020mですのでこの道が主要国道になったわけがよくわかります。


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この日付はあってます。(昼に12日になっちゃいますので11日表記のものは午前中の撮影ということになります)。カントリーサイン、露出オーバーでよく見えませんが「みなみふらの」です。いや、バイクはきれいに写ってるので看板のほうが色あせてるだけか。


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南富良野らしい景色が続きますよー。


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何回か泊まったかなやま湖キャンプ場への分岐にある「幌舞駅」に寄り道。浅田次郎の小説「鉄道員(ポッポ屋)」の映画版の舞台となった駅です。広末涼子可愛かったですよねえ。


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実は駅舎はセットではなく根室本線の現役の駅。「幌舞駅」というのは架空の駅名で、本当は根室本線「幾寅(いくとら)駅」です。(ホームから駅舎を見下ろしてます)


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ですのでこのホームには実際に気動車が走ってきますが、ダイヤが薄いので来る確率はゼロに近いです。


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駅舎以外は全てセットです。つまりほんとは駅前には何もないわけで。

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